リコールって何?

一部のCrusoeマシンがリコールされているそうですが,リコールって何ですか?


NEC LaVie MX,LaVie Gに搭載されたCrusoeのロット不良の問題で話題になった「リコール」。このリコールとは簡単にいえば,販売後不具合が確認された商品をメーカーが回収,改善することを示します。もちろん一般的にいわれるリコールは,不具合が構造的欠陥であったり,製造上の問題で大量の製品に不具合が発生した場合などであり,単にパーツなどに個別に不良が発生した製品の修理はこれに該当しません。
リコール制度は自動車で昭和44年に開始されています。これは自動車の場合,構造的欠陥や製造上で発生した不具合が即人命にかかわることも多いためであり,PCの場合とはやや趣が異なります。自動車の場合,構造的欠陥などが見つかり,改善を施す場合は運輸大臣に対して届出が義務付けられており,情報はインターネット上などでも開示されています。
Crusoe搭載製品のリコールが話題になったのは,製品が目新しいからといえます。決して対象となる数は多くはありませんでしたが(NEC LaVie MXではリコール対象は284台),メーカーとしてもリコールの原因と対象となる製品をはっきりさせる(製造や販売時期,製造番号など)ことで,リコール対象と同製品でも実際にはリコール対象ではない製品を持つユーザーに安心感を与える意味や,新たに購入する製品に関してはすでに改善済みであることを提示する意味がありました。リコール対象となる製品を隠蔽し,単なる修理として改善を行ういわゆる「リコール隠し」が発覚することで,メーカーに与えるダメージが大きいのは先の三菱自動車の事件で証明されており,この事件が与えた影響も大きいようです。PCの場合,不具合が人命などに直結する可能性は低いのですが,積極的にリコール情報を公開する流れになりつつあります。これは消費者にとってはうれしいことではないでしょうか。
(坪山博貴)