パソコン関係のパーツの値段が下がらない理由として,「歩留まりが悪い」などといいますが,この「歩留まり」とは何のことですか。
「歩留まり」とは,原料を加工して製品として残ったものの,原料に対する割合のことを指します。つまり,ある一定の材料からどのくらい製品が作れたか,ということです。
「歩留まりが悪い」ということは「製品の不良率が高い」のと同じです。部品の再利用や修理が可能な製品なら,まだその工数分の原価が上乗せされるだけですが,再生のできないICなどでは「歩留まり」はそのまま生産コストとなってしまいます。
歩留まりが悪かったためになかなか値下がりしなかった製品としては,初期のTFT液晶などが代表的です。液晶の不良画素がある程度以上あると,そのままそのパネルを破棄していたので,それが原価に跳ね返っていたのです。
(吹田智章)