大阪お嬢様大学特集(2)
我々はさらにお嬢様大学のパンフレットの分析を続行する。Walter宅の6畳フローリングの部屋は、ブレーン3人の吸うタバコの煙でもやがかかったようになっておる。しかし我々は真剣な目つきでパンフレットを見ていた。時に付箋を貼り付けたり互いの意見感想を求めたり。Deepなモノにする為に注ぎこむ精力は尽きそうもない。
それだけこの企画に熱中しておった訳や。但しブレーン全員の目尻は垂れ下がり、鼻の下は伸びきっておったことは言うまでもない。
さて、次は北摂代表の金蘭短期大学。人によってはここは「お嬢様というには余りにもケバケバしすぎる」ということで、「お嬢様大学」の名声は妥当でないとすることがある。また金蘭自体の大学創設も、昭和38年と他のお嬢様大学よりはるかに歴史は浅い。が学校法人である「金蘭会」そのものは明治38年と古く、女子教育振興には十分過ぎる貢献を果たしてきている学校なんや。
しかし、前ページでふれたとおり、「阪神岡田校門前出没」とか「学校は化粧前(注)であり、学校で互いのファッションを牽制し合った後、続々と夜の街へと繰り出している」などといういかにもケバケバしい風評を聞くにあたり、
「ほんまにそう言う感じが案内にもあらわれておるんやろうか」
を確認したいのと、まさしの強い希望(ひょっとしたら昔なんか金蘭の子とあったんかもしれん)、女子大生にうるさいWalterの意気もあって登場となったのである。

先ずこの右の写真。非常に清楚な女の子が図書館で本を読んでおるという国文学科の紹介を飾るページや。この写真について「これは在校生やのうて、モデルやないんか?」という疑問がたつ。
(Walterは「そんなことどうでもええ!。ワシは文句なしに好みじゃ!」といきり立ったがJIJIが必死で諌めた。)
JIJIが頭に血が上って冷静さを失ったWebMaster=Walterに代り、冷静沈着なSubEditorとして分析にかかる。まさしは想い入れのある(?)大学の分析だけに熱心に聞き入る。(Walterは鼻くそをほじくりながらJIJIの話を聞いておった。)

JIJI「ここは言うなれば[単行本]でなく[日本文学大全集]を作るような姿勢で案内をつくっとるんやないか。他の大学に迎合しない、時流に流されない伝統的な姿を出してきとるんや。」

まさし「ほう・・・」

JIJI「金蘭はミッション系でも仏教系でもない。ミッション系なら英語が多くなるので横書きが多くなるのが理屈や。金蘭はそういうことからいうと横書きを選ぶか縦書きを選ぶかは自由や。あえて縦書きを選んでおるのは[きっちりしたイメージを出そう]という思惑もあったんやないかいな?」

まさし「しかし、このページ(右の写真)なんかはすごろくみたいな感じで金蘭の一年を追っていくような感じですやん。」

Walter「ここで金蘭の学生の写真を出して来るのが普通やろうにな。しかしそれをせんかったっちゅうのは、学生を出すと余りにもケバ過ぎて、大学案内トータルのイメージをとれんからっちゅう推測も成り立つわな。」

JIJI「しかし、当局は[堅いイメージ]を出したかったわけや。フォーマルな[お嬢様]イメージをなんとしても出そうとしたんやが、それに見合う学生はおらんかった。せやからちょっと他の大学では出さんようなこんな[マスクかぶった女の子]を出してくるんや。」

Walter「アホ!。わし、この子ええと思うぞ!」
JIJI「じゃかましわ!。オッサンの目は風俗店で女の子指名する時とおんなじ基準で見とるやないか!」
Walter「なんやと!。女の子はすべからく可愛いモンじゃ!」
まさし「まあまあ・・・やめなはれ、二人とも」

ついにブレーンも今一歩のところでつかみ合いになるかと言うところまで白熱。これを救ったのはメシの時間になったことやった。


それではと登場するのがDeepSouth代表のお嬢様学校。羽衣学園短期大学や。
実はまさしきたおは、このDeepSouthの生まれ。それだけにこの羽衣の「お嬢様」の名声は良く聞いたという。Walterのおかんの話では

「東羽衣の駅で変な男がおっても、羽衣の子は駅員さんが守ってくれた」

らしい。(そら、あんた!差別やないか?)
しかし現在はさほどそうした名声が聞かれない。寂しい気もする。
案内の中の女の子も、どちらかと言えば華が無いように思える。この家政学科食物専攻の実験写真。白衣姿は嫌いやないが、女の子は総じて眠そうに見える。しかし!

この子!この子は非常に良い!。「家庭でも社会でも輝く私」という紹介コーナーの中にでてくるこの女の子。この子のイメージはまさしく

DeepSouthのちょっと気のきつい、それでいてベッピン

そのものやないか!。
この女の子には我々全員が文句なしに票を投じた。特にWalterの気に入り様はちょっと尋常やないもんや。なんでもある夜、夢の中に彼女が出てきて

ウチ・・・なんかあんたのこと・・・好きになってしもうた

ちゅうようなことを言うたという。(ただし、夢の中の彼女はエプロン以外何も着ておらず、キッチンに立っておったという。Walterはよっぽどそういうのに憧れとるんか?)

その他にもここはOB諸氏がええ感じや。
右の会社。どこやねん?。こんな嬉しい制服でこんな子がおるっちゅうのが羨ましい。しかもわざととも思えるように太ももさんを見せてくれるようなこの子のサービス精神!(いや、カメラマンが我々と同列のスケベーやったと解釈すべきか?)。
いやはや、なんともうれしい限りや。特にJIJIがいきりたっておる。まさしもこのお色気にまいってしまった。が、Walterは先の色白の女の子以外に目はいかんということで、票を投じるのも忘れておった。

しかし、それらは決してお嬢様学校を証明するものとは言えない。無理やり見つけ出した「お嬢様学校の物証」とも言えるのがこの写真や。
よくよく見てみると手前の女の子はスリッパを履いておる
ということはここの図書館は土足厳禁ちゅうことになる。お嬢様は神聖なる図書資料を土や埃で汚してはならんし、靴を脱いだ足がにおいまくるなんちゅう事は決してないということや。



いよいよWalterにとって問題の多い大阪樟蔭女子大学や。左がその表紙やが、写真で判らないのはその薄さや。厚みは金蘭の1/3ぐらいしかない。しかも右の写真のような イメージショットがかなり多いことに、先ず我々は気付いた。
そして目を釘付けにされたのが彼女なんや
どうや!。彼女のインパクトは?。'The Deep' in Osaka Brainsをして、何秒かの感嘆のため息をつかせた彼女。彼女は「8人の先輩たちがホンネで話してくれました」という座談会形式の記事で登場している。そしてその座談会の内容が我々をまたうならせてしまう。

    ○本:確かにイメージの良い大学ですね。私の母とおばが樟蔭の卒業生で、二人とも「すてきな大学よ」って話してくれました。
    ×木:私も家族の影響で(笑)樟蔭を選びました。私の姉は、在学中にミス袴に選ばれたのですが、その時の袴姿を見て、この大学に行きたいと思い始めたんです。
    △田:私の自宅はキャンパスのすぐ近く。通学時間も寮の学生に負けません。(笑)この辺りの女の子にとって樟蔭は昔から憧れのキャンパスなんです。
    ×木:でもこうやってお話ししていると、何となく同じ樟蔭の学生として、不思議な連帯感が生まれてきませんか。
    □松:そう。アットホームであたたかい雰囲気が樟蔭のスクールカラーではないかしら・・・。

そして、これらのイメージショット。この案内は「座談会」と女子学生のイメージショットがほとんどで、「どのような勉強が出来るのか」「就職がどうなのか」「どのような資格がとれて、カリキュラムがどうなっているのか」等という言わば大学案内に必須となる説明については、簡単にしかふれていない。

これは実は「お嬢様大学を理解する上で非常に重要なポイント」なのや。
端的に説明しよう。まず、お嬢様は生まれながら行く大学は決まっているのや。
それが「座談会」の家族の影響で云々という発言の真意なんや。と言うことは本来このような大学案内を受験前に取り寄せて、志望校の研究をする必要はないわけや。
めでたくその大学に入って、親戚の伯父様が家に来たときに、

「○○ちゃんももう大学生かね。私は良く知らないんだが君の行っている××大学というのは どのような学校なのかな?」
と聞かれたときに、
「それはね、伯父様。こんな大学なのよ」

と見せる為に必要なものなんや。せやからひち難しいカリキュラム表とか就職データなんかは 特に無くても問題がないっちゅうことなんや。当然分厚くなくてもええ。就職難なんかは立派なコネを持つお嬢様にとって存在しない。絶対必要なことは、

「中に出てくる女学生たちが、活き活きとしていて皆が可愛らしく見えること」

になる。
せやから左の写真の様に「鏡の中の映身」というような、学事とは全く関係ない写真があって当然になる。
要は「大学案内というステージの中の主人公として、お嬢様が立派に可愛らしく見せられておればEverything OK!」
ということなんや。
しかし、ここに出てくる女の子はそのコンセプトに則っておるのでかなり男心をくすぐる子が多い。
左の女の子は巨乳フェチのWalterの心をがっちりと掴んだ。まさしきたおもこの子についてはその美しい笑顔にメロッときたのやった。
が、JIJIはロリ趣味の為、この大学案内から好みの女性をセレクトアウトせんかった。逆に言えばそれは
この大学案内が「中年のオジサンの嗜好」で造られている
ということでもある。


さて、ようやく最後の相愛女子短期大学の分析や。ここはこの表紙のとおり、いきなりトップにお嬢様!という女の子を出していることから推察されるとおり、徹頭徹尾正統派お嬢様大学としての紹介になっておる。
つまり、「人物重視」「妙な押し出し、色香の漂わない、本当のお嬢様」を育成しようとしている姿勢が見受けられる。そして、文章と写真の比率も良く考えられており大阪南港のモダンでなおかつ美しい風景写真を効果的に取り入れたりして、大変にフォーマルな形で「お嬢様大学」を感じさせられる。つまり、直球勝負で正々堂々なんや。

しかし、そのようなしゃっちょこ立った姿勢には、ついついチャチャを入れたがるのが我々大阪人の性質や。右の写真。パイプオルガンの前に3人の女の子が歌っておる場面の写真やが、こんな風には見えんか?

    左の子:「あ?あれ、何やろ?
    中の子:「え?あれ、UFOちゃう?
    右の子:「(やった!、故郷に帰れる・・・)

右の子、ちょっと宇宙人顔してません?(失礼な!すんません・・・)
ここの大学案内。非常に造りもコンセプトも正統でしっかりしておるのやが、残念なことに出てくる女の子に「決定的なお嬢様」の特徴を見いだせないのや。これは非常に残念。例えて言えば

「非常にうまいすき焼きなのだが、肝心の肉がスジ肉」

っちゅうかんじなんや。確かにすき焼きはスジ肉でもうまい。あのスジ肉の柔らかいところなんかははっきり言うてビフテキよりもうまいと思うが、やっぱりすき焼きはスジ肉では格好がつかんやろう。
しかし、ここで考えてみて欲しい。「お嬢様=美人の思い込み」が我々にはないやろうか。
本当のお嬢様は美人とは限っていないはず。我々は単に憧れで考えるのでお嬢様は美人と偶像化しておる。そう言う我々の錯覚を取り払えば、この大学には正統のほんまモンのお嬢様がいると考えられるかも知れん。


我々はこうして「お嬢様大学」のパンフレット分析を終えた。しかしここで採り上げなかった大学についても目を見張るものが存在したのは事実や。次ページではその結果を総括しておる。そして非常にオモロイ事実を発見することになる。さて、それは一体何なのか?。どうぞ次のページへ!
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