1. 概要

  1. Excitonの特徴
  2. 動作条件
  3. マニュアルの構成と読み方

1.1. Excitonの特徴

ExcitonはMacintosh,WindowsのVSTホスト(Cubase VST, Logic Audio, ...)上で動作するソフトウエアシンセサイザー(VSTインストゥルメント)です。主な特徴は次の通りです。

64音ポリフォニック(最大):1〜64ボイスの間で自由に設定できます。ユニゾンモードを用いて1つのキーですべてのボイスを同時発声して重厚な音色を作成することもできます。またポルタメントはポリフォニック/ユニゾンどちらでも用いることができます。

オシレーター:高音質のオシレーターを2系統搭載。新開発の信号処理技術を用いて従来問題となっていたエイリアスノイズのない高品位な音を実現しました。波形はサイン波/三角波/のこぎり波/パルス波の4種類。パルス波には高音質のPWM(パルス幅変調)が可能です。

フィルター:種類はローパス/ハイパスの2種類、スロープは6/12/18/24dB/Octの4種類から選択できます。ビンテージアナログシンセサイザーの特性を元に設計し、聞感上良好なフィルターに仕上げています。アナログシンセサイザーのようなフィルター発振も可能です。

エンベロープ:ADSRエンベロープを2系統搭載。アタックの立ち上がりカーブを設定できます。打楽器系には早い立ち上がり、またストリング系には遅い立ち上がりを設定する等、用途に合わせた細かい音作りができます。

LFO:LFOを2系統搭載。ウェーブフォームはサイン波/三角波/のこぎり波/矩形波/サンプル&ホールド/ランダムの6種類。モノ/ポリのモード切替が可能です。

エフェクト:ステレオモジュレーションディレイをベースにしたエフェクトを内蔵しています。ステレオディレイ、コーラス、フランジャー、リバーブ、オーバードライブなど様々な用途に対応できます。

モジュレーション:オシレーターとフィルターにはENV1/ENV2/LFO1/LFO2の中から2つまで、アンプリファイヤーにはENV1/ENV2のどちらか片方とLFO1/LFO2のどちらかをモジュレーションにアサインできます。モジュレーションは正負両方向に設定でき、ベロシティーセンスもすべて独立して設定できます。

1.2. 動作条件

ExcitonはMacintosh及びWindowsのVSTホストアプリケーション上(具体的にはSteinberg CubaseシリーズまたはEmagic Logicシリーズなど)で動作します(スタンドアロン動作は現在サポートしていません)。基本的にはホストアプリケーションが適正に動作していればその上で動作しますが、実力を発揮するにはある程度以上のハードウエア/ソフトウエア環境が必要です。Excitonを用いて満足な音楽製作作業を行うのに最小限必要と考えられる条件、及び推奨する環境は次の通りです。

なおこの条件は絶対的なものではなく、他に用いているアプリケーションやプラグインなどによってシステムパフォーマンスは大きく変わります。またMac OS Xは今後対応していく予定です。

なおホストアプリケーションの動作条件については各ホストアプリケーションのマニュアルを参照して下さい。

ExcitonはSteinberg社のVST 2.0インターフェース仕様に準拠したプラグインソフトウエアです。現在のところSteinberg Cubaseシリーズ及びEmagic Logic Audioシリーズ上での動作を確認しています。

他のVSTホストアプリケーション上での動作は今のところ確認していませんが、VST 2.0仕様に準拠したホストアプリケーションであれば問題なく動作するはずです。もし上記以外のアプリケーションで動作しない場合はご連絡ください。可能な限り対応します。

システムパフォーマンスは他のアプリケーションやプラグインによって大きく異なります。特にCPU負荷の高いプラグイン(例えばリバーブ系)を同時使用している場合はシステムのパフォーマンスが大きく低下する場合があります。

またPowerPC G3以前(604など)のMacintosh、Pentium III以前のWindowsマシンでも一応動作はしますが、この場合メモリーを十分に確保する、ホストアプリケーション以外のアプリケーションを同時実行しない、ホストアプリケーション上で他のプラグインを極力使わない等システムパフォーマンスに十分気をつける必要があります。またボイス数を多く取らない、オシレーターのQualityにHighを使用しない等の工夫も必要です。根本的な解決方法はやはり最新のコンピューターに買い換えることですから、古いコンピューターに対しては対応しかねる場合があります。あらかじめご了承ください。

1.3. マニュアルの構成

1. 概要(本章)は概要の解説とマニュアル構成の説明、動作条件の説明です。

2. 基本操作はExcitonのインストール方法とパネルの説明、操作方法の解説です。

3. パラメーターリファレンスは本マニュアルの中心部です。各セクションごとに音色作成パラメーターを説明します。

4. パラメーターオートメーションと外部コントロールはExcitonのパラメーターをシーケンサーや外部MIDI機器を用いて制御する方法について解説します。

5. MIDIコントロールメッセージ一覧はMIDIコントロールメッセージでExcitonをコントロールするのに必要なメッセージ番号の一覧表です。6. MIDIインプリメンテーションチャートはMIDI送受信の一般仕様一覧です。

マニュアル全体を通じて色付きのボックスで囲まれた部分は特別な意味を持ちます。

銀色のボックスで囲まれた部分は各章の目次です。クリックするとその項目へ移動します。

青色のボックスで囲まれた部分は機能や動作についての解説、詳細説明が書かれています。

赤色のボックスで囲まれた部分は使用上注意すべき事項、安全のため守るべき事項が書かれています。

緑色のボックスで囲まれた部分は音色作成上のテクニックやその他の有用な情報が書かれています。