ノートPCにWindows 2000をインストールしたい

CD-ROMドライブを内蔵していないノートPCに,Windows 2000を簡単にインストールする方法を教えてください。


ノートPCでもCD-ROMを読み出せるドライブを内蔵するものが増え,CD-ROMベースでOSをインストールすることが容易になっています。しかしB5サイズやそれより小型のノートPC,いわゆるモバイルノートでは,小型化のためにCD-ROMドライブを内蔵しない製品もまだまだ存在します。
 CD-ROMブートが可能な専用CD-ROMドライブを使用している場合は,OSのインストールでもあまり困ることはありませんが,モバイルノートユーザーではデスクトップPCを別に使用している場合も多く,CD-ROMにはLAN経由でアクセスする,という場合も多いでしょう。この場合OSの新規インストールはちょっと面倒です。
 CD-ROMドライブを内蔵しないノートPCにWindows 2000を新規インストールするといった場合,難しいことを考えがちですが,Windows 9x/Meなどが動作しており,LAN経由などでCD-ROMにアクセスできるならばそう難しくはありません。まずWindows 2000のCD-ROMから「I386」フォルダをノートPCのHDDにコピーし,このフォルダからセットアップを開始すればいいからです。
 この方法ではアップグレードインストールになるのでは,と思うかもしれませんが,Windows 2000ではインストール時に新規インストールとアップグレードインストールを選択できるので問題ありません。
 注意するのは,Windows 9x/MeとWindows 2000が共有するフォルダです。Windows 9x/Meは通常「C:\Windows」に,Windows 2000は「C:\Winnt」にOSの主要なファイルがインストールされるので問題ありません。共有されるのは「C:\Pr
ogram Files」フォルダなので,Windows 2000のインストールを開始する前にこのフォルダをリネームするか,削除してしまえばいいでしょう。
 Windows 2000のインストールはコピーした「I386」フォルダ内の「WINNT32.EXE」を起動します。これはWindows 9x/MeのGUIモードから実行します。Windows 9xならMS-DOSモードで再起動してから行うこともできます。この場合は同じく「I386」フォルダ内の「WINNT.EXE」を実行します。トラブルを避けるという点ではMS-DOSモードから実行したほうが無難でしょう。
 Windows 2000のインストールが終了したら「C:\Windows」やもともとの「C:\Program Files」を削除します。ルートディレクトリにはWindows 9x/Meが使用していたファイルがいくつか残りますが,必要か不必要か判断できないのなら,そのままにしておいてもかまわないでしょう。できるだけすっきりさせたいならば,Windows 2000のインストールを開始する前に,ルートディレクトリのファイル一覧(サイズやタイムスタンプを含む)をメモするなり記録するなりしておき,Windows 2000のインストール終了後に,サイズ,タイムスタンプともに変更されていないファイルを削除すると確実です。
 なお,この方法でWindows 2000をインストールすると,Windows 2000のOS起動メニューが表示されてしまいます。これを無効にするには下記の操作を行ってください。

(1)「システムのプロパティ」を開く。
(2)[詳細]タブを選択する。
(3)[起動/回復]ボタンをクリックする。
(4)「オペレーティングシステムの一覧を 表示する」のチェックを外す。
(坪山博貴)



「I386」フォルダをHDD上にコピーする



「I386フォルダ」内の「WINNT32.EXE」もしくは「WINNT.EXE」を実行すると,Windows 2000のインストールが開始される



Windows 2000のOS起動メニューを表示しない場合は,「オペレーティングシステムの一覧を表示する」のチェックを外す