水冷クーラーの結露について

水冷クーラーを使った場合,結露とかの心配はないのでしょうか。



結露とは水蒸気を含んだ空気が冷やされて,水蒸気が飽和してしまい,水滴として付着することです。つまり,気温よりも低い温度の部分がなければ結露は起こらないわけです。水冷のみのシステムの場合,冷媒である水を気温以下に冷やすことはできません。したがって,文面どおりに解釈すると結露は起こらないという答えになります。
 ところが,水冷にはペルチェ素子を組み合わせるのが一般的ですね。というよりも,ペルチェの熱を空冷で冷やすことができずに,水冷にするといったほうが一般的かもしれません。ご存じのとおり,ペルチェというのは,冷却素子ではなく熱を移動させる素子です。片面の熱を移動させて,反対面との温度差を作るものです。ですから,発熱面の温度が低ければ低いほど,冷却面の温度も低くなります。発熱面の温度を気温程度に保つことができるとすれば,冷却面の温度はマイナス十数度にまで下げることも可能です。冷却面の温度が気温以下になるので,当然結露の問題が発生します。水滴がCPUやマザーボードに流れると,高い確率で故障の原因となります。市販のペルチェコントローラなどで制御するか,ペルチェの周りを発泡スチロールなどの断熱材できっちり覆って,周りの空気と遮断するなどの工夫が必要になります。
(寺崎基生)