デジカメのどこのサイズ?

デジタルカメラの「1/4型」や「1/7.5型」とはなんですか? レンズのサイズのことでしょうか。




これは撮像素子(画像センサー)のセンサー面の大きさ(対角線のサイズ)をインチ単位(1inch=2.54cm)で表したものです。
 この撮像素子の代表的なものがCCD(Charge Coupled Device)と呼ばれるもので,光の強さに応じて電荷を蓄積する構造を持ったセルを格子状に配列した集積回路です。
 この画像センサーの最小単位であるセルを画素と呼び,撮影に使用される画素数(有効画素数)が画像の緻密さとなりますが,このセルの大きさも画質に大きな影響を与えます。セルの面積が大きいほど大きな電荷が得やすく(つまり感度が高くなる),電気的なノイズにも強くなります。また,センサーの階調を広げることが可能になってきます。
 画素数には総画素数,有効画素数,そして記録画素数という表現が使われています。総画素数とは字のごとく撮像素子上にあるセルの総数となり,CCDサイズの基となります。ところが実際の撮影にすべての画素を利用しているわけではなく,撮影には使用されないオプティカルブラックという黒基準信号を得るための領域があり,画像データ取り込み時にはこの部分の信号も一緒に取り込まれます。
 実際に画像データとして利用されるセルの画素数が有効画素数と呼ばれるものです。上記のオプティカルブラックの領域を除いた部分で,この縦横のセル数をかけたものが有効画素数となります。
 この撮像素子のサイズと画素数におけるセルのサイズはトレードオフの関係にあります。同一サイズのCCDで200万画素と300万画素では,300万画素のほうが解像度は高くなりますが,セルサイズは小さくなり,感度が低下することになります。加えて,画素数が多い分,データの取り込みに要する時間が増えるため,クロックの高速化といった処理,それに伴う消費電力の増加といったことにも対策が必要になります。
 また,CCDの大型化は製造コストの上昇につながり,カメラの設計においても光学系の大型化などの対応が必要となってきます。そのため大型のCCDはハイエンドなデジカメへの搭載が中心となっています。
(吹田智章)


図1 レンズを通した被写体をCCDで記録する。このCCDサイズをインチ単位で表す


図2 CCDの対角線のサイズには,画像データに使用されない部分も含まれる