DVD-RAMは1枚のメディアが5.2GBとなっていますが,フォーマットはどのようになっているのでしょうか。FAT16だと1パーティションで扱えないと思うのですが……。
DVD-RAMの5.2GBというのはA,B面合わせての容量です。現在,市販されているDVD-RAMドライブはヘッドを1組しか持っていないため,一度に読み書きできるのはどちらか片面だけです。つまり,両面記録のものは2.6GBのメディア×2が1枚に収まったものという位置づけになります。雑誌などではあまり触れられていないことですが,まずこの点に注意が必要です。実際に両面を使うときはメディアをひっくり返して使用します。
いずれヘッドを2セット搭載したドライブも出てくるでしょうが,登場にはしばらく時間がかかると思われます。
DVDの基本フォーマットはUDF(Universal Disc Format)です。UDFは,FATやHFSなどのファイルフォーマットとは互換性がありません。Windows 98以降は,OSの標準機能の一つとしてUDFサポートが装備されますが,これが再生用のドライバだけになるのか,DVD-RAMにも対応し読み書きできるようになるのか,今のところ不確定です。
現時点ではOS側で標準サポートされているわけではないため,ドライブにサードパーティ製のデバイスドライバとフォーマッタが添付されています。従来環境との互換性のためにFATもサポートされているので,デバイスドライバがなくても利用可能ですが,DVD-RAMの実力を完全に生かし切ることはできません。
さて,2.6GBというのはアンフォーマット時の容量で,UDFやFAT32で初期化した場合,実容量は約2.3GBとなります。FAT16で初期化した場合は先頭から2GBだけが有効になります。用途に合わせて使い分けてください(FAT32フォーマットは正式サポート外です)。両面ディスクでは,UDF,FAT32時は4.6GB,FAT16時は4GBとなります。
ちなみに,CD-RやCD-RWのパケットライトで使われるファイルフォーマットもUDFです。UDFは当初DVD用のファイルシステムとして設計されたものですが,CD-RやCD-RW用のパケットライトでも,これらに合わせてチューニングされたCD-UDFが利用されており,現在では再統合されUDF1.5としてOSTAにより仕様化されています。
(菊地 潤)
現在のDVD-RAMドライブにはヘッドが1セットしかないため,5.2GBのメディアは片面ずつ使用することになる