ディスプレイ(ブラウン管)の寿命はどれくらいでしょうか。またトリニトロン管やダイヤモンドトロン管など種類によって変わりますか。
ディスプレイはPCの周辺機器の中でも消耗品の代表格といえるかもしれませんが,メーカーでは1万時間以上の寿命を想定しているようです。
ディスプレイの方式の違いによる寿命の差については,同一メーカーの製品でも機種により異なりますのでどちらがよいとは一概にいえません。しかし,21インチといった大型のCRTではまだ製品間の差が出やすいようです。
ただし,設置場所や使い方によっても寿命は大きく異なってきます。
ディスプレイの劣化で一番顕著に現れるのが,通称「焼き付き」などと呼ばれる蛍光体の劣化による輝度の低下です。蛍光体は電子ビームにさらされることにより劣化するため,長時間明るい画面を表示したままにしておくのはよくありません。本来のスクリーンセーバーはこの焼き付きを防止するために,使用していないときに画面を暗くする働きをするもので,画面いっぱいにアニメーションなどを表示しているのは本来の目的からいえば邪道といえるでしょう。
調整ではブライトネスの調整により画面の表示されない外側の部分が電源を切ったときと変わらない暗さになるようにしなければなりません。外側の部分がうっすらと明るい状態では早く寿命を縮める原因となります。またコントラストについても,明るくしすぎないほうがディスプレイにとってはやさしいといえます。
意外なのは内部の電子ビームのみならず,直射日光に対しても同様の配慮が必要なことです。管面に直射日光が当たっている状態では電源を切っていても寿命を縮めることになります。直射日光に当たるような場所では,ディスプレイ内の温度も上昇することになり,内部の電子部品にとってもよい条件とはいえません。
(吹田智章)