DVD再生支援機能があるとお得?

ビデオカードにDVD再生支援機能があれば,どんなメリットがありますか。また,ソフトウェアDVDプレイヤーを使ったとき,MCをオンにすると画質が落ちてしまうという話を聞きましたが,これは本当でしょうか。


ビデオカード(正確にはビデオチップ)のDVD再生支援機能はいくつかありますが,基本的にはCPUが行うべき処理を肩代わりしてくれますから,

@より低クロックなCPUでもDVD再生が可能になる。
ACPU占有率が低くなり,DVD再生中 でもほかの処理をこなせるようになる。

などがメリットといえるでしょう。例えば,MC(Motion Competition,動き補償)機能をサポートするビデオカードを用いていれば,Celeron/300AMHz,K6-2/300MHz程度の,今となってはかなり非力なCPUでも,余裕を持って完全な(つまり,コマ落ちなどのない)DVD再生を行えます。
 また,Pentiumチ/500MHz程度のCPUなら,DVD再生をしながら,十分実用的にテキスト入力などの処理を行うことができるでしょう。
 次に,ビデオチップのMCを利用すると再生画質が低下するという話ですが,これは筆者も経験しています。
 筆者が経験したのは,ビデオチップのMCを使用すると横方向に線状のノイズが走るというものでした。要するに同じ処理をCPUが行うか,ビデオチップが行うかの違いですから,CPUが処理したほうが画質が良くなる可能性は十分あるわけです。
 厳密にいえば,このあたりはソフトウェアDVDプレイヤーのプログラムしだいであって,ビデオチップのMCを使用すれば
必ず画質が低下するとはいい切れないでしょう。
 たいていのソフトウェアDVDプレイヤーでは,使用しているCPUに応じた画質設定が可能ですから,最近の高クロックなCPUを使用して高画質な設定にしておけば,ビデオチップのMCを使用するよりCPUに動き補償の処理を行わせたほうが画質が良好になる可能性は高いと思われます。
 また,ソフトウェアDVDプレイヤーはバージョンアップのたびにより高クロックなCPUを前提にすることで高画質再生が可能なようにプログラムを変更しているわけですが,ビデオチップのMCを使用する限り,CPUを高クロック化しようがソフトウェアDVDプレイヤーをバージョンアップしようが,ビデオチップのMCが行う処理内容は変わりません(もちろんMCの処理内容だけが画質を決定しているわけではありません)。
 ビデオチップのMCを利用すると画質が低下するケースは確かにありますが,すべてのケースで必ずしもそのような現象が起こる,というものではありません。使用しているビデオカード(ビデオチップ),ソフトウェアDVDプレイヤー,CPUと,最低でも三つの要素が絡む問題であることを覚えておいてください。 (坪山博貴)



MCをオンにすると画質が低下するケースもあるので,それらの設定を変更できるソフトウェアDVDプレイヤーを選んでおこう