プログラム関係の本を読むとAPIという言葉がよく出てきますが,分かりやすく教えてください。
APIとはApplication Program Interfaceの略で,プログラムを書くときに利用できる関数やサブルーチンなどの呼び出し方法を指します。
例として,Windowsで動くプログラムを書くことを考えてみます。ファイル読み出しの機能を付けなければいけない場合,自力で「ファイルを開く」ダイアログボックスや,ファイルを読み込むルーチンなどを一から作るようなことは通常はしません。巨大化する一方のプログラムでこんなものまでいちいち作っていたら,時間がいくらあっても足りないからです。
こうしたWindowsで一般的な処理を行う場合は,自力で全部プログラムを書く代わりに,Windowsがアプリケーション作成のために用意してある部品を利用します。例えば「ファイルを開く」ダイアログボックスを使いたければ,そういう部品を定められた方法で呼び出すと,「ファイルを開く」ダイアログボックスが出現し,ユーザーが操作した結果(選択したファイル名,あるいは「キャンセル」ボタンを押したという情報)をプログラムに返してくれるので,「ファイルを開く」ダイアログボックスの動作まで気にする必要がないわけです。
Windows 95/98/NTの場合,こうした部品の集合がWin32という名前で用意されており,このWin32を使う限りWindows 95/98/NTでほぼ同じ動作をするプログラムが作成できます。このWin32を呼び出すときの規約がWin32 APIと呼ばれるもので,要するに部品となるプログラムの呼び出し方を定めたものがAPIというわけです。
(大原雄介)