SIMMの見分け方と,混在について

SIMMの速度(60nsec,70nsec)は区別がつきますか? これらを混在させても問題はないのですか?


まず見分け方ですが,一番簡単なのは,SIMMに装着されたメモリチップの型番を見ることです。例えば東芝のチップの場合,

TCxxxxxx-Z

といった型番が比較的大きく印刷されています。型番の最後についている-Zがアクセス速度を示します。だいたいのチップの場合,

印刷

アクセス速度

-6,-60
-7,-70
-8,-80
-1,-10
60nsec
70nsec
80nsec
100nsec

となっているはずです。昔は120nsec,150nsecといった遅いチップもありましたが,最近のSIMMではまず見かけません。
 この規則は,多くのメモリチップのメーカーが,同一のモデルで複数のアクセス速度の製品を出しているために広く通用している表示方法であり,必ずしもこの規則に従っていないものもあります。例えばクロックアップ族御用達の高速(40〜50nsec)アクセス可能なSIMMに搭載されているチップの中には,一つしかアクセス速度がない種類のものがあります。こうした製品の場合,チップメーカーが出している製品マニュアルを確認しないと,正確な速度は分かりません。
 このほかにも72pin SIMMの場合,ピンの何本かが速度検出用に確保されており,電気的に速度を検出することが可能になっていますが,さすがに人間が見て分かるものではないため,SIMMの種類の自動検出機能を持ったマザーボードでないと意味がありません。
 次に混在に関してですが,原則としては遅いほうのSIMMの速度に合わせてBIOSのメモリアクセスタイミングを設定しておけば,問題はないはずです。昔はメモリを混在させると問題が発生するマザーボードもありましたが,最近はほとんど見かけません。ちなみに一部のマザーボードには,バンク別にアクセス速度が変えられるものがあるようです。例えばバンク0に60nsec SIMMを2枚,バンク1に70nsec SIMMを2枚の組み合わせで装着すると,バンク0は60nsec,バンク1は70nsecでアクセスしてくれます。こういうマザーボードをお使いであれば,複数の速度のSIMMを混在させても問題はありません。ただしこの場合でも一つのバンクに60nsecと70nsecのSIMMが混在する場合は,70nsecに合わせて設定しないとうまく動かないので注意が必要です。
(大原雄介)