PCカードの大容量フラッシュメモリカードを持っています。そこで,それからノートPCをブートさせることって可能なのです?
ATAフラッシュカードから起動できるかどうかはPCに依存します。したがって使用しているPCが対応していれば起動できるということになるでしょう。現在では一般的ではなくなってしまいましたが,ノートPCの一部ではPCカードスロットで使用できるPCカードのうち,ATA規格の製品,つまりHDDカード,フラッシュメモリカードのみを特別扱いしてHDDなどと同様にBIOSから認識することが可能になっているものがあります。もちろんそれらはOSの起動も可能になっており,例えばIBM PC110という小型ノートPCは内蔵HDDを持たず,HDDカード,フラッシュメモリカードからOSを起動することが可能でした。また特殊な例ではありますが日本ヒューレット・パッカードのOMNI BOOKの一部にも標準でHDDカードを備え,ここからOSを起動して使用する製品がありました。
これがWindows 95の時代になると一般的に使用されるOSが必要とする容量がとても大きくなり,2.5インチHDDの薄型化なども進んだことから,HDDカード,フラッシュメモリカードからOSを起動するノートPCはほとんどなくなってしまいました。同様の事情でPCカードスロットから起動する機能も搭載されなくなりつつあります。
手持ちのノートPCがPCカードからの起動をサポートしているかどうかはBIOS設定などで確認するしかないでしょう。ちなみに筆者の手元のIBM ThinkPad 600ではブートドライブとして「PCMCIA」が存在しますが,デルコンピュータのInspiron7500では項目が存在しませんでした。日本IBMのThinkPadの一部はまだサポートしていますが,最近のノートPCではPCカードからの起動をサポートしていないほうが普通と思ったほうがいいでしょう。
(坪山博貴)
PCカードからブートが可能な「ThinkPad 600」