マザーボード上のCEって何?

マザーボード上などで見かける「CE」のマークって何?



CEマークは,欧州委員会(EU)内で流通させるために必要な,EU指令に準拠していることを示すものです。そもそもEUでは,製品がEU指令に準拠しているかどうかは,その製品の製造者が自ら認証する必要があり,これを行って準拠していることを確認した製品にCEマークが付けられます。つまり,そのマザーボードはEU指令に準拠していることを製造者が宣言しているわけです。
 マザーボードで準拠すべきEU指令はいくつかありますが,代表的なものとしてはEMCに関する指令(89/336/EEC)でしょう。さらに電磁波妨害を与える規格(EN55011/EN55022)と電磁波妨害を与えられる規格(IEC1000-4)があります。前者は,稼働中に電磁波妨害をほかの機器に与えないための規格で,後者は稼働中にほかの機器からの電磁波妨害を受けないための規格です。これらの規格は,製造者が確認して大丈夫とすれば,そのままCEマークを付けて流通させることが(理論的には)可能です。ただし一般的に信用されるためには,第三者機関により試験を受け,認定書を発行してもらうのが普通だそうです。
 ちなみにこのマークは,ヨーロッパで販売するためには絶対に必要なものです。とくにマザーボードやビデオカードといったパーツの場合,それを組み込んだ機器をヨーロッパに輸出するといったケースもあり得ますから,単に日本向けパーツならばCEマークが不要とはいえないわけです。また第三者機関の認定書を受ける場合,かなり厳しい試験となるために,CEマークを掲げられるということは製造者自体の製造クオリティが高いことを間接的に証明しているともいえます。数年前から日本でもISO9000シリーズの取得例が急に増えていますが,これと同じことと考えればいいでしょう。 (大原雄介)


写真2 マザーボードの多くには,このように「CE」マークが刻印されている