コピープロテクトCDの謎
コピープロテクトCDとはどんなものなのですか?
コピープロテクトCDは,その音楽CDを容易にPCでデジタルデータ化できないように対処されたものです。インターネットでの不正なデジタルデータの配信などが問題になっていますが,こうした行為を容易に行えないように制限をかけたものといえます。
コピープロテクトCDは「CCCD」(コピーコントロールCD)とも呼ばれ,イスラエルのミッドバー・テック(http://www.midbartech.com/)が開発した「Cactus
Data Shield」(CDS)というプロテクト技術を利用しています。CDSには,対象となるメディアによって3種類あります。
(1)音楽プレイヤーでしか聴けない「CDS100」
(2)音楽プレイヤーと一部のCD-ROMドライブ,DVD-ROMドライブで聴ける「CDS200」
(3)インターネットを利用した個人認証機構が付く予定の「CDS300」
現在市販されているものはCDS100/200のみで,日本で発売されているエイベックスのCCCDは,すべてCDS200となっています。
CDSでは,TOC(Table Of Contents)と呼ばれるCDの目次部分のデータが通常と異なるデータになっており,正常なデータサイズなどを読み出せないように細工されています。
例えば,CCCDをPCで見てみると,1GB近くのデータに見えます。実際はそんなに大きなはずはなく,ドライブが誤った情報を読み出していることになります。
CDS200では,Windowsで再生可能となっているものもあり,その場合はCCCD内に記録されたデジタルデータを読み出して再生することになります。その専用プレイヤーもCCCDに入っていますが,どうやらWMA方式のデータを再生しているようです。
日本ではエイベックスが先頭を切る形でCCCDリリースを行っていますが,5月29日に東芝EMIが「THE JAPAN GOLD DISC AWARD 2002」を発売するなど,将来的にはさらに多くのレコード会社も追随する可能性が高いと思われます。
現在売られているCCCDは,最初ということもあり,それほど堅固にプロテクトされているわけではありませんが,再生できるはずの音楽CDプレイヤーやCD-ROMドライブで再生できなかったり,音飛びが頻繁に発生するなどといった報告も聞かれ,サポート対象外とする家電/ドライブメーカーが少なくありません。
あまり堅すぎるプロテクトでは,再生できるプレイヤーが限られてしまい,買ったものの再生できないという人も増えることでしょう。そうした,セキュリティと使用感のバランスをとるのは,とても難しいことです。なお,CCCDについては次号で詳しく取り上げる予定です。
(編集部)

コピーコントロールCDにはこのようなマークが入るので,購入前に普通のCDか否かを確認できる