プログラミングできる人たちって最初は何から始めたのですか?
人それぞれですが,筆者の世代は8ビットPCにROMで搭載されていたBASIC言語から始めた人が多いと思います。BASICに飽き足らなくなったらアセンブラ(機械語)に移る,というパターンが一般的でした。一方,専門学校や大学でプログラミングを学んだ人は,UNIXワークステーションやメインフレームを使ってPascalやC言語,FORTRAN,COBOLから始めた人が多いかもしれません。
PCでC言語などBASIC以外の高級言語が手軽に使えるようになったのは,16ビットCPUが登場しMS-DOSが普及した後です。したがって,8ビットのころのPCユーザーは,少し高度なことをしたいのならアセンブラが必須でした。8ビットCPUは今のCPUに比べると単純で,しかもコンピュータのエッセンスが凝縮されていたので,プログラミングの練習には適していたように思います。
当時に比べると,今は確かにプログラムを作ることが難しくなっています。アセンブラやC言語はCPUに近いため,それを学ぶことでコンピュータ全般の知識を得ることができます。しかし,32ビットCPUはとても複雑ですし,今どきDOSコマンドラインで動くソフトを作っても満足できないでしょう。C言語やアセンブラでWindowsのソフトを作るのはとても難しく,初心者向きとはいえないのです。
とはいえ,今でもプログラムを簡単に自分で作ることは可能です。プログラミングを学ぶには,PCで「××するソフトが欲しい or 作りたい」という動機が重要です。
××するソフトを作りやすいプログラミング言語を探し,それに挑戦するわけです。
例えば,現在はスクリプト言語が広く使われています。スクリプト言語は機能が大きく,手早く成果を得ることができるため,プログラミングの入門には適しているかもしれません。Windows 98には標準でJavaScriptとVBScriptが実行できるWindowsスクリプティングホストが組み込まれていますから,手軽にプログラミングを始めることができるでしょう。
スクリプト言語でソフトを作っているうちに,必ず飽き足らなくなってきます(もっと高度なことをしたいと思うようになるはずです)。そうしたら,JavaやVisual Basicなどインタープリタ系の言語,そしてC/C++言語など高度な(難しい)言語に移っていくとよいのではないでしょうか。
(米田 聡)