家庭内LANを構築しようとしていますが,LANケーブルの長さには制限がありますか?
家庭で使えそうなイーサネットには,通信速度の違いなどで10BASE-T(10Mbps),100BASE-TX(100Mbps),1000BASE-T(1000Mbps)などがありますが,規格上はケーブルの総延長はすべて100mとなっています。ただしこれは,ノイズの混入なども考慮した数字なので,実用上は使用機材によって多少変化します。
10BASE-Tと100BASE-TXは,一般に入手しやすいカテゴリ5のLANケーブルを使えばいいのですが,1000BASE-Tの場合は,カテゴリ6のケーブルか,良質なカテゴリ5ケーブルである,エンハンストカテゴリ5のケーブルを使う必要があります(写真2)。
総延長というのは,使用しているケーブルの長さを純粋にすべて加算した長さで,通常はハブに接続されているケーブルの長さを足した数字になります(図1)。ハブを複数使っている場合には,ハブとハブを接続しているケーブルの長さも加算されます。また,クロスケーブルで直接接続している場合は,クロスケーブルの長さそのものが総延長となります。
(渋谷 隆)
図1 カテゴリ5ケーブルの総延長は100m
ハブを介した場合,クロスケーブルでPC同士を直接接続した場合のいずれも,カテゴリ5ケーブルの総延長は100mである
写真3 左がエンハンストカテゴリ5,右が通常のカテゴリ5のケーブル。ケーブルの印字でのみ判別が可能だ