ハブの種類を教えて!

イーサネット用のハブには,スタッカブルハブ,スイッチングハブ,インテリジェントハブなどがありますが,これらは普通のハブとどう違うのですか。


ハブにはこのほかにもいくつかの種類がありますが,ご質問のハブを簡単に説明すると以下のようになります。

・スタッカブルハブ
 イーサネットのハブはハブ同士を接続(カスケード)することによって,ポートを増やすことができます。しかし,通常のハブの場合は,カスケードできるハブの数に限りがあります。ネットワーク内のPC同士で通信する場合に,間に入るハブが4個までという制限があるのです。
 スタッカブルハブは,文字どおりスタック(積み重ね)することができるハブのことです。特別なコネクタ(メーカーごとに形状が違う)で,積み重ねたハブ同士をつなぐことにより,複数のハブを一つのハブとして扱い,ポートの数を増やせるようになっています。図ではPC@からPCAの間にはハブが5台入るので通信できません。PC@とPCBの間は物理的なハブは5台ですが,そのうちの2台がスタッカブルハブで1台として扱われているので計4台とカウントされ,通信できることになります。
・スイッチングハブ
 スイッチングハブは,必要なポート同士だけつなぐ,「スイッチ処理」を行えるハブのことで,最近ではイーサネットに特化したイーサネットスイッチを指すことが多いです。ネットワークのPCとPCの間に普通のハブしかない場合は,ネットワークパケットはネットワーク全体に流れます。イーサネットスイッチを使えば,フレーム単位で,必要なポートから必要なポートにしかネットワークパケットを流しませんので,むだなトラフィックを減らすことができます。
・インテリジェントハブ
 インテリジェントハブは普通のハブに比べて多機能なハブです。多くの場合,SNMPなどのネットワーク管理機能を持った製品を指します。これにより,ハブに流れているパケットの監視や,問題の出たポートを自動的に切り離すことなどが行えるようになります。

 これらを組み合わせた,スタッカブルなスイッチングハブや,スタッカブルなインテリジェントハブなども存在します。なお,最近安価で売られているハブは,スイッチングハブに対して「レピータハブ」と呼ばれていて,単に信号を電気的に分配することしかしません。普通に「ハブ」というと,このレピータハブを指すことが多いようです。
(恣岡 悄)



図 スタッカブルハブを使用したネットワーク