アーカイブ属性の役割

ファイルのアーカイブ属性とは何ですか。





WindowsやDOSのファイル(ほかのOSでもそうですが)には,いろいろな属性が付けられます。読み取り専用属性や隠し属性などは有名なので,ご存じの方も多いでしょう。しかしそのほかにもいろいろな属性があって,アーカイブ属性はその中の一つです。
 アーカイブ属性は,ファイルを新規に作成したときに自動的に付けられますが,普通のアプリケーションで読み書きする分には何の機能も発揮しません。ではどういうときに使うのかというと,通常はファイルコピーツール(主にバックアップツール)の目印として使われます。
 使い方はアプリケーションやバックアップの種類によっても違いますが,通常一度バックアップされたファイルはアーカイブ属性がクリアされます。また,アーカイブ属性がクリアされたファイルに変更を加えた場合は,再びアーカイブ属性がセットされます。さらに,新規に作成されたファイルにもアーカイブ属性がセットされます。
 これらのルールを組み合わせると,一度バックアップした後にアーカイブ属性の付いているファイルは,追加,変更されたファイルということになります。したがって,アーカイブ属性の付いているファイルだけをバックアップすれば,必要最低限のファイルだけがバックアップされることになります。これが「インクリメンタルバックアップ」(増分バックアップ)と呼ばれる手法で,バックアップメディアの容量とバックアップ時間を最小限に抑えられるバックアップ法です。
 これはほんの一例ですが,アーカイブ属性はこのようにバックアップの目印として使われます。ただ最近のバックアップツールは,アーカイブ属性を利用していないものが多く,ファイル名,最終更新日時,最終バックアップ実行日時からバックアップすべきファイルを決定しているタイプが多いようです。
(松永 融)