Ultra SCSIとIEEE 1394の将来性

Ultra SCSI,Ultra Wide SCSIが(価格が高いこともあってか)今いち普及していないように思います。IEEE 1394にとって代わるなどのうわさを聞きましたが,今後どうなるのでしょうか。また,IEEE 1394との性能比較はどのようなものでしょうか。


Ultra SCSI,Ultra Wide SCSIがあまり普及していないように見えるのは,CD-ROMやMOドライブといったSCSIデバイスがFast SCSI仕様のままだからではないでしょうか? 現在ならインタフェースの価格差も大きくありませんし,HDDにいたっては現行の製品のほぼ100%がUltra SCSIに対応しています。またUltra SCSIとUltra Wide SCSIのHDDの価格差は小さいのが現状です。
 さてIEEE 1394ですが,もともと直接コンピュータに関連したデバイスを扱うことを主眼に置いて発展してきたSCSIと比較すると,IEEE 1394では家電的なデバイスの接続も前提にされており,すべてのデバイスがホスト機能も果たすなど,各デバイスのインテリジェント性が高くなります。このため現段階ではまだ高コストであることは否めません。IEEE 1394は現段階で最大400MB/secと,SCSIで最も高速なUltra2 Wideの80MB/secと比較してもはるかに高速ですが,例えばSCSIデバイスの中で高速な部類に入るHDDでも現在のSCSIインタフェースで十分となる転送レートしか必要としていません。SCSIインタフェースが広く普及していることもあり,IEEE 1394がSCSIにとって代わるにはまだまだ時間がかかるでしょう。
(坪山博貴)