CD-RのメディアはMOやZipメディアに比べ安価で大容量です。でもとってもデリケートという話も聞きます。本当のところはどうなのでしょう。
デリケートという点では本質的にMOやZipのメディアも相当デリケートです。CD-Rとの大きな違いはMOやZipはメディアそのものがカートリッジで保護されている点で,これが扱いを容易にしているといえます。カートリッジで保護することなく利用できるCD-Rは,むしろメディアそのもので見た場合,MOやZipほどデリケートではないともいえます。Zipは記録面がメディアの表面に露出していますが,CD-Rメディアの記録面はポリカーボネイトで保護されています。MOはCD-Rメディアと同じく記録面がポリカーボネイトで保護されていますが,640MBならば記録密度はMOのほうが高く,その分デリケートといえるでしょう。
基本的には傷に注意し,直射日光などに長時間さらさないようにし,未使用時にはきちんと保護シートやケースに保管する,と常識的な扱いで十分でしょう。
とくに注意しなければならないことは,追記の予定があるCD-Rメディアの扱いです。傷,ホコリが原因で読み出しがうまくいかない場合でも,複数回行うことで正常に読み出せる場合があります。またホコリを取り去れば正常に読み出すこともできるでしょう。しかし一度しか書き込みができないCD-Rメディアでは,傷やホコリが原因で書き込みに失敗すると,同じ場所には再び書き込み処理を行うことはできません。この点では確かにZip,MOなどの繰り返し書き込みが可能なメディアよりもデリケートといえます。
(坪山博貴)