中古のPC,FMV-433D2を譲り受けたので復活させようと思ってはいるのですが,なにかと古く困っています。CPUをアップグレードするとか,ISA用拡張カードはまだこんなお店で扱っているなどの情報がありましたら教えてください。
どのレベルを復活というのかいま一つ分かりかねますが,今の時代でも使えるようにパワーアップをするという視点でお答えします。
まず,メモリを36MBに増設しましょう。最もコストパフォーマンスのいいパワーアップとなるはずです。ただし,それ以上積んでも認識できないと思いますから,36MBで十分です。換装するCPUの選択肢としては,インテルのDX4/100MHz,Pentium Overdrive Processor JBOX PODP5V83,AMD5x86-P75などがあります。コストパフォーマンス的に考えるとAMD 5x86がお勧めですが,DX4や5V83が中古などで安く手に入れば,こちらでもOKです。中古のCPUは,秋葉原のジャンクショップなどをこまめに覗いてチェックしていれば,かなり安く手に入るはずです。
AMD 5x86を装着する場合には,そのままCPUを交換し,倍率を2倍に設定すれば33MHzの4倍である133MHzで動作します。ベースクロックを40MHzにすれば,160MHzで動作する可能性もあります。元のCPU電圧が5Vで,AMD 5x86は3.45Vですが,4xxD2のマザーは電圧を自動判別しますから,問題ありません。ベースクロックの設定はJP15とJP9,クロック倍率はJP7で設定します。設定内容はマザーボードのシルク印刷を見てください。ベースクロックを40MHzにして使う場合には,メモリアクセスのウェイトが増加してパフォーマンスが上がらない場合がありますが,kirarara氏制作のメモリチューニングプログラムALIS.COMなどを使って,ウェイトを減らすとかなりパフォーマンスアップできます。これらのプログラムはフリーソフトで,現在はインターネットのhttp://www.vector.co.jp/vpack/browse/software/dos/hardware/sn029347.htmlでダウンロード可能です。
拡張カード類については,ISAバスで有効なのはサウンドカード,モデム/TAカード,SCSIカードなどでしょう。サウンドカードに関しては,元から搭載されているはずですから,必要ありませんね。その他のカードはほとんどのショップで扱っています。
ビデオカードに関してはISAバスのものはお勧めできません。増設してもそれほど速くなりませんし,取り扱っている店がほとんどありません。ただし,アイ・オー・データ機器では,ISAビデオカードを現在でもカタログに載せていますから,入手するのは難しくないでしょう。450D2にはVLバスが付いているのでいろいろ選択肢は出てくるのですが,433D2にはISAバスしかないのは残念ですね。あきらめてオンボードビデオを使うのがいいでしょう。
それ以上のパワーアップを望むなら,L2キャッシュの増設が考えられます。キャッシュメモリを増設するには,マザーボードにキャッシュ用のソケットが余っているかどうかの確認が必要になります。もし,キャッシュ用のソケットが余っていれば,ほかのキャッシュメモリと同じタイプのSRAMを購入してきて増設します。ただし,SRAMは通常のショップでは取り扱っていませんから,秋葉原のメモリ専門店(例えば,秋葉原の東京ラジオデパート1階キョードー半導体店など)で相談されるといいと思います。おそらく,256KビットのSRAMが使われていると思いますから,標準で128KB搭載されているならSRAMを4個,まったく搭載されていないなら9個(TAGRAM1個を含む)を購入し,256KBにしましょう。数パーセント程度のパワーアップになります。486系デスクパワーのパワーアップに関しては,拙書「よみがえれ!デスクパワー」(ソフトバンク刊,ISBN4-7973-0345-X,本体1900円)で詳しく解説しています。
(寺崎基生)