Ultra ATA/66対応のIDEインタフェースカードとマザーボードのUltra ATA/66のIDEインタフェースは性能差がありますか?
対象がかなり曖昧なのですが,ここでは一般的なものとしてインテル製,VIA製チップセットの提供するマザーボード上のIDEインタフェースと,PCI拡張カードで提供されるIDEインタフェースを対象に解説します。
注意がしてほしいのは,IDE HDDのバスマスタ転送ではハードウェアの違い(チップセット,IDEコントローラ)のほか,組み合わせるドライバによってその性能は大きく変化することです。IDEインタフェースカードの場合,OSで標準サポートされることはほとんどありませんが,インテル製,VIA製のチップセットのIDEインタフェースはWindows 98/2000で標準サポートされています(インテル製チップセットはWindows 95 OSR2でもサポートされています)。このOS標準のドライバはデータ転送速度こそ突出していませんが,CPU占有率も低く非常にバランスのとれた性能を発揮します。VIAは継続的にドライバを更新,提供しており,こちらはデータ転送速度こそOS標準のドライバを上回る場合がありますが,安定性はOS標準のドライバのほうが優れているようです。
これに対してIDEインタフェースカードではカードベンダーが提供するドライバを使用するのですが,こちらは一般にデータ転送速度を優先する傾向が強く,そのせいでCPU占有率が高い傾向があります。このためデータ転送速度を重要視するベンチマークテストなどではマザーボード上のIDEインタフェースよりも高性能ということになるのですが,CPU占有率の高さがPC全体の処理速度に影響を与える場合もあります。もちろんこの傾向がすべてのIDEインタフェースカードに当てはまるわけではありません。
では比較ということになりますが,例としてApollo Pro133Aのマザーボードで,オンボードのIDEインタフェースとIDEインタフェースカードであるIwill SIDE66(Hi
Point製IDEコントローラ使用)に,Ultra ATA/66対応のDiamond Max Plus 40を接続して検証してみました。OSにはWin
dows 98を用い,オンボードのIDEインタフェースはOS標準のドライバを使用しています。結論からいえばその差は小さく,データ転送速度はSIDE66がわずかに速く,CPU占有率はオンボードIDEインタフェースがわずかに小さいという結果でした。この程度ならば性能差はほとんどないといえるでしょう。なおIDEインタフェースカードの代表格といえるのがPromiseの製品ですが,こちらはもう少し転送速度優先でCPU占有率が高い傾向があるようです。(坪山博貴)
表 オンボードコントローラを使った場合と,
IDEインタフェースカードを使った場合のディスク性能
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Transfer Rate(Start/End) | 28.6/27.9 MB/sec | 30.2/30.2 MB/sec |
Access Time | 10.2 msec | 8.98 msec |
CPU Utilization | 3.10% | 3.26% |