strace(1M)
strace --
ストリームトレースメッセージ出力
形式
strace [mid sid level] ...
機能説明
strace は引き数を付けない場合、すべてのドライバとモジュールからのすべてのストリームイベントトレースメッセージを標準出力に書き込みます。これらのメッセージはストリームログドライバ(log(7))から得られます。引き数を指定されている場合には、引き数は mid、sid、level の 3 組の形式でなければなりません。ここで mid はストリームモジュールの ID 番号、sid は副 ID 番号および level はトレース優先レベルです。3 組のそれぞれはトレースメッセージを、既知のモジュール/ドライバ、副 ID 番号(通常は副装置を示している)および既知のレベル以下の優先レベルから受け取ることを示しています。トークン``all''はどのメンバについても使用することができ、属性に制限のないことを示します。
トレースメッセージの書式を次に示します。
<seq> <time> <ticks> <level> <flags> <mid> <sid> <text>
- seq
-
トレースシーケンス番号
- time
-
hh:mm:ss で表示される時間
- ticks
-
ティック単位で表示されるブート以降の時間
- level
-
トレース優先レベル
- flags
-
- E
-
メッセージはエラーログにもあります。
- F
-
致命的エラーであることを示します。
- N
-
メールがシステム管理者に送出されます。
- mid
-
送信元のモジュール ID 番号
- sid
-
送信元の副 ID 番号
- text
-
トレースメッセージの書式化されたテキスト
strace は、起動されると、ユーザによって終了させるまで実行を続けます。
使用例
モジュール ID が 41 であるモジュールまたはドライバから、すべてのトレースメッセージを出力します。
strace 41 all all
副 ID が 0、1 または 2 を持つドライバ/モジュール ID 41 からのトレースメッセージを出力します。
strace 41 0 1 41 1 1 41 2 0
副 ID 0 および 1 からのメッセージのトレースレベルは 1 以下でなければなりません。副 ID 2 からのメッセージのトレースレベルは 0 でなければなりません。
関連項目
log(7)
注意
性能上の考慮から、ストリームログドライバをオープンすることができる strace プロセスは 1 つだけです。ログドライバはコマンド呼び出しで指定された 3 個組のリストを持ち、それぞれが元来持っているトレースメッセージをこのリストと比較してそのメッセージを書式化して strace プロセスに送るべきかを決定します。したがって、3 組のリストが長いと、全体的なストリーム性能に大きく影響が及ぶようになります。strace を実行することが、その strace プロセスに送られるトレースメッセージを作成するモジュールとドライバのタイミングに対し最も大きな影響力があります。トレースメッセージが strace プロセスの扱えるよりも速く作成される場合、メッセージのいくつかは失われることになります。この場合、出力されたトレースメッセージのシーケンス番号を調べることにより判定することができます。
SCO UnixWare Forum Beta Release (BL12) -- September 1997
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