cdma2000とW-CDMA

携帯電話で使われるcdmaという技術が新しくなると聞きました。どう新しくなるのでしょうか?


現在,携帯電話の高速化の技術が,最大2Mbpsを目指して変わろうとしています。主な通信方式としては,米国提案のモトローラ方式(cdma2000:cdmaOneの拡張版)と日本,欧州提案のドコモ方式(W-CDMA)の2案があります。どちらもCDMA方式の拡張で,基本的には似た通信方法になっていますが,電波の多重方式に違いがあります。多重方式は,DS(Direct Spread)-FDD(Frequency Division Duplexing),MC(Multi Carrier)-FDD,TDD(Time Division Duplexing)に分類できます。cdma2000はDS-FDD方式とMC-FDD方式を採用,W-CDMAはDS-FDD方式となっており,それぞれの特徴を使った高速化を行っています。
 国内のキャリア別に分類すると,NTTドコモとJ-フォンがDSタイプのCDMA,DDIがMCタイプのCDMA(1X)を採用することを表明しています。1Xというのは1倍モードのことで,153.6 Kbpsです。なお,最大3倍モード(回線を三つ同時に使う)で2Mbpsの能力を持っています。
 それに対してドコモ方式では,移動中の最大伝送速度が384Kbps,静止中の最大伝送速度が2Mbpsを目指して製品化の研究が進んでいます。
 現在のPDC(ドコモ方式)が9600bps,cdmaOne方式が14400bpsであるのに対して,次世代(IMT-2000)の携帯電話は,どの方式にせよ圧倒的に高速化されることが確定しています。ただ,現在でも速度に関係なくiモードなどのサービス内容で端末が選ばれる傾向があるわけで,そういう点でも単に速度だけではなく,つながりやすさや魅力的なコンテンツも重要となるはずです。
(わたなべけんいち)