OpenGLの効果は?

OpenGL対応ビデオカードが出てきていますが,OpenGLとは何でしょうか。また,何に役立つものなのでしょうか。


OpenGL(Open Graphics Library)は,3Dグラフィックスアプリケーションを開発するためのソフトウェアインタフェースです。Zバッファリングやテクスチャマッピング,ダブルバッファリング,グローシェーディングなど多くの機能を持っているので,高品質なカラーイメージで3Dオブジェクトを作成することができます。’80年代にSilicon Graphics Inc.(SGI)によって開発されたIRIS GLの後継に位置するものですが,IRIS GLとの互換性はありません。現在は,DEC,IBM,インテル,SGI,マイクロソフトなどで構成されるOpenGLアーキテクチャ検討委員会ARB(Architecture Review Board)により独立して管理され,時代に合わせた仕様の変更などが柔軟に行われています。
 OpenGLの特徴は,ハードウェアやOSから完全に独立している点です。そのために,さまざまなプラットフォームで利用が可能となっています。UNIX系OSのウィンドウマネージャX-Windowをはじめとして,Windows NT,最近ではWindows 95上でも利用されています。CADやモデリングソフトなどのグラフィックアプリケーション上で使われることが圧倒的に多いようです。したがって,普通の人が恩恵にあずかることは少ないかもしれません。OpenGL対応ビデオカードの効果を手軽に体験するには,Windows NTやWindows 95(OSR2)などに付属のOpenGL対応スクリーンセーバー(画面1)などをご覧になるといいでしょう。
(伊勢雅英)

 
画面1 OSR2やWindows NT 4.0にはOpenGLを利用したスクリーンセーバーが付属している