ショートカットキーの有効活用

一つのショートカットキーで,二つ以上のアプリケーションを起動する方法はありませんか?


ショーカットキーには基本的に一つのプログラムしか登録できませんが,複数のアプリケーションを実行するバッチファイルを作成し,それにショーカットキーを割り当てる,という方法があります。バッチファイルというのはコマンドプロンプトで実行できる簡単なスクリプトで,テキストファイルに書かれているコマンドを先頭から順に実行します。DOS時代から受け継がれている昔ながらの方法ですが,Windowsでも有効です。
 リストのように,実行したいプログラムやショートカットを

 START "タイトル"コマンド

のように順に書いて,「.BAT」という拡張子のファイル名で保存すれば,準備完了です(例:PROG.BAT)。ちなみに,プログラムをフルパスで記述すると長くなるので,バッチファイルと同じフォルダにショートカットを作成しておいたほうが作業がはかどります。また,ショートカットにPROG.BATを実行するように登録すれば,キーを押したときにPROG.BATに書き込んでおいたプログラムをまとめて起動することもできます(画面1)。
 なお,STARTコマンドはパラメータでプログラムを起動時に最小化させたりもできるようになっているなど複雑なパラメータ指定も可能なので,使えるパラメータを確認しておくと,より便利に使えると思います(参考)。なお,使用可能なパラメータの確認は,パラメータを指定せずにSTARTコマンドを実行すれば表示されます。
(渋谷 隆)



画面1 拡張子「.BAT」ファイルのプロパティから,ショートカットキーを設定すれば,ショートカットキー実行時に複数のアプリケーションを起動できる


リスト バッチファイルでMicrosoft ExcelとMicrosoft PowerPointを起動させる例
START "Excel" "C:エProgram FilesエMicrosoft OfficeエOfficeエEXCEL.EXE"
START "PowerPoint" "C:エProgram FilesエMicrosoft OfficeエOfficeエPOWERPNT.EXE"


参考 STARTコマンドのパラメータ
START [ "タイトル"] [パス] [/I][/MIN][/MAX][/SEPARATE | /SHARED][/LOW | /NORMAL | /HIGH | /REALTIME][/WAIT][/B][コマンド/プログラム][パラメータ]

○各パラメータの詳細

メタイトルモ:ウィンドウのタイトルバーに表示するタイトル。
パス:開始するディレクトリ。
/I:新しい環境は,現在の環境ではなく,CMD.EXEに渡した元の環境になります。
/MIN:ウィンドウを最小化の状態で起動します。
/MAX:ウィンドウを最大表示の状態で起動します。
/SEPARATE:16ビットのWindowsプログラムを別メモリ領域で起動します。
/SHARED:16ビットのWindowsプログラムを共有メモリ空間で起動します。
/LOW:IDLE優先度クラスでアプリケーションを起動します。
/NORMAL:NORMAL優先度クラスでアプリケーションを起動します。
/HIGH:HIGH優先度クラスでアプリケーションを起動します。
/REALTIME:REALTIME 優先度クラスでアプリケーションを起動します。
/WAIT:アプリケーションを起動し,終了するまで待ちます。
/B:新しいウィンドウを作成せずにアプリケーションを起動します。これにより DOS システムでのアプリケーションは[Ctrl]+[C]を無視します。アプリケーションで[Ctrl]+[C]が有効にされていない限り,[Ctrl]+[Break]がアプリケーションを中断する唯一の方法です。
コマンド/プログラム:内部コマンドまたはバッチファイルの場合,コマンドプロセッサはCMD.EXEの[/K]オプションを使用して実行されます。これは,コマンドの実行の後でもウィンドウが残ることを意味します。内部コマンドまたはバッチファイルではない場合,そのプログラムはウィンドウモードのアプリケーションまたはコンソールアプリケーションとして動作します。
パラメータ:コマンド/プログラムに渡すパラメータです。