Windows 95/98のキャッシュディスク

キャッシュディスクのメモリ容量別の最適サイズを教えてください。


キャッシュディスクの容量をユーザーが指定していたのはDOS+Windows 3.1のころ(SMARTDRV.EXE)までで,Windows 95以降はキャッシュディスクのサイズを明示的に指定する必要はなくなりました。
 Windows 95以降,キャッシュディスクは32ビットVCACHEが行います。VCACHEは物理メモリに余裕がある限り,ディスクに対して読み書きを行ったデータをメモリ中にバッファリングします。アプリケーションやOSが利用するメモリ量に応じて,余っているメモリをキャッシュに自動的に割り当てるため,ユーザーはキャッシュの容量を指定する必要はありません(Windowsに限らず,UNIXなど大部分のOSはキャッシュディスクが自動的に割り当てられるのが普通です)。
 とはいえ,Windows 95/98でキャッシュディスク関連の動作をコントロールする方法がないわけではありません。コントロールパネルの[システム]の中に,[パフォーマンス]→[ファイルシステム]設定があります。
 この設定は,レジストリのHKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\FileSystem以下にある,次のキーを変更します(Windows 95/98共通)。

PathCache
 ディレクトリパスをキャッシュする数です。デスクトップコンピュータ時で32,ポータブル時で16,ネットワークサーバー時で64です。メモリが十分にあるなら大きい数にするほどディスクパフォーマンスは向上します。

NameCache
 アクセスしたファイルのパス(位置)を保存する数を指定します。デスクトップ時677個,ポータブル時337個,サーバー時2729個がデフォルトです。メモリに余裕があるなら,大きな数を指定するとパフォーマンスが上がります。

BufferIdleTimeout/BufferAgeTimeout/VolumeIdleTimeout
 ライトキャッシュに蓄積されたデータをフラッシュ(ディスクに物理的に書き込む)するまでの時間を指定できます。

ConfigFileAllocSize
 Windowsは0.5MB以上の連続した空き領域を見つけたら,そこにデータを書き込みます。0.5MB以上の連続した空き領域がない場合はディスク中の最初の空き領域からデータを書き込んでいきます。

CDFS\以下のキー
 CD-ROMドライブに対するキャッシュはVCACHEとは異なり,メモリが不足するとスワップアウトされる特殊なキャッシュシステムが使用されます。CDFS\以下のキーでコントロールでき,キャッシュサイズは[ファイルシステム]→[CD-ROM]で設定できる[追加キャッシュ]に対応しています。

 また,CD-ROMドライブのキャッシュ容量は,[アクセス方法の最適化]に応じて,表のようなメモリ量が確保されます。Windowsのバージョンによって設定される値が異なっている点に注意してください。メモリの小さなPCは標準速か先読みなしを指定したほうがよいでしょう。
(米田 聡)


CD-ROMドライブファイルシステムの設定

  Windows95 OSR2以降
先読みなし - 1088KB
標準速 64KB 1088KB
倍速 626KB 1138KB
3倍速 - 1188KB
4倍速以上 1238KB 1238KB