Windows NTでモデムがうまく動かない

Windows NTのモデムの設定でダイヤル方法を「パルス」に設定しても「トーン」でダイヤルしてしまうので,モデムが使えません。どうしたらいいのでしょうか。


これはNT用のモデム設定ファイル(拡張子はINF)の不具合だと思われます。本当はエディタなどでモデムのINFファイルの内容を修正するのが一番確実ですが,それなりの知識が必要となり,普通の人では手が出せないと思います。そこで,以下のような方法を試してみてください。
 まず最も確実なのは,メーカーのサポートやホームページから,NT用の最新INFファイルを入手することです。問題のあるモデムでしたら,対応が施されていると思います。
 モデムメーカーのホームページなどからNT用のINFファイルを入手できなかった場合は,かけたい電話番号の先頭部分に「P」という文字を追加してみてください。「P」は「ダイヤル方式をパルスにする」という意味のATコマンドです(ATコマンドはモデムを制御するためのコマンドです。機種によってコマンドが違う場合もありますから,各モデムのマニュアルを参照してください。)。
 例えば03-5642-8189という番号に電話をかけたいのであれば,電話番号の欄に「P0356428189」と入力します。このとき,「国番号と市外局番を指定する」チェックは外したほうが無難です。
 そのほかに,コントロールパネルから[モデム]をダブルクリックして[モデムのプロパティ]→[接続]→[詳細]で,「追加設定」の欄に「P」を追加する方法もあります。この「追加設定」欄に書かれたコマンドはダイヤル時に送出されます。
 どうしてもトーンダイヤルで電話番号が発信されるのは,「ATxxxxxxxxDT0356428189」といった具合に,PCからモデムに送られるコマンドに,トーンダイヤルでの発信指定が付いてしまっているケースがほとんどだと思います。ですから,明示的にPを追加して「ATxxxxxxxxDTP0356428189」と,トーンダイヤル指定の後で改めてパルスダイヤル指定を行ってやれば,うまくいく場合が多いわけです。
 ただしモデムによっては,いったんトーンダイヤル指定をされるとその後のパルスダイヤル指定を無視する機種もあり,うまくいかないケースもあり得ることを覚えておいてください。
(大原雄介)

モデムの「詳細設定」でATコマンドの「P」を追加する