インテルのCPUやチップセットには,よく変わった名前の開発コードが付いていたと思いましたが,今までとこれからのCPUの開発コード名を教えてください。
インテルのCPUの開発コード名は,以前から米国,カナダのメ河川モを中心に,風光明美な観光スポットの名前が付いています。PentiumUは「Klamath」(カリフォルニア州の河川),L2キャッシュを内蔵しないCeleronは「Covington」(ルイジアナ州の都市名),300MHz以降のL2キャッシュ内蔵CeleronはMendocino(カリフォルニア州の河川),次期L2キャッシュ統合PentiumVは「Coppermine」(カナダの河川),現在のPentiumVは「Katmai」(アラスカ州の国立公園と河川),PentiumV Xeon後継は「Tanner」(グランドキャニオンの急流)などです。そして,PentiumV Xeon後継,600MHz以上になるはずのCPUは「Cascades」(ワシントン州の河川)となっています。
インテルとヒューレット・パッカードが共同で開発したPentiumV Xeonに代わる次期64ビットCPUは「Merced」(カリフォルニア州の河川)であり,登場が同時期の「Foster」(ヴァージニア州の“滝”)はCascadesの後継32ビットCPUです。そして,そのMercedに代わるCPUが「McKinley」(アラスカ州の山)です。
ここに出てくる名称は,わりと大きい河川や有名な観光名所がほとんどで,そこに「CPUの流れを作っている」自信を示しているのかもしれません。
ちなみにチップセットの開発コード名の由来については,「Whitney」(ニューヨーク,ホイットニー美術館,Intel810),「Camino」(スペイン語で「道」の意味,Intel820),「Profusion」(「贅沢」とか「おびただしい」という意味,’99年第3四半期にメーカーに向けて提供開始され,秋以降に搭載サーバーが登場する8プロセッサ対応の新チップセット)については,規則性がないのかもしれません。
表1 インテルのCPU開発コード名と仕様
■ベーシッククラス
P55C
MMX Pentium
32
166〜233MHz
66MHz
Socket7
32KB
512KB(マザーボード上)
'97年1月
Klamath
PentiumU
32
233〜300MHz
66MHz
Slot1
32KB
512KB(CPUパッケージ内に搭載)
'97年5月
Deschutes
PentiumU
32
333〜450MHz
100MHz
Slot1
32KB
512KB(CPUパッケージ内に搭載)
'98年1月
Covington
PentiumU/Celeron
32
266〜300MHz
66MHz
Slot1
32KB
0KB
'98年6月
Mendocino
PentiumU / Celeron A
32
300〜466MHz
66MHz
Slot1/Socket370
32KB
128KB(CPUチップに内蔵)
'98年8月
Katmai
Pentium V
32
450〜550MHz
100MHz
Slot1
32KB
512KB(CPUパッケージ内に搭載)
'99年2月
Coppermine
Pentium V
32
533MHz〜
133MHz
Socket370
64KB
256KB(CPUチップに内蔵)
'99年9月
Willamette
不明
32
1000MHz〜
不明
不明
不明
不明
2001年第1四半期
Deerfield
不明
64
不明
不明
不明
不明
不明
2003年
■ハイエンドクラス
Xeon
PentiumU Xeon
32
400〜450MHz
100MHz
Slot2
32KB
512〜2048KB(CPUチップに内蔵)
'98年6月
Tanner
PentiumV Xeon
32
500〜550MHz
100MHz
Slot2
32KB
512〜2048KB(CPUチップに内蔵)
'99年5月
Cascades
PentiumV Xeon
32
700MHz〜
133MHz
Slot2
64KB
512〜2048KB(CPUチップに内蔵)
'99年第4四半期
Merced
不明
64
800MHz〜
不明
SlotM
不明
不明
2000年後半
Foster
不明
32
1000MHz〜
不明
不明
不明
不明(CPUチップに内蔵)
2001年第1四半期
McKinley
不明
64
1000MHz〜
不明
不明
不明
不明
'99年2月
■モバイルクラス
P55C
MMX Pentium
32
120〜166MHz
60/66MHz
32KB
512KB(マザーボード上)
'97年1月
Tillamook
MMX Pentium
32
200〜300MHz
66MHz
32KB
512KB(マザーボード上)
'97年9月
Deschutes
PentiumU
32
233〜300MHz
66MHz
32KB
512KB(CPUパッケージ内)
'98年1月
Dixon
PentiumU
32
266〜400MHz
66MHz
32KB
256KB(CPUチップに内蔵)
'99年1月
Coppermine
PentiumV
32
400MHz〜
100MHz
32KB
256KB(CPUチップに内蔵)
'99年9月