AGPとPCIの性能差?

Voodoo3 2000には,PCI版とAGP版とがありますが,性能の差はどれくらいあるのですか? また,どう違うのでしょうか?


'99年10月15日にPCI版のVoodoo3 3000も発表されましたので,Voodoo3 2000に限った話ではなくなりましたが,現在発売されているVoodoo3 2000にはPCI版が併売されています。秋葉原などでバルクで購入可能ですが,日本語版はまだ発売されていません。したがって入手性はあまりよくないでしょう。
 PCI版とAGP版の違いですが,まず2D描画ではほとんど描画速度に差はありません。DVD再生などを除く一般的な用途では,バスを通過するデータ量がPCIのバンド幅でも十分だからです。この点はVoodoo3以外のビデオカードでも同様の傾向を示しています。
 さて3D描画ですが,これに関してはAGP版のほうが高速だろうとはいえます。Voodoo3に限らず高解像度,多色になればAGPの広いバンド幅が有効に機能して描画が高速になりますが,Voodoo3の場合はちょっと例外的な部分もあります。Voodoo系の3D描画では最大16ビットカラー,16ビットレンダリング,16ビットテクスチャで,解像度もほかの3Dビデオカードよりも低く抑えられています。テクスチャサイズもあまり大きなサイズはサポートしていません。
 3Dゲームなどにおいてはまだまだ24/32ビットカラーの必要性が低く,テクスチャも表現力よりは描画の高速性を優先した設計が一般的だからです。実際,3D描画ではフレームレートが非常に重要なファクターとなることも事実です。これらの設計からVoodoo3ではバスを通るデータ量が比較的小なく抑えられるため,ほかの3DビデオカードよりはAGPとPCIの差が出にくいといえます。ただ,これだけAGPが普及した現在では,あえてPCI版のVoodoo3を購入するメリットはあまりないという点は念を押しておきます。例外的なメリットとして,PCIカードはアップルコンピュータのPCIスロットを持つPowerMacでも使用可能なので(ドライバはhttp://www.3dfx.com/で配布されている),PowerMacとPCの両方で同じものを使いたいとか,マルチモニタのビデオカードにもVoodooカードを使いたい,といった特殊な用途には向いているのかもしれません。
(坪山博貴)



日本未発売で入手しにくい「Voodoo3 2000 PCI」