デジタル出力にも差がある?

サウンドカードでは,アナログ出力だけでなくデジタル出力にも差があると聞きました。これはなぜですか?


サウンドカードのデジタル出力は,カードの性能やドライバの出来によって差が出ます。ただ,デジタル出力を入力する相手(アンプなど)によっては差は分かりにくいでしょう。アナログ出力の音質差に比べ微細な違いだからです。しかも,差の多くは出力先のD/Aコンバータで吸収されるため,質の高いオーディオ機器に出力してみないと差が分からない可能性も高いと思います。
 デジタルなのに差が出る理由はいくつかあるのですが,強く影響しているのは,サウンドのデジタル出力はファイルのコピーとは違ってデータのエラーチェックなどが行われないことです。デジタルとはいっても電気信号としては揺れがあるわけで,出力波形の善し悪しが音質や微妙な表現に影響しやすいのです。このあたりは,同じ音楽CDでも盤面の状態などによって音質が変わるのに似ています。
 また,環境によってはIRQの重複などでサウンドカードの転送レートが低くなり,データが途切れることによってノイズのように聞こえてしまうこともあります。この場合はカードを差すスロットを変更するなどして,IRQの重複を防ぐことで改善できます。
 なお,デジタル出力の音質が気になるくらい悪い場合は,光出力ならケーブルを疑うほうがいいかもしれません。サウンドカードのオマケで付いてくる光ケーブルには,質がそれほど良くないものも見受けられるので,しっかりしたオーディオ用のケーブルに替えることで音質が改善されることがあります。場合によっては,サウンドカードを買い替えたのかと思えるほど音質が変わることもあります。良質な光ケーブルは高価ですが,試す価値は高いでしょう。
(渋谷 隆)