グリスの塗り替え時期は?

 CPUクーラーに付けるグリスには,使用期限があるのでしょうか? 1年に1回くらい塗り替えるべきでしょうか?



 結論からいうと,よほど下手な塗り方をしているのでなければ塗り替える必要はありません。
 CPUクーラーに付けるシリコングリスや熱伝導テープは,ヒートシンクと,CPUのヒートスプレッダやフリップ実装されたCPUコアとの間の隙間を埋めるために使用されています。本来ならないほうがいいものですが,グリス類がないとどうしても隙間ができてしまい,隙間の空気層が断熱して効率よく熱をヒートシンクに伝えられなくなってしまいます。そこでグリスやテープを用い,隙間を埋めるわけです。
 したがって,グリスは可能な限り薄く塗られているのが望ましく,かつ隙間がグリスでしっかりと埋まっていることが理想です。
 グリスやテープを剥がしてしまうと,ゴミやカスが付着して,次にグリスを塗ってCPUに押し付けてもゴミやカスが邪魔をしてヒートシンクとCPUの密着を損なうことが多いようです。塗り替えは実害はあってもメリットはほとんどありませんので,普通は行わないほうがいいでしょう。
 ただし,初回のグリスの塗り方が上手でなく,CPUとヒートシンクの間に空気が入ってしまったなどという場合なら,塗り替えるべきでしょう。やむを得ずグリスを塗り替えるのなら,CPUとヒートシンクの双方のグリスをていねいに取り除き,ゴミやカスのない状態にしてからグリスを再塗布して,CPUとヒートシンクを密着させてください。 (米田 聡)



グリスを塗るときはムラなく,かつ付けすぎないようにする