友人の勧めで,ISDN(INS64)を導入しましたが,ダウンロードがそれほど劇的に速くなったとは実感できません。ダウンロードを少しでも高速化するテクニックはありませんか?
ひょっとしたらWindows側のシリアルポートの速度設定が,57600bpsや38400bpsになっていたりしませんか? INSネット64は1チャネル当たり64Kbpsの帯域を持っていますが,シリアルポートの設定がそれ以下になっていると,プロバイダ−TA間が64Kbpsで接続されてもTA−PC間がボトルネックとなって,全体の転送速度はそこで頭打ちになってしまいます。
もっとも,インターネットを介す限り,データの転送速度はプロバイダとユーザー間の帯域幅以外に実際にデータが置かれているサーバーの混雑具合にもよりますので,64Kbpsのフルスピードが得られることはほとんどないと思ったほうがいいでしょう。
アナログモデムで一般的に装備されているデータ圧縮機能は,ZyXELやEiconなどの製品を除くとTAではほとんど実装されていませんし,仮にエンドユーザー側のTAがこうした機能を持っていても,プロバイダ側で無効にしている場合は利用できません。とくに56Kモデムからの乗り換えではあまり速度面での違いが感じられない場合も多いかと思われます。ただし,そうはいっても同時に処理できるトラフィック量は底上げされていますので,同時に複数のクエリーを出したりすると全体の作業時間は短縮できるはずです。
少しでもダウンロード時間を短縮したいなら,アナログの場合と同様,利用者が少ない時間帯を狙い,少しでも近いサーバーから取り出すようにするのがお勧めです。また,ISDNならいざとなれば2チャネルを束ねて128Kbpsにすることも可能です。ダイヤルアップの設定ファイルを,通常のWebブラウズ用の64KbpsとFTP用の128Kbpsの二つ用意している人も多いようです。利用者が多いプロバイダを使っている場合,プロキシサーバーのキャッシュに同じデータが残っていることがありますので,それを試してみるのも一案です。[表示]→[インターネットオプション]の[接続]ダブを開き,[プロキシサーバーを使用してインターネットにアクセス]にチェックを入れます。この場合は理論値に近い速度が得られる場合が多いようです。帯域そのものが広がったことにより,Web先読みツールの効果もアナログに比べ大きくなります。
ただ,一部には1接続ごとの帯域幅を制限していて,ISDN接続でも実質的にアナログモデムと変わらない速度しか得られないプロバイダもあるようです。別のプロバイダに替えたらそれまでのストレスが嘘のようになくなった,ということもあります。手前味噌になりますが,筆者のオフィスでが試験的に運用しているインターネット互助会のダイヤルアップの受け口はZyXELのElite2864I/OmniTA128を使い,V.120/X.75+V.42bisによるデータ圧縮機能を備えているため,2chバンドル時には最大460.8Kbpsでのデータ転送が可能です。
今のところ,アクセスポイントは横浜045と多摩042だけ(東京03は準備中)ですが,興味のある方はhttp://www.archive.or.jp/をご参照ください。
(菊池 潤)
シリアルポートの速度がいくつか,確認しておこう
台湾ZyXEL社のデータ圧縮機能付きTA「Elite 2864I」
(関連情報URLはhttp://www.zyxel.com/)