ASUSTeK P/I-P55T2P4のRev.3.0で,それまでのRev.で見たことのない「Dual Power Plane」という項目がありました。
これは,どのような機能を設定し,どのように設定するべきものなのでしょう。
ASUSTeK P/I-P55T2P4のRev.3.0から装備されたジャンパのDual Power Planeは,CPUに2種類の電圧を供給する必要がある場合に設定が必要になります。
通常Pentiumおよび互換CPUではCPUへの給電は単一で,低消費電力の製品で2.9V,通常の製品では3.3V〜3.5V前後になっています。これに対してMMXテクノロジPentiumプロセッサ(以下MMX Pentium)ではCPUコア部が2.8V,I/O部が3.45Vと2種類の給電を必要とし,個別に電圧の設定が必要です。現在,このような給電を必要とするPentiumおよび互換CPUはMMX Pentiumのみです。
ASUSTeK P/I-P55T2P4のRev.3.0では従来の電圧設定をI/O部用とし,CPUコア部への電圧設定をDual Power Planeのジャンパで行います。Dual Power PlaneをDisableに設定した場合,CPUコア部への給電がI/O部と同じ電圧になります。このため,MMX Pentiumを使用する場合にDual Power Planeのジャンパ設定を正常に行わないとCPUを破壊する可能性があるので,取り扱いには十分注意する必要があります。
なお「Dual Power Plane」という表記は今のところASUSTeKのマザーボードのみで使用されており,他社のマザーボードでは異なる表記になる可能性があります。VRMを用いてMMX Pentiumに対応しているマザーボード(Micronics M55Hiなど)ではとくに設定はありません。VRMの取り付け,取りはずしでCPUコア部への給電電圧が変更されます。
(坪山博貴)