私のノートPC(ThinkPad535X)では,LANカードを差したままハイバネーションに入ると,復帰ができません。隣の同僚のノート(VAIO C1S)も同様なのですが,いい解決方法はないのでしょうか?
ノートPCでWindows 95からWindows 98へのアップグレードを行うと,LANカードを差し込んだままでのサスペンド/レジューム,ハイバネーション動作がうまくいかない場合があります。これはWindows 98で電源管理方法が変わったことや,Windows 95用のドライバをそのまま使い続けていることなどが原因に挙げられます。多くのLANカードではWindows 95用のドライバをWindows 98でも使用できますが,完全に対応していない場合も多いのです。Windows 98に正式対応したドライバに入れ替えたり,(対応していれば)Windows 98が標準で備えるドライバを使用することで改善される場合があります。とくにCardBus対応製品はドライバの影響が大きいので,ドライバが最新か注意したほうがいいでしょう。
このほかにも,Windows 98ではACPIに対応しているかどうかという問題があります。PCによってはWindows 98へのアップグレードにより電源管理がACPI対応となり,これもまたPCカードの動作に影響を与える場合があります。ACPIではより厳密に電源管理が行われるため,APMで問題のない構成でも,ACPIではサスペンドに移行できない場合もあるのです。製品によってWindows 98には対応してても,ACPIには非対応の場合もあります。この場合,レジストリの操作が必要になりますが,電源管理をAPMに変更することで改善されることもあります。そもそもPCカードによってはWindows 98の電源管理に対応しきれていない場合もあるので,その場合はあきらめてハイバネーションしない設定にするか,PCカードを買い換えるしかないでしょう。この点についてはノートPC側の問題もあるので,対応をWebなどで確認してみましょう。
Windows 98にアップグレード後,LANカードを差し込んだままではWindows 98の終了が途中で止まってしまうこともあります。これも上記と同じ原因が考えられますが,Windows 98で導入された高速シャットダウン機能を無効にすることで改善する場合もあります。その場合は[プログラム]→[アクセサリ]→[システムツール]→[システム情報]から「ツール」メニューの[システム設定ユーティリティ]を選択し,[全般]のタブから[詳細設定]を選択。[高速シャットダウンを使用不可にする]をチェックします。
(坪山博貴)