CPU&マザーボードのほか,ケースなどのパーツを集めて自作マシンを組み立てたのですが,電源をオンにした後の騒音が気になります。この音の原因と対処方法を教えてください。
PCの構成によって騒音の原因も異なりますし,どのような音がするのかが分からないと,騒音の原因を特定することはできません。しかし,騒音の原因としてまず考えられるのは,ファン関係です。真っ先に疑うべき個所は電源。大型のファンが付いているため,内蔵モーターの音でもかなり気になる音を発する場合があります。ゴミがたまっていたりすると騒音の基になりがちです。そのほか,ケースファンやCPUクーラー,マザーボード上に備え付けられたチップセットのファン,さらにPCIで増設したビデオカード上のファンを疑ってみてはいかがでしょうか。
CPUクーラーの場合,冷却効率が高く,静音性に優れたファンが付いたものに交換するといいでしょう。ただし,マザーボードによっては,交換したCPUクーラーが基板上のパーツに干渉する場合があるので,あらかじめ仕様を調べておく必要があります。また,ファンのみを交換する方法もあります。モーターに流体軸受けを使っているもののほうが,ボールベアリングを使っているものよりも静かだといわれています。また,ノイズレベルが記載されていれば,それを参考に購入すると確実です。
電源ファンやケースの排熱ファンのほかに意外と盲点なのが,チップセットの放熱用ファンや,ビデオカードに取り付けられたファンなどです。とくにチップセット用ファンは,静音について考えられていないものが多く,最も大きな騒音を発している場合が多いようです。これらも流体軸受けを使った製品に交換するとよいでしょう。さらにケースの排気部分にあるフィンガーガードを取り外すと,ファンの風を切る音が軽減されることもあります。
また,ファンやHDDの振動が,ケースに共振してビリビリといった音を出すことがあります。立て付けの悪いケースではとくにこのような現象がよく見られます。マザーボードやHDDのねじ留めをしっかりしても改善されない場合は,静音設計のケースに交換するか,ケース内部に振動を抑えるためのゴムなどを貼るのも一つの方法です。
しかし,このような静音処理は得てして排熱効率の低下につながってしまうこともあるので注意が必要です。熱がこもることによる熱暴走を防ぐため,排熱効率を考えながら対策を進めるようにしてください。
(吉村剛彦)
TaiSol製のmPGA478用CPUクーラー「CEP409151A」は,ボールベアリングを使ったモーターを使用しているが,ノイズレベルが36.5dBと比較的低く,静音性に優れているが必ずしも音が消えるわけではないので注意。
発売元:Tai Sol(http://www.taisol.com/)
実勢価格は4000円程度
ケース内部の振動を少しでも抑えたいなら防振/絶縁ワッシャー「WSIR-06」が効果的だ。
発売元:ワールドインポートジャパン(http://www.wij-inc.co.jp/)。
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