SCO UNIXとは

SCSIカードに添付のフロッピーにSCO UNIXのドライバが含まれていましたが,SCO UNIXとはどういうものなのでしょうか。


SCO UNIXは,マイクロソフトのXENIXというPC用UNIXオペレーティングシステムのライセンスを,Santa Cruise Operationが取得して現在にいたるUNIXの一つです。
 SCO UNIXは,BSD系のLinuxやFreeBSDと異なり,AT&T Bell研究所が開発したSystemV系の流れをくんでいます。SystemVの正式ライセンスは,AT&Tの分割統廃合の後,ノベルに売却されて(その当時ノベルはUnixWareというネットワークOSも作っていました),ノベルがSystemV系UNIXの正式ライセンサとなったのですが,その後ノベルからSCOに売却されています。そもそも,SystemV系UNIXであるSCO UNIXは,UnixWareと統合されています。
 ですから,SCO UNIXは,SystemV系UNIXの嫡子ともいえます。SCO UNIXは,中規模の企業のLANや工場のLANシステムで多く使われていて,「保証付き」UNIXとしては,専用ハードウェアを要求するSunやHPなどよりもコストが低いことで人気があります。
 筆者も試用したことがありますが,稼働中にいきなりPowerスイッチを切っても,次のブートでスワップファイルがそのまま復元できるという,異様なほどの堅牢性を備えており,とても面白いUNIXだったと記憶しています。
 米国では,Windows for Workgroups時代のネットワークOSとしてはNet Wareと肩を並べるほどのシェア('94年時34%)を持っていましたが,現在ではネットワークOSのセグメントにWindows NTが現れて苦戦を強いられているようです。ですがインストールベースから判断するに,米国では根強く使われているようです。
(岩井五郎)