DoPaってどう?

携帯電話のデータ通信でDoPaというサービスがあるそうですが,これはどんなものでどんな利点があるのですか。


「DoPa(ドーパ)」は「DoCoMo Packet」からきている名前で,NTTドコモがPDC(デジタル携帯電話)800MHzで提供するパケット通信サービスのことです。パケット通信ですから送受信するデータ(パケット)の量に応じて課金される料金体系となっています。長時間つないでいても送受信するデータの量が少なければ,使用料金も安く済むという特徴を持っています。
 従来のPDC(9600bps),PHSのPIAFSでのデータ通信は使用時間によって料金が決まっていましたが,データの送受信速度が保証されないインターネット接続では,DoPaのようなデータ量に応じた課金のほうが都合のいいケースが多いのです。
 例えばインターネットに接続してWebページを閲覧する場合,そのページの表示中はデータを受信していますが,表示が終了して文章を読んでいる間はデータが流れていません。通常のインターネットの利用形態では,データが流れていない時間のほうがはるかに多いはずです。従来のPDCやPHSではこまめに接続,切断を繰り返さないと使用料金が高くなってしまいますが,DoPaは何時間つないでいてもデータ送受信分しか使用料金が発生しませんから,運用が非常に楽です。ICQなどのチャットソフトで長時間会話するときも,データの転送量はわずかなので,DoPaはうってつけの接続形態といえます。また,従来のPDCやPHSの課金単位が最低10円なのに対し,DoPaでは1円以下ですから,むだが発生しにくくなります。
 DoPaはPDC 800MHzでのサービスですが,音声通話とは独立したチャネルを使用します。各基地局に28800bpsのチャネルが一つあり,その基地局エリア内の全DoPa利用者が共用します。このため最大の28800bpsの通信速度は滅多に得られませんが,ビジーで接続できないということはありません。したがって混雑時にチャネルが足りなくなって,接続が途切れることもなく,移動体のデータ通信としては非常に安定しています。
 とはいえ,DoPaも良いところばかりではありません。まず専用の端末,通信カードが必要で,これらは少々高価です。また機能,サイズ,重量とも数世代前の携帯電話と同程度なので,最近の高機能で小型軽量の端末と比べると見劣りします。
 また,使用料金面でも,従来のPDCやPHSが接続中常時最大転送速度でデータを送受信すると想定すると,データ送受信量あたりの金額はDoPaのほうがかなり割高です。ダウンロードのような,接続時間中ずっとデータが流れ続けるような用途には,DoPaはあまり向きません。
(坪山博貴)