USBで音がよくなる!?
現在使っているサウンドカードの影響だと思いますが,ノイズが気になるので,新しいものに変えようと思っています。USB接続の外付けタイプは音がいいと聞いたのですが,実際はどうなのでしょうか。
PCI接続とUSB接続ではどちらの音質が優れているかというのは,搭載されているチップなどでも変わるため一概にはいえません。ただし,音声に入り込むノイズに限っていえば,USBで接続するタイプのサウンドユニットが有利です。
サウンドカードでは搭載されているコーデックチップにより,音声信号をデジタルからアナログ,アナログからデジタルと変換しています。PCの内部には,常に高速で動作しているCPUやメモリなどから出るさまざまな高周波ノイズが存在しているため,アナログ信号を扱っているサウンドカードは,どうしてもこのノイズの影響を受けてしまいます。高価なサウンドカードでは,ノイズを低減させるために回路のレイアウトなどに工夫を凝らしていますが,それでも限界があります。その点,USB接続のサウンドユニットは,アナログ信号を扱う部分がPCの外部にあるため,PCのノイズの影響はほとんど受けないので,特別な回路を使わずにS/N比を上げることができるわけです。USB接続のサウンドユニットでは,高周波特有の「サーッ」というノイズはほとんど感じません。また,PCIという規格に縛られたサウンドカードに比べて,外付けでは設計が自由なため,PC以外のノイズにも対策ができるという利点もあります。
USB接続の製品は,オーディオテクニカ製のUSBデジタルヘッドホン「ATC-HA4USB」のように,ヘッドホンにサウンド機能を内蔵したものから,クリエイティブメディア製のUSBサウンドユニット「Sound
Blater Extigy」(http://japan.creative.com/soundblaster/products/extigy/welcome.html)のように高性能なものまでさまざまです。USBサウンドユニット製品は,ノイズが少ないという利点から,ハイスペックなものが多く存在します。このような製品は,アクティブスピーカーではなく,オーディオ用のアンプとパッシブスピーカーの組み合わせで高音質のサウンドを楽しむ場合に向いています。
ただし,USB接続のサウンドユニットなどでは,PCに内蔵されているCD-ROMドライブなどで音楽CDを聞くことは基本的にできません。CD-ROMドライブで再生される音声はデータケーブルとは別のアナログケーブルを使うためです。CD-ROMドライブの音声をUSBユニットで聞く場合は,ドライブ前面に付いているイヤホン端子から別途接続する必要があります。(吉村剛彦)

オーディオテクニカ製USBデジタルヘッドホン「ATC-HA4USB」。D/Aコンバータをヘッドホンの内部に備え,直接USB接続で利用可能。実売価格は1万円前後
(問 オーディオテクニカ TEL042-739-9161
http://www.audio-technica.co.jp/products/hp/pc/atc-ha4usb.html)

PCI接続のサウンドカードはPC内部にD/Aコンバータがあるため,信号にPC内部の高周波ノイズが乗ってしまうことがある