ミラーリングしたHDDからシステム起動

Windows NTでシステムの入っているディスクをミラーリングした場合,ミラーした側のディスクからシステムを起動することは可能でしょうか。


可能ですが,ミラーセット先(ミラーディスク/シャドウディスク)のパーティションを有効にするためには,ミラーセット元(1次ディスク)のパーティションが無効になっている必要があります。例えばHDDがクラッシュしたといった,物理的に動作しないような障害が生じているケースです。NTのシステムからミラーセット元のパーティションが認識されている場合には,ミラーセット先のパーティションを有効にすることはできません。
 つまり,「NTのシステムから認識されていないHDD」と,「ハードウェア的に認識されていないHDD」は意味合いが異なる,ということです。たとえHDDの中身がクラッシュしていても,ミラーセット元のパーティションが何らかの形でシステムから認識されてしまっている場合,ミラーセット先のパーティションは有効にできないということになります。
 そういう条件を満たしたうえで,ミラーセット先のパーティションを有効にするためには,「フォールトトレラントフロッピーディスク」と呼ばれるブートフロッピーを使ってシステムを起動してミラーセットを解除し,障害が生じたHDDを入れ替えてミラーセットを再び有効にします。なお,そのさいにはFDISKでHDDをアクティブに設定するなどの作業も必要です。ブートフロッピーの作成の仕方は以下のとおりです。
 まず,NTからフロッピーをフォーマットし,NTのシステムが入っているパーティションのルートから,
・NTLDR
・NTDETECT.COM
・BOOTFONT.BIN
・BOOT.INI
の4ファイルをコピーします。そして,BOOT.INIを「障害が生じた時点のハードウェア構成に合致した」内容に編集します。ブートフロッピーの作成時に注意しなくてはならないことは,必ずNTのシステム上からフォーマットすることです。
 こういう条件から考えると,ミラーセットを回復する場合には,物理的にHDDの接続をはずした状態に合わせたブートフロッピーを作っておく,というのがいいでしょう。
 なお,このあたりの情報に関しては,NT Serverのオンラインマニュアルの「コンセプトアンドプランニングガイド」にある「第7章 データの保護7.5.5 ディスク障害とセクタ障害から回復する」も参照してみてください。
(恣岡 悄)