Windows起動時の黒い画面とは

SCSIカードとキャプチャーカード,Ultra ATAカードを増設したところ,ブート時のWindows画面が出たあと,一瞬真っ黒になるところが異常に長くなってしまいました(もともと数秒程度だったのが数分くらい)。ところで,この真っ黒い画面のときWindowsは何をしているのですか。ちなみにカードはPCIです。


おそらくWindows 95/98のお話であろうと思いますので,ここではWindows 95(Windows 98含む)を前提に説明します。Windows 95の起動時,ロゴ画面のあと,画面がブラックアウトしている時間は,カーネル(OSのコアとなる部分)のロードと各種ドライバのロード,各種デバイスの認識とハードウェアリソースの割り当てなど,多くの処理が行われています。とくにWindows 95では起動時に毎回接続されているハードウェアを認識し,使用可能になるようにドライバのロードやハードウェアリソースの割り当てを行っていますから,PCへの接続機器が増えるとブラックアウト時間が長くなります。これはPlug & Playに対応したOSの宿命でもあります。
 例えばSCSIカードを増設し,SCSI機器を接続すると,WindowsはまずSCSIカードを認識して必要なドライバをロードして使用可能にし,次にSCSIカードに接続されているSCSI機器をすべて認識して必要なドライバをロードして使用可能にします。Ultra ATAに対応したIDEインタフェースカードでもほぼ同様のことがいえます。こういったプロセスをさまざまな拡張カードや接続機器に対して行いますから,拡張カード,接続機器が増えれば当然ブラックアウト時間は長くなります。
 使用可能な枚数分だけドライブレターが確保される連装CD-ROMドライブは認識に非常に時間のかかる製品が多く,モデムも実際にPCとモデムが通信を行って認識を行うことから,起動時間が長くなる可能性が高い代表格です。
 同じWindowsでもWindows NT3.51/4.0はPlug & Playに対応しておらず,起動時に接続されたハードウェアをいちいち確認にいきません。したがって同じハードウェア構成でもWindows NTのほうがWindows 95よりも起動時間が短くなる場合もあります。もっとも多くのハードウェアを接続すればそれだけ必要なドライバをロードしたり,ハードウェアを初期化する時間は必要になりますから,Windows NTでも起動時間が長くなる点は同様です。
(坪山博貴)