英語版のチャンドラ2を買いました。当然,プリインストールOSは英語版Windows 98です。日本語版に入れ替えたいので,インストール方法を教えてください。
Windows 98は,通常CD-ROMメディアで供給されるので,Windows 98をノートPCへインストールするにはCD-ROMドライブが必要です。そのため,チャンドラ2のようにCD-ROMドライブが内蔵されていないノートPCでは,Windows 98のインストール作業はかなり面倒になります。大まかな手順を示すと,以下のとおりです。
@CD-ROMドライブを認識する起動ディスクを作成する
AWindows 98をインストールする
B機種固有のドライバをインストールする
●CD-ROMドライブを認識する起動ディスクの作成
Windows 98の起動ディスクを基にして,CD-ROMドライブを認識する起動ディスクを作成します。起動ディスクは1.44MBという少ないディスク容量へ多くのファイルを詰め込んでいるので,そのままの状態ではCD-ROMドライブのデバイスドライバを入れる空きディスク容量が足りません。そこで,チャンドラ2でWindows 98をインストールするさいに不要なファイルをすべて削除します(表)。
CD-ROMドライブを認識させるには,PCカードドライバとCD-ROMドライブ専用のデバイスドライバを起動ディスクへ組み込まなければなりません。PCカードドライバはノートPCに搭載されたPCカードコントローラに依存するので,通常はノートPCに付属のPCカードドライバを使用します。ただし,一部のCD-ROMドライブには,ポイントイネーブラと呼ばれる専用ドライバが添付されているので,従来のPCカードコントローラ(Intel 82365SL)と互換性がとれたPCカードコントローラを搭載している機種であれば,PCカードドライバの代わりにポイントイネーブラを使用できます。チャンドラ2であれば,装置構成ユーティリティ(BIOS)を起動して,PCカードスロットの動作モードを「互換」に変更しましょう。また,実際にCD-ROMドライブを使用するには,CD-ROMドライブへのアクセスを提供するユーティリティであるMSCDEX.EXEが必要です。MSCDEX.EXEは起動ディスク2へ圧縮された形で入っているので,MSCDEX.EXEも忘れずにコピーしましょう。
ここでは,一例として,パイオニアのPCP-PR24Aを認識させる起動ディスクを紹介しますが,ほかのCD-ROMドライブでも,*印の個所を書き換えるだけで対応できるはずです(リスト)。
●インストールのコツ
PCカード接続のCD-ROMドライブからWindows 98をインストールすると,最初の再起動時に「WindowsのインストールにPCカードを利用していますか」という問いが表示されます。ここで[はい]を選択して,CD-ROMドライブのデバイスドライバを正しく組み込まないと,Windows 98が正しく入らないことがあります。そこで,絶対に失敗しないWindows 98のインストール方法を紹介しましょう。
CD-ROMドライブを認識する起動ディスクでシステムを立ち上げたら,まずWindows 98のイメージファイルをHDDへフォルダごとコピーします。具体的には,CD-ROMの\WIN98フォルダをまるごとHDD(Cドライブ)へコピーします。フォルダごとコピーするには,DOS版のファイル管理ツールなどを使うと作業が楽です。あとは,HDDの\WIN98にあるSETUP.EXEを実行すれば,CD-ROMドライブを接続していなくてもWindows 98をインストールできます。インストールの途中でWindows 98のシステムCD-ROMを聞かれたら,C:\WIN98を指定してください。
●各種ドライバのインストール
チャンドラ2の各種ドライバはライオスシステムのホームページ(http://www.rios-systems.co.jp/pc/download.html)から自由にダウンロードできます。ただし,ライオスシステムは今年の3月に解散してしまったので,ホームページも11月末までの期限付きです。今後の保守サービスはリコー生産事業本部,PCUP事業部で行うそうですが,各種ドライバがホームページで公開される保証はないので,今のうちに必要なドライバをダウンロードしておいたほうがいいかもしれません。
(関口哲司)
表 削除するファイル一覧
※ここでは,アプリケーションの追加と削除で作成した起動ディスク1のみを使用する。
*印のファイルはWindows 98 パッケージ版の起動ディスクには存在しないので注意
リスト パイオニア PCP-PR24A
(24倍速IDE CD-ROMドライブ)の場合
※*印はCD-ROMドライブを認識させるために追加した記述である