idoptimize(1M)


idoptimize -- 作業負荷に基づくカーネルの最適化

形式

 
   idoptimize -s [module]... 
   idoptimize -l [module]... 
   idoptimize -c [module]...
   idoptimize -g [-m] [module]... 
   idoptimize -L [module]...
   idoptimize -C [clobber] 
   idoptimize -u 

機能説明

idoptimize では、fur(1)で提供されるテクノロジを使ってテストデータが収集され、このデータが分析され、システムの特定の作業負荷に合わせて高速で実行できるようにカーネルコードが再配置されます。

idoptimize には、7 種類の形式があります。最初の 5 つは、ほとんどのユーザがカーネルを最適化するときに使う手順を表します。最後の 2 つは、便利なユーティリティコールです。

このコマンドのうち、モジュールリストを使うバージョンでは、省略時に現在実行中のカーネルにロードするモジュールのリストを使います。通常、どのバージョンも引き数を与える必要はありません。

ステップ 1: idoptimize -s
この省略可能なステップでは、システム上の一部のロード可能モジュールを静的モジュールにします。使おうとするモジュールがすべて静的であれば、カーネルを最適化するには fur の方が適しています。

ステップ 2: idoptimize -l
このステップでは、次回のリブート時にデータがログ採取されるように、システムにカーネルを再構築するように指示します。このステップを完了したら、システムをリブートしてください。ロギングカーネルはきわめて低速です。

ステップ 3: idoptimize -c
このステップでは、実行中のカーネル内のログを消去します。このステップは、ログ採取用に設定した(ステップ 2)カーネル上で実行されます。試験的なロードを実行する前に、ログを消去する必要があります。

ステップ 4: idoptimize -g
このステップでは、実行中のカーネルからログを取得して分析します。このステップは、テストが完了した後で実行する必要があります。各テストの前にログを消去し、テストを実行して、その都度 idoptimize -g-m オプションを追加すると、何度でもテストを実行できます。

ステップ 5: idoptimize -L
このステップでは、次回の再構築時にロギングカーネルを作成しないように、システムに対して指示します。このステップの後にシステムをリブートすると、起動後にカーネルが最適化されます。
-C オプションを使うと、idoptimize を使った後に残っているファイルを削除して、ディスク領域を節約できます。このオプションを指定すると有効な情報は失われますが、カーネルは idoptimize -s の効果を除いて元の状態に戻ります。

-u オプションを指定すると、idoptimize -s の効果がアンドゥされます。

診断

存在しないモジュールを指定すると、idoptimize は異常終了します。ログ採取用に構築されていないカーネルに対して -c または -g を指定した場合も、idoptimize は異常終了します。

関連項目

fur(1), idbuild(1M)
SCO UnixWare Forum Beta Release (BL12) -- September 1997
© 1997 The Santa Cruz Operation, Inc. All rights reserved.