リフレッシュレートとはどんなもの?

Windowsの[画面のプロパティ]の[アダプタ]欄にある「リフレッシュレート」の意味を教えてください。また,「最適」と「アダプタの既定値」は,それぞれどのような意味を持つのでしょうか?


リフレッシュレートはフリッカーレートとも呼ばれ,一般的に使われている短残光型ディスプレイの表示のちらつき具合に影響します。通常,ディスプレイは画面を細かな走査線の集合として描画しています。特定のドットを直接操作して発光させる液晶パネルと違い,ディスプレイは電子銃を使い画面の左上から右上,折り返して次の行……画面の右下端へと画面をZ字形に描画(=走査)していきます。ちょうど新聞や雑誌の記事を指で追うようなものと想像してください。ところが,光は時間の経過とともに減衰するため,一見動きのない場合でも常に古いものから書き換えてやる必要があります。
 リフレッシュレートとはこの走査線の書き換え速度のことで,周波数で表記した値が大きくなるほど画面のちらつきが少なくなり,目の負担も少なくなります。
 解像度が低い場合には1画面分の表示に必要な走査線の数が少ないため,低い周波数でも実用になりますが,1024×768や1280×1024ドットといった高解像度の場合には当然1画面の描画に必要な走査回数が増えますので,同じ表示品質を得たい場合には単純計算でも1280×1024ドット表示では640×480ドット表示の4倍以上高速な走査が必要なことが分かります。画面のちらつきが体感できないほど少ない状態をフリッカーフリーなどといい,ビデオカードやディスプレイのカタログでFF,NiFFなどと表記されるものはおおよそ1280×1024ドット表示において75Hz以上とされています。
 実際の使用時に,ある解像度においてリフレッシュレートをどこまで上げられるかは出力側となるビデオカードのRAMDAC性能と受け入れ側であるディスプレイのピクセルクロックに依存します。Windowsはビデオカード/ディスプレイの情報テーブルを持っており,PnPディスプレイを使っている場合やあらかじめディスプレイのinfファイルをインストールしてある場合には「最適」を選んでおけば,OSがディスプレイの情報と照合して利用可能な最高周波数に自動設定してくれます。「アダプタの既定値」の場合,ビデオカードがその解像度についてプリセットしている周波数をそのまま使います。
 ちなみに,アナログ接続タイプの液晶ディスプレイの場合はドットクロックやフェーズとの兼ね合いでも表示品位が変化するため,満足のいく表示品質が得られない場合にはリフレッシュレートを下げて位相を調整したほうがいい結果が得られる場合もあります。
(菊池 潤)



見やすい画面表示を求めるならば,リフレッシュレートを確認してみよう。
高解像度なら75Hz以上の高い周波数を選ぶ



ノートPCでは周波数は表示されず,[アダプタの既定値]と[最適]しか選べないものが多い