IEEE1394の4ピンと6ピンの違いは?

IEEE1394には4ピンと6ピンの2種類のコネクタが存在しますが,具体的には何がどう違っているのですか。
また,速度が異なるなどといったパフォーマンスの違いがあるのですか。



IEEE1394のコネクタには,6ピンと4ピンの2種類がありますが,HDDなどには6ピンタイプ,ノートPCなどの携帯性を重視する機器には4ピンタイプのものが使用されていることが多いようです。両者の違いは,バスパワーによる電源供給ができるか否かです。もちろん,接続ケーブルにおいても6ピンと4ピンが存在します。6ピンタイプのケーブルは,データのやり取りに利用されている4本の信号線と電源供給に使用する電源線2本の計6本で構成されています。4ピンタイプのものは,電源線を排除した信号線4本のみです。両端でピン数の異なるケーブルの場合は,4ピンに合わせているため,電源の供給はできません。市販されている変換ケーブルはデータのやり取りのみに対応しているということになり,バスパワーを最大限使おうとするなら,6ピン←→6ピンのケーブルが必要となるわけです。
 ただし,4ピンと6ピンでパフォーマンスの違いが出てくることはありません。4本の信号線はケーブル内で2本ずつに分かれており,ともにノイズを防ぐシールド処理が施されています。コネクタの違いはあるものの,ケーブルに関してはともに電源線から発生する電磁波によるデータ伝送速度への影響はなく,同一の仕様となっているため,データ伝送速度は同じといえます。
 ノートPCに4ピンのコネクタが利用されている理由は,単にピン形状が小さく,基板も小さくて済み,省スペースで設置できるためだと考えられます。HDDなどに6ピンが利用されているのも,ドライブの電源などに影響を与えるのを避けるためです。
 なお,ソニーとシャープが共同開発し,今後実用化が待たれる「OP i.LINK」(IEEE1394a-2000)では,従来のi.LINKとの互換性を確保しながら,光ファイバが使用されるため,従来のコネクタとの形状が異なってくるでしょう。
(吉田晋介)




IEEE1394ケーブルは6ピンタイプ(左)と4ピンタイプ(右)の2種類が存在する。両者の大きな違いは電源を供給できるか否かである



右の図のように,6ピンタイプのケーブルには6本の導線,4ピンタイプのケーブルには4本の導線が使用されている