オーバーバーンの利用方法
オーバーバーンの設定を使って焼いた音楽CDを別のドライブでは再生できないのですが,これはどういった原因なのでしょうか。
最近では80分メディアやオーバーバーン(Over Burn)対応ドライブなど,若干仕様の異なった製品が多く存在します。とくに「オーバーバーン」という言葉はよく耳にします。ご質問の内容だけでは判断できませんが,オーバーバーンには大きく分けて2種類あります。
一つはトラックピッチと線速の両方のマージンを規定のぎりぎりまで詰める方法です。一般的には,オーバーバーンというと,こちらのほうを指します。これは,データを記録しているトラックとトラックの間を狭め,線速を遅くすることで,記録できるデータ量を増やしているのです。このため,データの書き込みや読み取りがシビアになり,エラーが起きやすくなります。このシビアな要求に応えるため,ライティングソフトはもちろん,メディアとドライブがオーバーバーンに対応している必要があります。80分メディアやオーバーバーン対応ドライブ,ライティングソフトではランドポート(http://www.landport.co.jp/)の「Disk
Juggler」(スタンダード版6800円)がこれに当たります。これによって,オーバーバーンに対応していないようなマージンの設計がルーズなドライブでは,質問のように途中で再生がストップしたり,ひどい場合はまったく再生できないといったことも発生するのです。
もう一つのオーバーバーンとは,通常の75分メディアに,最大容量より少しだけ多くデータを書き込むライティングソフトの機能のことです。イージーシステムズジャパンのライティングソフト「RecordNow
Max4」などに搭載されているオーバーバーン機能がそれに当たります。
通常のCDメディアには,リードインエリアと音楽ソースなどが記録されているプログラムエリア,そしてプログラムエリアのさらに外周に,リードアウトエリアという3分以上の無音の部分があります。オーバーバーンは,このリードアウトエリアをプログラムエリアとして書き込むわけです。
リードアウトエリアに書き込まれたデータを,どの程度読めるかは再生するプレイヤーやドライブによって異なります。リードアウトエリアはデータを書き込む部分ではないため,リードアウトの最後までピックアップを動かす必要がないからです。プレイヤーでオーバーバーン部分を再生中に,ピックアップがシャーシなどと接触してしまい,結果途中までしか再生できないということが起こるわけです。再生するプレイヤーがどのくらいまで再生できるかを確かめて,オーバーバーンの設定を変更するとよいでしょう。
(吉村剛彦)

「RecordNow Max4」ではリードアウト部分を使い,規定以上のデータを書き込んでいる

オーバーバーンに対応したライティングソフト「RecordNow Max4」。発売元:イージーシステムズジャパン(TEL:03-5643-9080,http://dl1.easy.co.jp/),価格:1万5800円