大切なCD-ROMが反り返ってしまった!

CD-ROMが反ってしまいました。大事なデータが入っているので,直したいのですが。



メディアの反り具合にもよりますが,一番単純ともいえる方法として,CD-ROM自体をガラスなどの堅い板状のものではさみ,重しなどを載せて置いておき,反りを修正するという方法があります。これはCD-ROMに限らずLDやアナログレコードなどでも使われる,古典的な反りメディアの修復手段でもあります。
 また,CD-ROMはポリカーボネイトという素材でできているため,熱を加えると柔らかくなる特性があります。これを利用して反りを直すという手段もあります。ただ,全体をむらなく熱したり,熱する温度を微調整する必要がありますので,専用の機材を持たない個人では難しいと思われます。CD-ROMに熱を加えすぎると反射層とポリカーボネイトが分離してしまう危険性もあり,そうなってしまうとデータの読み出しはほぼ不可能です。
 手元のCD-ROMドライブでは読み出せないときは,違うメーカー製のドライブで読み出してみるのもいいかもしれません。現在の高速な,つまり高回転で動作するCD-ROMドライブは,高回転時にデータをうまく読み出せない場合,回転数を段階的に落として再読み出しを行います。
 しかし,実際にはこれらの高速なCD-ROMドライブで読み出せないメディアが過去の2倍速,4倍速といった低速なCD-ROMドライブなら読み出せる場合も多いのです。
 最新式のCD-ROMドライブでも,個体差を含めた読み出し能力にある程度の差がありますので,仕事場などでいろいろなCD-ROMドライブを使い,読み出してみるといいでしょう。また,プレクスター製のCD-ROM/R/RWドライブでは,付属ユーティリティの「Plextor Manager 2000」で読み出し速度を固定することができます。これで最低速に設定すれば,読み出せる確率は上がると思われます。
(坪山博貴)



プレクスターのWebサイト(http://www.plextor.co.jp/)では,Plextor Manager 2000を無料で
ダウンロードできる。同社のドライブならば,自由に読み取り速度を変更できる優れものだ



図1 反ったCD-ROMの修復方法