リソースモニターで確認できる「ユーザーリソース」は通常何%が適切なのでしょうか? また逆に何%を切るとシステムが不安定になるなどの不具合が生じますか? また,ユーザーリソースを増やす方法ってないものでしょうか?
Windowsではリソースという言葉があいまいに使われているようですが,システムツールにあるリソースメーターで確認しているのはWindowsシステムやユーザーアプリケーションが利用する一種のメモリ領域のことを指しています。
Windows 3.1では,リソース領域が16ビットセグメント(64KB単位)の制限を受けていたため,リソースに余裕がありませんでした。リソース不足により,アプリケーションが起動できない,あるいはシステムが不安定になるなどの障害が発生する可能性が高かったわけです。
Windows 98になると,リソースの制限はかなり緩やかになっています。多くのリソースが32ビット領域に移動し,リソース不足を起こすケースは激減しました。
しかし,一部のリソース……例えば画面の描画をつかさどるGDI(Graphics Device Interface)は,まだかなり多くが16ビットコードでできているため,GDIが使用するリソースの一部は64KBセグメントの制限を受けています。ユーザーインタフェースをつかさどるユーザーリソースにも一部,そのような制限が残されているようです。
システムリソースが残り10%で警告がでますが,実際に残り何%あれば安全か,という質問は非常に答えにくい部分があります。というのは,どのようなアプリケーションを動作させるのかによっても,Windows(やアプリケーション)が消費するリソースの量が大きく異なるからです。リソースを消費しないようなアプリケーションを使うのであれば,残りリソースが多少小さくても,何事も起こらないかもしれません。
よく利用するアプリケーションを動かしつつ,リソースメーターを監視しておくのも,一つの方法でしょう。自分がよく使うアプリケーションが,平均してどのくらいのリソースを消費しているかを把握しておくと,同時に起動できるアプリケーション数の目安にはなります。
また,一部のアプリケーションは,自分自身が使用したリソースを開放しないで終了してしまうことがあるようです(注:アプリケーションが異常終了した場合も,リソースが開放されない可能性があります)。そのようなアプリケーションは,繰り返し起動,終了を繰り返しているとリソースを食いつぶしていくため,不安定の要因になります。開放すべきリソースを開放しないというのはバグですから,リソース不足が頻繁に起こるようなら,怪しいアプリケーションのメーカーに連絡してみるといいかもしれません。
リソース領域を増やせないか,という件については,残念ながらできないと答えるしかありません。リソース領域はWindows起動時に決まり,ユーザーが手出しできないのです。これはWindowsのやむを得ない制限と考えてください。
(米田 聡)
Winodowsのリソースの残りを知るためのリソースメーター