参照AVIって何?

よくノンリニアビデオ編集で「参照AVI」という言葉を耳にしますが,どういった意味でしょうか?



PCでビデオ編集を手軽にできる時代になりました。とくに画質劣化がほとんどゼロであるDV編集に人気が集まっています。DV編集は,デジタルデータで記録されている映像をDVカメラからダイレクトに取り込むのが特徴です。しかし,そのデータサイズは5分の映像で約1GBにも及びます。そこで問題になるのがAVIのファイルサイズ制限です。つまりAVIファイルは最大サイズが2GBまでとなっていて,約9分以上の連続したムービーはファイル制限で作れないという問題です。そこで開発されたのが「参照AVI」です。これはインデックス情報を持ったAVIファイルを作って,ムービー情報は外部ファイルに置くというものです。ファイルサイズが大きくなって2GBを超えると,別の参照ファイルを次々に作る,もしくは参照するファイルを切り替えながら再生するというのが参照AVIなのです。
 ユーザーは一つのファイル(拡張子AVI)にアクセスすれば2GBを超えるムービーを編集したり閲覧できるわけで,ビデオ編集の世界では一般的なノンリニアビデオ編集のファイルフォーマットになっています。参照AVI自体はVFW(マイクロソフトのAVIの規格)に規定されている標準フォーマットです。編集ソフトはこの規則にのっとって作られているものがほとんどですが,たまにそうでないものもあるので注意が必要です。ちなみにVFWフォーマットの場合,インデックスファイルの内部では参照する実体ファイル(通常は拡張子が3桁の連番)の絶対パスが記述されています。つまり,参照AVIを作った場合には実体ファイルの位置を変えない限り,Windows Media Playerやほかの編集ソフトでも閲覧や編集ができます(アプリケーションが標準の参照AVIに対応している場合)。また,アプリケーション自身が2GBを超えるファイルを扱えない場合にも,参照AVIを使うとファイルサイズ制限を回避することができます。
 また余談ですが,参照AVI形式でビデオキャプチャーを行うと,2GBを超えていなくてもインデックスファイル(AVI)と実体ファイル(拡張子が連番)が作られます。つまり,2GBを超えない場合にも関わってくる動画ファイル形式なのです。
(わたなべけんいち)