1本でもAGP

PCIスロットやISAスロットは1枚のマザーボードに何本もあるのに,AGPはなぜ1枚のマザーボードに1本しかないのでしょうか。また,ビデオカード以外の用途には使えますか。


まず1本しかない理由は,「そういう規格だから」としか答えようがありません。そもそもAGPは3Dグラフィックにおいてテクスチャ転送に対するニーズが上がってきたのに対応して,スループットを上げるために策定された手段なので,スロットが1本あれば足りてしまいます。
 また,AGPカードがフルにパフォーマンスを発揮しているときは,AGPがメモリのバンド幅をかなり使ってしまうというパフォーマンス上の問題もあり,複数のAGPスロットを設けても性能上の意味がありません。加えて,AGPは規格制定の期間を短縮するために,PCIのようなバスではなくPoint-To-Pointの接続プロトコルを採用しており,複数のスロットを設けにくいという問題もあります。
 ビデオカード以外の用途については,一応PCIバスと互換性があるので,技術的には不可能ではないと思いますが,そもそもビデオカード専用として生まれた規格なので,ビデオカード以外のAGPカードを作るベンダーは現れないでしょう。
(大原雄介)