Socket7の将来は?

Socket7のマザーボードを使っていますが,最近はPCショップに行っても新しいマザーボードが出ていないように感じます。もう将来はないのでしょうか?


将来というものをどう捉えるかという問題もありますが,例えばSlot1やSocket370にこれから先も絶対性能で対抗できるかといえば,おそらく無理でしょう。インタフェースとしての設計が古いという問題もありますが,どちらかといえばCPUベンダーの戦略が変化してしまったことが大きな原因です。AMDはハイエンドCPUではSlotAを採用しましたし,CyrixはVIAに買収され今後新しいSocket7対応CPUは恐らく登場しません。もともとハイエンド志向ではないIDTもCyrix同様VIAに買収され,そのアーキテクチャは統合型チップセットで利用されることになります。Socket7は事実上K6-2/チ専用プラットフォームになってしまったわけです。
 では将来はないのかといえばそうでもありません。時代に応じたCPU処理能力が欲しいということならば,AMDは当面K6ファミリーを製造しますし,0.18μmプロセスでより高クロック化が進みます。128KBのL2キャッシュをオンダイ化したK6-2+も登場予定ですから,Celeronや低クロックのPentiumチには十分対抗できるでしょう。AGP 4X対応チップセットも登場するはずです。
 勘違いしてはいけないのは,CPUソケットの将来性とマザーボードの将来性はイコールではないことです。Slot1のマザーボードでも今後登場するすべてのPentiumチやCeleronに対応できるわけではありません。Socket370のマザーボードだからといって,FC-PGAのPentiumチが対応マザーでなければ動かないのはそういうことです。もちろんこれはSocket7でも同じです。どんなマザーボードでも旬でいられるのはせいぜい1年ですから,あまり将来を考えても仕方ないというのが実情です。例えばPentium全盛時代の430HXを使用したマザーボードでも,電圧変換ソケットなどを使用すればK6-2/チなどが使用できますから,けっこうな処理速度を得ることができます。FSBが66MHzでもK6シリーズは最大6倍速まで設定できますから,400MHz動作が可能なのです。しかし電圧変換ソケットと新しいSocket7マザーボードの価格は大して変わりません。LPXマザーなどで交換できない理由がない限り,電圧変換ソケットを用いて最新CPUを使用する理由はないでしょう。マザーボードの低価格化を考慮すれば,マザーボードとCPUはセットで交換,運用することを考えたほうが現実的でしょう。
(坪山博貴)



最新のSocket7マザーボードのフリーウェイ「FW-5VGF+/ultra」(価格:1万4800円 問:フリーウェイ TEL:03-3255-1966)。VIA Apollo MVP3のノースブリッジとSuper South(VT82C686A)を搭載し,Ultra ATA/66インタフェースに加えて,サウンド機能やスーパーI/Oコントローラ,ハードウェアモニターを搭載している


Slot1/Socket370両方のタイプが使えるマザーボードもある(BIOSTARの「M6VCA」)