使用しているPCを変更したのでOutlook Expressを移行しようと思っています。ただ,メッセージやアドレスのインポートはできるのですが,メッセージルールの移行もできますか?
メッセージルールとは,受信したメールをユーザーが設定した方法で自動的に振り分けるための機能です。OutlookExpress 4.0以前では「受信トレイアシスタント」と呼ばれていたものです。さて,ご質問のとおりに別マシンからルールを移行させるためには,メールやアドレス張のインポートとは違い,レジストリの書き換え作業が必要となってきます(注:レジストリを書き換えるとWindowsが起動しなくなる可能性もありますので,くれぐれも不要な操作は行わないよう注意してください。また,以下の一連の手続きは自己責任にて作業するようにしてください。)
1.レジストリファイルの保存
メッセージルールをバックアップするためには,該当するレジストリファイルを保存する必要があります。
最初に,移行元のマシンのスタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択して,「regedit」(半角)と入力してレジストリエディタを起動させてください(画面1)。そして[HKEY_CURRENT_USER]→[Identites]→[<ID>] (この部分は,環境によって異なる。筆者のIDは{4C361940-8AC2-11D5……})→[Software]→[Microsoft]→[Outlook Express]→[5.0]→[Rules]の順にフォルダを開いていきます(画面2)。次にファイルメニューから[レジストリ]→[レジストリファイルの書き出し]を選んで,任意のファイル名を付けてレジストリファイルを保存します。
2.レジストリファイルの書き換え
ここでは,前述した方法で保存した移行元のレジストリファイル(メッセージルール)を移行先のマシン用にIDを書き換えます。
まずは,保存したレジストリファイルを付属のメモ帳などのテキストエディタで開きます(画面3)。そしてIDを移行先のIDに置き換えます(この例では{4C361940-8AC2-11D5……}を{6B31B651-4E14-421B……}に)。いちいち手作業で書き換えるのは面倒なので,それぞれのIDを一括してテキストエディタの置換機能を利用するとたいへん楽に書き換え作業ができるでしょう。最後にこれら一連のID書き換えが終わったら,ファイルを上書き保存してください。
3.レジストリファイルの読み込み
移行先のPCでスタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選び,「regedit」と入力して,レジストリエディタを起動させます。そして[レジストリ]→[レジストリファイルの取り込み]を選択して,さきほど保存したレジストリファイルを選び,[開く]ボタンをクリックしてください。そうすると,メッセージが表示されるので[OK]ボタンをクリックします。これでメッセージルールの移行ができます(画面4)。
ちなみに一つのOutlook Expressを複数ユーザーで共有している場合は,このIDが複数存在するので,自分のOutlook ExpressのIDを知りたいときは,次のように操作すると確認できます。
1.Outlook Express5を起動する。
2.[ツール]→[オプション]を選択する。
3.[メンテナンス]タブをクリックする
4.[保存フォルダ]ボタンをクリックする。
このメールの保存フォルダの中にIDが含まれていますので,これをメモしておいてください。
(飯田伸一)
画面1 レジストリエディタを起動する
画面2 レジストリエディタで各フォルダを開いていく
画面3 ここではメモ帳を使用したが,バージョンによっては置換機能が使えないこともあるので,そういう場合は「秀丸エディタ」(シェアウェア)などのテキストエディタを使用してほしい
画面4 これでメッセージルールの移行は完了