PentiumUの上部には型番などが印刷されていますが,これの意味,読み方を教えてください。
PentiumUの上部には,上下左右に4種類の記号が印刷されています。それぞれの記号の意味は,おおむね以下のとおりですが,インテルから公式にアナウンスされていない部分もあり,筆者の推測も入っています。
・左上:これはCPUの型番です。あまり大きな意味は持っていませんが,図でいえば@「266」の部分が動作周波数,A「512P」の部分がL2キャッシュの容量,B「E」が付いているものはL2キャッシュがECC対応であることを表しています。
・右上:Cの「SL2W7」の部分で,これはCPUのsSpecです。sSpecというのは,同じ動作周波数のPentiumUにもいくつかの種類があるため,それを区別するために付けられている番号です。http://developer.intel.com/design/pentiumII/qit/にsSpecの一覧があり,そのCPUの詳しいスペックを調べられます。
・左下:これはロット番号です。D「1」の部分は製造された国を表していて,筆者の知る範囲では,0:コスタリカ,1:フィリピン,9:マレーシア,Y:アイルランドとなっています。E「8」は’98年を表しているようです。続くFの「31」は,第何週に製造されたかを表していて,ここが同じCPUは中身のチップも同じものを使っている確率が高いと考えられます。Gの4桁は,週より細かい分類になっているようで,週からの6桁が同じであれば,中身のチップはほぼ同じと思われます。ある意味で週とセットにして考えたい数字です。Hの「0118」というのは,FGの6桁の製造工程でのカウンタ(何個めかを表す数字)のようです。
・右下:I製造国を表します。
(広瀬 隆)
図 PentiumUの型番