CPU換装にはWindows XPの再インストールが必須?

 Windows XPの場合,CPUをアップグレードしたときはOSを再インストールしたほうがよいと聞きました。なぜでしょうか?



  Windows XPは,内部でさまざまなCPUの拡張機能を使います。その代表例がSSE/SSE2への対応でしょう。Windows XPは,SSE/SSE2の命令セットをサポートしているCPUを使用すると,ネットワークのチェックサム計算などをSSE/SSE2命令で最適化し,高速化を図ります。
 例えば,AMDのAthlonはSSEをサポートしませんが,Athlon XPはSSEをサポートします。AthlonからAthlon XPにアップグレードしても,Windows XPは「SSE非対応プラットフォーム」として構成されており,SSEによる高速化の恩恵を受けられません。しかし再インストールを行うと,Ahtlon XPならばSSE対応として構成され,SSE拡張命令による高速化の恩恵が受けられます。
 同様に,例えばKatmaiコアのCeleron(SSE非対応)からCoppermineコア以降のCeleron(SSE対応)へアップグレードした場合も,OSを再インストールすると多少の高速化が望めます。
 しかし,機能や命令セット面に差がないクロックアップだけのCPU交換……例えばPentium 4/1.80または1.80A GHzからPentium 4/2.20GHzへのアップグレードや,Athlon XP/1500+から2100+へのアップグレードなどの場合は,OSを再インストールする必要はありません。再インストールを行うのは機能面(命令セットや省電力機能の違い)で異なるCPUへのアップグレードを行った場合に限られると考えてください。 (米田 聡)