Windows上でFSBクロックを設定?

普段ならジャンパやディップスイッチ,BIOSでしているFSBクロックをWindows 95/98上で操作でき,ダイレクトに反映されるソフトがあると聞きましたが,何というソフトですか? また,どこで手に入れることができるでしょうか。


それはSoftFSBというソフトです。SoftFSBは,WCPUIDの作者としても知られるH.Oda氏(http://www.h-oda.com/)が開発,配布しているフリーソフトで,FSB(Front Side Bus)クロックをPCの動作中に変更できるツールです。以前はジャンパで設定するのが当たり前だったFSBクロックですが,徐々にBIOSによる設定が可能になりつつあります。これをさらに一歩進めたものです。ただ,このソフトは便利なツールであると同時に,PCを簡単にハングアップさせる危険なソフトでもあるので,十分な知識を持たずに使うことはお勧めできません。
 このSoftFSBはWindows 98/95,NT4.0で動作します。またチップセットとしてサウスブリッジにPUX4を採用しているマザーボード(440BX/LX/EX/ZX/GX,450NX,430TX)のほか,I810,VIA MVP3を採用しているマザーボードで動作します。限定はされていますが,かなり多くのマザーボードで動作することになります。ただこれは前提であって,さらに使用しているPLL-ICが限定されるほか,チップセット,PLL-ICが該当してもやはり動作しない場合もあります。SoftFSBではマザーボード名で動作環境を選択するほか,PLL-ICで選択することもできるので,リストアップされていないマザーボードでも動作する可能性はあります。また,個別にIBMのThinkPad 535Xだけはなぜかサポートされています。
 SoftFSBを使ううえで注意することは,本来可能な設定の範囲でFSBクロック設定をするソフトだという点です。不可能であったことを可能になるわけではありません。もちろんジャンパやBIOSで選択できなかった設定が可能になることもありますが,これはPLL-ICがサポートしていたのに,ジャンパやBIOSでは設定が省かれていただけのことです。したがって過度な期待は禁物です。
 SoftFSBの使い方は難しくありません。圧縮ファイルを適当なフォルダに展開し,SOFTFSB.EXEを実行するだけです。SoftFSBが起動したらマザーボードを選択するか,PLL-ICを選択して[Get FSB]ボタンをクリックすると,現在のCPUクロックが得られます。後はスライドバーを動かしてFSBクロックを選択し,[Set FSB]をクリックするとFSBクロックが設定されます。このときPCIクロックにも配慮してください。また,途中でPCがハングアップしたら,リセットするか電源を切るしかありません。安定動作する設定を見つけたらタスクトレイに常駐するモードに設定し,Windowsのスタートアップフォルダに登録すると,OSの起動と同時にFSBクロックを自動設定することも可能になります。
(坪山博貴)