ディスプレイの調整項目に「色温度」というものがありますが,これはどういったものなのでしょうか。
光の色を絶対温度(K:カルビン)で表す方法です。フィルムの取扱説明書を見ると「デーライト」とか「タングステン」という種別が書かれていますが,これはそのフィルムをどんな光源の下で使えば標準的な色彩で撮影できるかを示したものです。
普通我々が使う35ミリフィルムはデーライト(太陽光)タイプで,昼間の太陽光線の色温度は約7200K,カメラマンなどがスタジオで使うタングステンランプは約3200Kなので,人間の目には同じように見えても,普通のフィルムを使うと赤っぽいランプをつけて撮影したように写ってしまいます。そのため,タングステンランプで撮影するときには専用フィルムを使うか,レンズにフィルタをかけて色温度を上昇させなければなりません。
同じ太陽光でも,朝や曇天で撮った写真は青っぽく,夕景が赤っぽく写るのは,色温度が変化しているからです。ストロボを使って撮影した写真は常に昼間のような発色を示しますが,これもストロボの色温度が昼間の太陽光に近いからです。
さて,CRTディスプレイにおける色温度ですが,カラーディスプレイで白色を表示したときの色温度の理論値は3300Kとなります。しかし,3300Kの白では明るすぎて目が疲れてしまうため,実際にはペーパーホワイトと呼ばれる柔らかい白に調整されます。このときの色温度のプリセット値は,おおむね4000〜10000Kの間に取っているようです。色彩計という計測器を使えば,本当にその色温度で表示されているかどうかを確かめることが可能です。
(編集部)