PCIバスのリビジョンの違い

PCIバスのRev.2.0とRev. 2.1はどう違うのでしょうか。


PCI(Peripheral Component Interconnect)バスは,インテルが提唱した高速汎用バスアーキテクチャで,現在はPCI SIGという団体が規格制定,管理を行っています。PCIバスの最初の規格であるPCI Rev.1.0は’92年6月にリリースされ,’93年5月に定義のあいまいだった部分を規定したRev.2.0がリリースされました。
 PCIバス対応製品の普及が始まったのも,PCIバス規格のRev.2.0がリリースされてからです。PCI Rev.2.1は’94年3月に初版がリリースされました。その後,細かな修正,追加が行われ,’95年6月に最終版がリリースされています。Rev.2.1では,バスクロック66MHzへの対応,64ビットへのバス幅の拡張,PCI to PCIブリッジの対応の改善,遅延トランザクションのサポートといった改良が行われています。ただし,バスクロック66MHzや64ビット幅のバスは,サーバー向けPCやAlpha搭載PCなどのごく一部のコンピュータでしか採用されず,通常のPCではほとんど使われていません。そのため,通常のPCでは,Rev.2.0とRev.2.1の違いはそれほど意識しなくてもよいでしょう。
 インテルのチップセットでは,Pentium用の430FXまではPCI Rev.2.0に準拠していましたが,430VX/HX以降のチップセットではすべてPCI Rev.2.1に対応しています(当然PentiumII/III用チップセットはすべてPCI Rev.2.1に対応)。
 現時点での最新規格は,’99年1月にリリースされたPCI Rev.2.2です。Windows 98で導入された電力管理機構ACPIに対応するために,スタンバイ状態からフル稼働状態へ移行するための信号や,外部からシステムを起動する(Wakeup)ための信号などが新たに定義されています。また,サーバー向けに,電源を入れたまま拡張カードを抜き差しできる(活線挿抜)機能も追加されています。インテルのチップセットでは,Intel 810以降(ハブアーキテクチャを採用したもの)が,PCI Rev.2.2に準拠しています。また,スリムタイプPC向けの背の低いPCI拡張カードの「LowProfile PCI」やノートPC向けの小型拡張カード「Mini PCI」などは,PCI Rev.2.2の追加仕様として,その後策定されています。
(石井英男)



Intel 815E搭載のAOpen「AX3S Pro」(問い合わせ先:日本エイサー AOpen事業部 TEL:048-290-1819)。PCIはRev 2.2に当然準拠している