ぴっちでリンク!

携帯電話にはPCリンクソフトがいっぱい出ていますが,なぜPHSにはあまりないのでしょうか。



現在広く普及しているデジタル方式携帯電話は,DDIセルラーグループのCdmaOneを除けばすべてNTTパーソナル(現ドコモ)が開発したPDC方式で,ほとんどの端末に共通した外部コネクタがあります。もともとはこの外部コネクタを介して電話帳の読み書きが可能だったのですが,以前は端末メーカーやキャリア(携帯電話会社)によって方式が異なり,さまざまな方式に対応した機械などを用いて,端末変更時の電話帳の転送などを行っていたようです。そこでドコモでは201系から共通プロトコルを採用し,ほかのキャリアもこれに追従したようです。
 PHSは端末を低コストにしなくてはならなかったこともあって,共通の外部端子を持っていませんでした。自機の電話番号の登録,抹消という特殊な作業は基本的に電波(エアインタフェース)を利用して行うようになっています。PIAFS対応端末ではNTTパーソナルとアステルが共通の端子を採用しましたが,この時点でもその端子を利用して電話帳の読み書きを行う機能は盛り込まれませんでした。結局,携帯電話/PHSの電話番号11桁化間近になってから,NTTパーソナルとアステルは,PIAFS端子に接続したPCカード経由での電話帳の読み書き機能を端末に付加しました。ただし,NTTパーソナルとアステルの端末間の互換性は確認されていません。NTTパーソナルは自社で電話帳編集ソフトを無償提供し,アステルは通信方式をソフトハウスに公開することにより,携帯電話用の電話帳ソフトの一部に対応してもらったようです。
 現時点でPHSに対応したPCリンクソフトの数が少ないのは,対応端末が限定されていること,キャリアごとの互換性がなくソフトの対応が面倒なことが一番の理由だといえます。また,携帯電話のほうが普及台数が多いので,PHSに対応するメリットが小さかったというのもあるでしょう。
 なお,PHS用のPCリンク関連ソフトは以下のところからダウンロードできます。
・NTT DoCoMo中央
 Paldio電話帳エディタ/データカードアップデータ
 http://www.nttdocomo.co.jp/products/phs/mobile/a-windn.html
・アステル東京
 携帯ホイホイ アステルPHS対応版/データカードアップデータ
 http://www.astel.co.jp/tokyo/models/trans.html
・ネオテクノ
 モバイル・エディタ Ver.2.0用アステル対応アドイン
 http://www.neo.ne.jp/neo/

(坪山博貴)