AT互換機とMacでSCSI機器を共有するために,SCSI切替機で使い分けていましたが,AT互換機のSCSIホストカードが壊れてしまいました。MacとAT間で切替機によるSCSI機器の共有はタブーなんでしょうか?
MacとAT互換機間でSCSI切替機を用いたことがタブーであるというより,切替機を使ったことに原因があると思われます。
SCSI切替機といっても多種多様の製品がありますが,単純に機械的に信号線を切り替えるタイプ(一般的に安いのはこのタイプ)と,動的にバスの切断や接続が可能な(または,プロトコルレベルでの処理が可能な)インテリジェントタイプのもの(かなり高価)があります。前者のタイプはけっこう危険で,作りが雑なものだと信号線間で不測のショートに見舞われたり,切断されたデバイスがきちんとターミネートされていないことが動作不安定の原因ともなりかねません。また,両マシンおよびSCSIデバイスを電源の入った状態で切り替えるのは,全デバイスが壊れてもおかしくないほど危険です。切替機の実際の動作を十分把握したうえで使うようにしないと,デバイス故障の原因になります。
最も基本的なデバイス共有の方法は,図1のように同一バス上に両ホストアダプタとSCSIデバイスを接続する方法です。ホストアダプタのIDは,両者で重ならないように設定します。この場合,OSがデバイスを排他的に制御できる機能を持つ必要がありますが,容易な方法ではありません。
現実的なデバイス共有は,ネットワークを利用する方法です。Windows 95でAppleTalkが利用可能なPersonal MAC LAN CONNECT(ディアイティ)やCOPS Talk(ケミカル・リサーチ)などを用いれば,Windows 95とMac間でHDDやプリンタの共有が行えます。それ以外のデバイス(スキャナなど)については,できるだけ1台のPCだけで利用し,データはネットワークを経由して転送する形をとったほうが無難でしょう。
(伊勢雅英)
MacとAT互換機でSCSI機器を共有する。MacとAT互換機でSCSIカードのIDを変更しておくのがポイント