DC-390シリーズのBIOSアップデート

DC-390シリーズのBIOSをアップデートしたいのですが,やり方および注意点を教えてください。


日本国内で容易に入手できるDC-390シリーズは,以下の4種類となっています。
DC-390……Fast SCSI
DC-390W……Fast Wide SCSI
DC-390U……Ultra SCSI
DC-390F……Ultra Wide SCSI

 SCSIカード搭載のBIOS ROM,従来形式のEEPROM,そしてW/U/Fで採用されているフラッシュROMの2種類があり,アップデート方法はそれぞれ異なります。
 まず,従来形式のEEPROM(M27C256またはM27C512と書かれているチップ)が搭載されている場合です。DC-390,そして比較的古いDC-390W/U/Fが該当します。
 EEPROMの場合は,ROMの内容を消去して新しいデータを書き込むために,「ROMライター」と呼ばれる専用ハードウェアが別途必要となります。バイナリROMフォーマットのBIOSデータをTekramのサイトから入手し,ROMライターを用いて書き込んでいきます。ROMライターをお持ちでない場合には,ROMライターを所有する友人やショップにお願いするか,新しいBIOSがあらかじめ書き込まれてあるROMチップをTekramテクニカルサポートから購入することになります。
 最近販売されているDC-390W/U/Fでは,ソフトウェアによって簡単に内容が書き換えられるフラッシュROM(チップの色は黒)に変更されています。フラッシュROMの場合は,TRMFLASH.EXEと呼ばれる専用ソフトによってBIOSのアップデートを行います。書き込み時は,EMM386やQEMMなどのメモリマネージャ,デバイスドライバ,常駐ソフトウェアなどを組み込まないピュアな英語DOS環境下で作業をしてください(マザーボードのBIOSアップデートと同じ要領です)。
 なお,TRMFLASH.EXEおよびBIOSイメージは,Tekramのサイトから入手可能です。
DC-390用:http://www.tekram.com.tw/TECHNICAL/DC390DB.html
DC-390W/U/F:http://www.tekram.com.tw/TECHNICAL/DC390WFUDB.html
 また,最新BIOS (1月下旬現在)での改善点は以下のようになっています。
DC-390 Ver.2.0
@SCAM機能を搭載
AどのSCSI IDからもブート可能にする
BCD-ROMブートをサポート
CPC 97仕様に必要なInt 13h Extensionをサポート
 DC-390W/U/F Ver.2.02
@デフォルトでSCAM機能をOFFにする
AヤマハのCD-Rドライブ使用時のバグフィックス
BInt 13h Extensionをサポート
CIDEドライブも搭載する環境下で,SCSIブートするときに生じるASPIのバグを修正
(伊勢雅英)