AHA-2940 Ultra-wideのようなSCSIアダプタでFast SCSI機器とUltra SCSI機器を混在させるときに注意すべき点は何でしょうか。
現在,幅広く利用されているSCSI規格は,Fast/Fast Wide SCSI-2と呼ばれるものです。
データ幅は8ビットまたは16ビットで,同期転送クロックは10MHzとなります。したがって,最大10/20Mバイト/secの転送レートが得られます。
SCSI-3の話題で注意していただきたいのは,SCSI-3規格は現在策定中であるということです。従来のパラレルインターフェースに加えて,光ファイバ接続(ファイバチャンネル)などをターゲットにおいた,シリアルインタフェースの規格化なども予定されています。
SCSI-3に包含される規格として,先行して製品化されているものに,Ultra/Ultra Wide SCSI-3があります。SCSI-2の上位互換に相当する規格で,物理仕様はSCSI-2そのままに,同期転送クロックを20MHzまで対応させた規格です。従って,最大転送レートは,単純にSCSI-2の2倍となり,20/40Mバイト/秒となります。
以上のように,Ultra/Ultra Wide SCSI-3は,SCSI-1/2との互換性を崩す部分がないので,基本的に従来の機器との混在そのものに関しては問題は起こりにくいといえます。
ただし,Ultra領域に入る高速転送を行うときには,かなりシビアな条件が付加されるので注意してください。例えば,SCSI-2ではSCSIバス全長6mが推奨範囲でしたが,4台接続で3m,8台接続で1.5mまでと短縮化が要求されます。従って,Fast SCSI-2とUltra SCSI-3との混在は基本的に可能ですが,高速転送を目的とするのならケーブル長だけは注意してください。
また,UltraはIDが15までと拡張されていますが,従来のSCSIデバイスは7までですので,従来のSCSI機器についてはUltra対応のSCSIアダプタと接続したとしても,ID:7までしか物理的に割り振ることができません。IDの振り分けにも注意しましょう。
(伊勢雅英)
SCSI | 転送クロック | データ幅 | 転送レート |
Fast SCSI | 10MHz | 8ビット | 10MB/sec |
Fast Wide SCSI | 10MHz | 16ビット | 20MB/sec |
Ultra SCSI | 20MHz | 8ビット | 20MB |
Ultra Wide SCSI | 20MHz | 16ビット | 40MB |