PCIのカードではIRQを共有できると聞いたのですが,実際にはどのように設定したらいいのでしょうか。
PCIでは一部のデバイスを除き,使用するIRQを共用することができます。PCIデバイスで使用可能なIRQがデバイス数よりも少ない場合は共用が許されるといったほうが正しいでしょう。PCIデバイスへのIRQの割り当てはBIOSの種類によって異なりますので,以下に実例を挙げます。
●AWARD(ASUSTeK P/I-P55T2P4など),AMI
IRQごとに「PCI or PnP ISA」「Legacy ISA(非PnP)」への割り当てを設定するタイプです。例えばPCIデバイスに割り当てるIRQを一つにしたい場合は装着されているPnPのISAデバイスの数+1個のIRQを「PCI or PnP ISA」に設定します。これでPCIデバイスはPn PISAデバイスが使わない一つのIRQを共用します。さらにPCIデバイスでのIRQ使用方法にトリガー設定の項目がある場合は,「Level Trigger」(共有可能)に設定します(Tyan TOMCATUなど)。
●AWARD
PCIスロットごとに割り当てるIRQを設定するタイプです。この場合は複数のスロットに同じIRQを割り当てます。
●MR-BIOS
PCIスロットごとのINT A,B,C,Dに対して割り当てるIRQを設定するタイプです。
さらに割り当てるIRQを「Level Trigger」にするか「Edge Trigger」(共用不可)にするかの設定が可能です。複数のスロットのINT Aに対して同じIRQをLevel Triggerで割り当てます。
BIOSセットアップ内にPCIのIRQ割り当てに関する設定がない場合は,明示的に設定することはできません。PCIのデバイスがIRQを共用するかしないかは,BIOSに依存することになります。
(坪山博貴)