Linuxの辞書ソフト

Linuxに手を出して英語に触れることが増えました。Windows なら英和ソフトが使えるのですが,Linuxにも辞書ソフトはありますか(市販/フリー問わず)。


電子辞書のCD-ROMは一般的なISO9660フォーマットですが,データの記録にはEB,EBG,EBXA,EPWINGなど各種形式があり,利用するには専用のツールが必要になります。PC UNIX上でもいくつかの辞書ソフトリーダーが開発されています(特集3 p.180〜181も参照にしてください)。
 日本のディストリビューションの多くに添付されているツールの一つにdicがあります。dicはコマンドラインで利用できるほか,Muleからも利用できる辞書ソフト検索ツールで,UNIX系のツールに慣れている人には扱いやすいものです。1/15号付録CD-ROMに収録されたPlamo Linux1.3の「お勧め」でインストールしたなら,標準で利用できる状態になっています。
 もう一つ,強力なツールとして広く利用されているものに,ndtpdとNDTPクライアントがあります。NDTP(Network Dictionary Transfer Protocol)は名前のとおり,ネットワークを通じて電子辞書を利用するためのプロトコルです。サーバー,クライアントのセットでスタンドアロンでも利用できますが,NDTPサーバーを仕掛けておけば,ネットワークにつながったすべてのPC(Windows用のクライアントも開発されているようです)で,サーバーにセットした電子辞書を利用できます(ただし辞書ソフトによってライセンス条件はあります)。
 NDTPサーバー,NDTPクライアントはともにSRA.co.jpの笠原基之氏が公開しているフリーソフトとして入手できます。笠原氏のndtpd(NDTPサーバー)は日本で市販されている,大部分の辞書ソフトに対応できます。筆者はEPWING形式の辞・典・盤で動作を確認しました。同クライアントBookViewはX Window Systemで利用できる辞書リーダーですが,動作させるには日本語化されたTcl/Tkが必要です。詳しくは,http://www.sra.co.jp/people/m-kasahr/index-ja.htmlを参照してください。
(米田 聡)



dicはコマンドラインで利用できる辞書ソフト検索ツール。
画面はEPWING形式の辞・典・盤を使用



NDTPサーバー+クライアントBookViewで辞書を表示した。使用したのは同じく辞・典・盤