24ビットカラーと32ビットカラーの違い

Windows 95の[ディスプレイの詳細]で「True color(24ビット)」と「True color(32ビット)」という設定がありますが,どこが違うのですか。


24ビットカラーも32ビットカラーも,画面に表示される画像自体にはなんら違いはありません。正確には24ビットカラーでは1677万7216色,32ビットカラーでは42億9496万7296色と256倍もの差があるわけですが,違いが出ないのは,RAMDACによって赤・緑・青(RGB)各要素が8ビットの階調としてディスプレイに出力されるからなのです。
 RAMDACとは,コンピュータが取り扱うデジタルデータを,ディスプレイに映すために必要なアナログ信号に変換する回路のことで,ビデオチップに内蔵されるタイプと,外付けとして別途用意されるタイプの2種類があります。人間の判別できる色数の限界がほぼ各色8ビットといわれている関係で,ビデオカードでは各色8ビット仕様のRAMDACが採用されているのです。各色8ビットを超える製品ももちろん存在しますが,PC用のパーツにはあまり用いられていません。
 さて,それではこのビット数の違いは何かといいますと,ビデオチップ内の処理によるものです。比較的新しいビデオチップの場合,データの転送または処理単位は32ビットに最適化されています。同時にビデオメモリのバス幅も,1バンクにつき32ビットとなっているものがほとんどです。したがって,同じ24ビット表示を行うためであっても,32ビットモードを使って32ビットデータとして内部処理をしたほうが効率がよく,高速化につながるのです。
 なぜ24ビットモードがあるかといいますと,まずできるだけ少ないビデオメモリ量でフルカラーを表示させるためです。例えば,1280×1024ドットで高速な32ビットモードを用いるとビデオメモリは5MB以上必要になりますが,これを24ビットで処理すれば3.9MBあればいいので,ビデオメモリが少なくて済みます。
 もう一つの理由は,リフレッシュレート(1秒間における画面の書き換え回数で,数字が大きいと画面のチラツキが減ります)を上げられる点です。RAMDACのバンド幅には上限がありますので,リフレッシュレートを上げるためには解像度を下げるか,色数を減らす必要があるのです。そこで,本来ならば32ビットで入力するところを,24ビットで入力することにより,リフレッシュレートを上げようというわけです。
(伊勢雅英)


24ビットカラーでも32ビットカラーでも、画面に表示される色数は1677万色