最近「IEE1394」という言葉を耳にしますが,これは何でしょうか。
IEEE1394はUSBとともに,次世代シリアルインタフェースとして位置付けられている規格です。マイクロソフトの提唱するスタンダードPC規格であるPC97,PC98などにも盛り込まれています。
IEEE1394とUSBで大きく異なるのは,転送レートがUSBでは最大10Mbpsなのに対し,IEEE1394は現段階で最大400Mbpsとなっている点です。USBがこれまでの比較的低速なインタフェースであるキーボード,シリアル(RS-232C),パラレル,ゲームポートなどの統合に利用されるのに対して,IEEE1394では次世代SCSIとしての利用やLANでの利用までにらんだものになっています。
IEEE1394では100,200,400Mbpsといった異なるデータ転送速度の混在が許されており,不必要に高速なコントローラをデバイスが利用する必要がなく,コスト面も十分に考慮されています。同様の理由で,今後さらに高速なデータ転送速度が取り入れられた場合でも互換性が維持されます。Point to Point接続になっているため,PCが介在しなくても,接続された機器同士でのデータ転送が可能になっています。
ネットワークでの柔軟性も優れており,SCSIのような終端管理が不要,稼働中でもデバイスの接続/切り離し時にネットワークの再構築が自動的に行われるなど,完全なPlug&Playが実現されています。
物理面ではシリアル転送のため,多芯のフラットケーブルなどを用いる必要がなく,フレキシブルで安価なケーブルが利用できます。また,ケーブルには電力供給用に2芯が確保されており,デバイスにトラブルが発生した場合でもネットワークの保持が容易になっています。
IEEE1394は今後の高速データ転送の要とされる規格であり,普及が見込まれています。現段階では家庭用デジタルビデオカメラに装備されているDV端子がIEEE1394規格にのっとったものとなっています。
(坪山博貴)