CD-Rは650MB入ると聞きましたが,実際は何MB入るのですか。
多くの場合,「約650MB/74分DISC」と表記されることが多いので,戸惑うかもしれません。CDは,そもそもが音楽記録用に作られたメディアですので,74分や60分などの時間単位でその容量を示すのが慣例になっています。
音楽CD(CD-DA)は,1/75秒を1コマとして,1コマ2352バイトが基本単位となっています。これを1CDフレームといいます。CD-ROMドライブの場合は,この1コマのうち2048バイトだけを使って,残りをCIRCと呼ばれるエラー補正符号を格納する領域に使います。こうして,2048バイト×75×60秒×74分を計算すると,約650MBとなります。このCIRCエラー補正を使った記録方法を「mode 1」と呼び,使わない記録方法を「mode 2」と呼んでいます。
mode2はエラーが出てもあまり問題のない,ビデオデータ(VideoCD)などで使われており,mode 1のCD-ROMよりも15%程度記憶容量が増えます。
CD-DAの場合には,インデックス部分やトラックとトラックの間に無音部分を設けなければなりません。1枚のDISCには,99トラックまで設けることができますが,各トラック間には2秒の無音部分を原則として配置しなければならず,これが記録時間を減少させる原因になります。
CD-ROMドライブの場合は,原則として1トラックめがデータ領域となり,複数トラックにデータを記録することはないので,音楽CDのようなオーバーヘッドはありませんが,マルチセッション形式でDISCを作成した場合には,別のオーバーヘッドが生じて,書き込み容量が少なくなります。マルチセッション型のディスクを作ると,それぞれのセッションにLead In,Lead Outという管理用の領域を作り,さらにセッションの開始位置を記録するため,セッションの数が多くなればなるほど,記録領域は減少します。どれだけ減少するかは一概にはいえません。
また,パケットライト方式による書き込みも,書き込んだ位置の物理セクタ番号をDISCに記録するので,管理用の情報が,ユーザーデータ領域を圧迫する構造は変わりません。650MBフルに使いたければ,一度のセッションで650MB分記録してしまうのがよいでしょう。
(岩井五郎)