悩んでいたトラブルがBIOSをアップデートすれば解決できると知りました。BIOSをアップデートしたいのですが,知り合いが失敗し,マザーボードを買い直したこともあって躊躇しています。安全にBIOSをアップデートするコツなどはありませんか。
残念ながら,100%安全にBIOSをアップデートする方法はありません。マザーボードメーカーが提唱している方法でも,場合によってはアップデートに失敗するケースがあるからです。とはいえ,ユーザー側の手順ミスでアップデートに失敗するのは避けたいものです。BIOSをアップデートするコツをまとめると,
@できるだけクリーンなDOS環境で行う
ABIOSの書き込みは2度以上行う
Bアップデート後に必ず「Load BIOS Default Setup」を選んでPC環境を新しいBIOS環境に適合させる
以上の3点に気をつけていれば,BIOSのアップデートを比較的安全に行えるでし
ょう。
それでは一般的に最も確実だといわれているBIOSアップデートの方法をいくつか紹介しましょう。
@BIOSアップデート用ファイルを用意する
まず,マザーボードメーカーのホームページや雑誌のCD-ROMなどで入手できるBIOSアップデートファイルを用意します。解凍が必要な場合は新しくフォルダを作り,そこに解凍してください。例えばAOpenのマザーボードでは,実行ファイルそのものがBIOSアップデートプログラムになっているので注意が必要です。
また,BIOSのみを配布しているメーカーの場合は,BIOSフラッシュユーティリティも別途必要になりますので,最新バージョンを入手しておきます。
A起動システムを作成する
アップデートファイルの準備ができたら,BIOSアップデート用の起動システムを作成します。ブランクフロッピーを1枚用意し,DOSのコマンドプロンプトから,
C:¥>FORMAT.EXE A: /S
と入力してフォーマットしてください。/Sオプションには,起動に必要な最小限のシステムをフロッピーに転送するという意味があります。
Bアップデートに必要なファイルのコピー
エクスプローラを使って,@で用意したBIOSアップデート用のファイルをフォーマットしたフロッピーにコピーします。
CBIOSのアップデート
BIOSをアップデートするときは,このフロッピーからシステムを起動させ,フロッピー上にコピーしたアップデートプログラムを使ってBIOSをアップデートします。アップデート方法はマザーボードメーカーによってまちまちなので,添付されているREADME.TXTなどの指示に従ってください。念のため,プリンタで印刷しておけば安心です。
ここで注意する点は,古いBIOSのバックアップを必ず取っておくこと(これはユーティリティの中で行えます)と,BIOSの書き込み処理は2度以上行っておくことです。BIOSの書き込みが終わるとPCを再起動させろというメッセージが表示されますが,これをキャンセルしてコマンドプロンプト状態に戻したあと,再度同じ方法でアップデートプログラムを起動させ,BIOSをアップデートしておきます。こうすることで,ハードウェア環境的なアップデートミスを軽減することができるのです。
Dアップデート後の環境設定
BIOSをアップデートしてPCを再起動させたら,すぐにBIOS設定画面を表示させて「Load BIOS Default Setup」を選んでください。この操作をすることで,新しいBIOSの環境をPCに反映させることができます。細かい設定はこのあとで行うようにします。
(三谷直之)
DOSのコマンドプロンプトからFORMAT A: /Sでフォーマットする
フロッピーから起動後,フラッシュユーティリティでBIOSを2度以上書き換える