CPUのステッピングとは何ですか? どこを見れば分かりますか?
CPUの性能は,日進月歩で向上しています。同じクロックで動作するCPUでも,仕様が変更されていることがあり,この仕様のことをステッピングといいます。アプリケーションにたとえるとバージョンのようなものですが,ステッピングの変更はオーバークロッカーにとっては,しばしば注目の的となります。
ステッピングの変更は,より高クロックのCPUが製造されるときに行われることが多いようです。このとき,高クロック製品だけでなく従来製品に対しても行われます。上位のCPUと同じステッピングを使用していれば,オーバークロック耐性の向上へ期待が膨らむのです。しかし,そう簡単にはオーバークロックできないのが現状です。なぜなら,より高クロックで動作するCPUは,メーカー側できちんと選別されているからです。当然のことですが,オーバークロックはあくまでも自己責任で行うことを注意してください。
また,ステッピングの変更で注意が必要なのは,搭載するマザーボードが対応している必要があることです。ステッピングの変更により,CPU IDと呼ばれるCPUの仕様を判別するコードも変更されます。新しいステッピングのCPUが使えない場合は,BIOSのアップデートなどが必要になってきます。
では,どのようにしてCPUのステッピングを判別するのでしょうか? ここでは,インテルのCPUを例にとって説明します。インテルのWebサイトでは,各CPUのステッピングについての資料が用意されており,CPUの「S-Spec」という記号と照らし合わせることで,ステッピングを判別できます。以下に判別方法をまとめましたので参考にしてください。
@CPUのシリアル番号の右から5桁がS-Specになります(写真1)。リテールパッケージでは,箱の脇にあるシールの「PROD.CODE」からも調べられます(写真2)。写真の例では,S-Specは「SL463」になります。
Aインテルのサイトにアクセスします(画面3)。PentiumVのステッピング一覧は以下のURLです。
http://support.intel.com/support/processors/sspec/p3p.htm
ちなみに,Celeronのステッピング一覧は以下のURLです。
http://support.intel.com/support/processors/sspec/icp.htm
B @で調べたCPUのS-Specからステッ ピングを判別します。表の「Stepping」という項目がステッピングになります。S-Specが「SL463」のステッピングは,「cB0」ステッピングになります。ちなみに,このステッピングは,1GHzまで使われていることが表から読み取れます(画面4)。
(赤坂賢太郎)
写真1 CPUのシリアル番号はコア下のラベル部分に貼ってある。S-Specは一番下の段に記述されている
写真2 このように,リテールパッケージの箱からもS-Specを判別できる
画面3 インテルのサイトにアクセスしたところ。今までに発売された製品のステッピングが分かるようになっている
画面4 S-Specからステッピングが「cB0」と判明したところ。同じステッピングは,1GHzまで存在する