AGPの2Xモードって……

AGPの2Xモードって何がどう2倍になっているんでしょうか。


AGPは通常66MHzで動作し,最大転送速度は266MB/secとなっています。これが,俗にいうAGPの1Xモードです。
 一方,バスクロックの両エッジを使用して2倍の速度にしたのがご質問の2Xモードで,最大転送速度は533MB/secになります。理論的には,66MHzのCPUバスと同等の速度がAGPバスで得られるわけです。
 もっとも,2Xモードにしたからといって,単純に描画速度が2倍になるとは限りません。AGPバスは,バスマスタなどを使って,例えばメモリ→AGPビデオバッファへのデータ転送ができます。3Dのテクスチャ(3Dオブジェクト表面に貼り付けるビットマップデータ)の転送や,2DのBitBLT(領域データ転送)などでは,速度を2Xモードで高速化できます。
 ただし,例えば3Dのテクスチャは,ビデオカード上のバッファメモリが十分に空いている場合はそこに保存され,ビデオカード上の高速バス(現在はGB/secクラスの転送速度を持つカードが増えています)で転送が行われます。そのため,十分にバッファメモリが搭載されたビデオカードでAGPの2Xモードの恩恵が得られるのは,新規にテクスチャデータが必要になったときなどで,画面のガタツキが減るといったケースとなります。
(米田 聡)