UDFって何ですか?

DVD-RAMなどで採用されているUDFとは,どういうものなのでしょうか。また,Windows 98/95などでの取り扱いはどうなっているのでしょうか。


UDFは「Universal Disk Format」の略で,DVD-RAMなどの大容量リムーバブルストレージ用に規定された標準ディスクフォーマットの呼称です。もともとはMO用として作られたものをベースにしていますが,ロングファイルネームや大容量ディスクへの対応など,これまでのファイルシステムの欠点のほとんどをカバーしています。
 米国の光ディスク業界団体OSTA(Optical Storage Technology Association)により標準化され,今日ではDVDをはじめCD-R/RWなどでも採用されて,次世代OSの多くが対応を表明しています。2000年代初頭には,リムーバブルストレージの標準的フォーマットとなることは間違いないでしょう。現時点でもWindows 98,Mac OS 8.1などは,標準でUDF形式のディスクを取り扱うことができます。
 UDFは初めDVD用としてVer.1.02が公開され,ほどなくこれにCD-R/RWの取り扱いを加えたVer.1.5が登場しました。OSやドライバにより対応バージョンはさまざまで,Windows 98,Mac OS 8.1が対応しているのは現在のところVer.1.02までです。先日Ver.2.0のドラフトが出たので,順次切り替わるものと思われます。Ver.1.02→1.5→2.0はそれぞれ上位互換となっているため,Ver.1.5に対応しているOSなら,Ver.1.02のディスクも取り扱えます。
 なお,Windows 98に標準で用意されているUDFのドライバは読み込みにしか対応しておらず,Windows 95では読み書きともに未対応のため,書き込むには別途書き込みも可能なUDFドライバと,UDF用のフォーマッタが必要です。これらは通常,DVD-RAMドライブのパッケージに添付されています。最近ではDVD-RAMドライブもバルク品が出回るようになりましたが,こうした製品を購入する場合,ドライバが添付されていることを確認してから購入しないと,UDFでの書き込みはできず,読み込みにしか使えません(一応,FATでフォーマットして使うことはできます)。価格の安いものを購入する場合には気をつけてください。
 一方のCD-R/RWのパケットライトソフトはUDFに準拠したものが大勢を占めるようになってきていますが,互換レベルは製品によってまちまちです。
 例えばCeQuadratのPacketCD(国内未発売)はVer.1.02互換となっているため,Windows 98標準のUDFリーダーでも読み出せますが,アダプテックのDirectCD2.0はVer.1.5互換で,読み書きともに専用のドライバ/ソフトが必要です。もっとも,本来CD-R/RWで許容されるのはVer.1.5ですし,こうした状況は過渡的なもので,OS側の対応が進めば解消されると思われます。
(菊地 潤)