XPへNetBEUIをインストール
Windowsの通信プロトコルがよく分かりません。まずは,NetBEUIとNetBIOSの違いを教えてください。また,Windows XPにNetBEUIをインストールすることは可能なのでしょうか。
Windowsでは,ファイルやプリンタの共有を実現するためにNetBIOSを使用しています。NetBIOSとは,アプリケーションやファイル共有のサービスなどに対して,ネットワークサービスを提供するためのインタフェースのことで,下位の通信プロトコルとしてNetBEUIやTCP/IP,IPX/SPXなどが利用できます。
Windows 2000以前のWindowsでは,ファイルやプリンタの共有プロトコルとして,主にNetBEUIを利用していました。NetBEUIとは「NetBIOS
Enhanced User Interface」(NetBIOS拡張ユーザーインタフェース)の略で,クライアントの識別はコンピュータ名のみで行われるため,IPアドレスなどのネットワーク設定を個々のPCに対して行う必要がないのが特徴でした。しかし,ルーティングが不可能であり,大規模なネットワーク構築を想定して設計されたものではありませんでした。コンピュータの数が50台程度までの比較的小規模なネットワークの構築に向いているプロトコルと考えてよいでしょう。
NetBEUIの代わりにTCP/IPを利用したものを「NBT」(NetBIOS over TCP/IP)といいます。TCP/IPはルーティングが可能であるため,LAN同士を接続することで大規模なネットワークを構築することができます。
Windows 2000の登場によって,これらNetBIOSインタフェースを利用しなくても済むようになり,名前解決はすべてDNS によって行えるようになりました。もちろん,互換性のためにデフォルトではNetBIOSインタフェースが利用されるようにはなっていますが,マイクロソフトはDNSによって名前解決することを将来は望ましい構成としています。このためか,Windows
XPでは,NetBEUIのサポートが打ち切られてしまいました。
しかしながら,NetBEUIは数台程度しか接続しない家庭内LANなどでは,依然として設定が手軽で通信速度も速いといったメリットが受け入れられているのも事実です。また,ルーティング不可能というスペックが幸いし,インターネットに情報が漏れないという,セキュリティ面での利点もあります。Windows
XPにNetBEUIをインストールする方法は以下のとおりです。
コントロールパネルの[ネットワーク接続]で[ローカルエリア接続]のプロパティを開きます。[全般]タブの[インストール]ボタンを押してから「プロトコル」を選んで[追加]ボタンを押します。[ネットワークプロトコルの選択]では[ディスクを使用]ボタンを押します。次に[参照]ボタンを押して,Windows
XP CD-ROMの中の「¥VALUEADD¥MSFT¥NET¥NETBEUI¥NETNBF.INF」を選択すると,[ネットワークプロトコルの選択]で「NetBEUIプロトコル」が選択可能になります。あとは画面に従って進み,最後に再起動するだけです。
(志村泰造)

[スタート]メニューの[すべてのプログラム]→[アクセサリ]→[通信]から[ネットワーク接続]を起動。その後,目的とする接続の[プロパティ]を選択する

接続のプロパティのダイアログから[インストール]をクリック。[プロトコル]を選択して[追加]ボタンをクリックすると「NetBEUI」が選択できる