rc2(1M)
rc2 --
マルチユーザ環境用コマンドの実行
形式
/sbin/rc2
機能説明
このファイルは /etc/inittab のエントリを介して実行され、システムを初期化して使用可能状態にします。(通常は、これは状態 2 で、「マルチユーザ」状態と呼ばれます。)
rc2 が行うアクションは、ディレクトリ /etc/rc.d 内のファイルや /etc/rc2.d 内の``S''で始まるファイルに書き込まれています。これらのファイルは、/usr/bin/sh により ASCII ソートシーケンス順で実行されます。システムがマルチユーザ環境に移行したときに初期化を必要とするような機能が追加された場合には、適切なファイルが /etc/rc2.d に追加されます。
rc2 コマンドで実行され、/etc/rc2.d ファイルに関連する機能には下記のものがあります。
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TIMEZONE 変数の設定とエクスポート
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ユーザ(/usr)ファイルシステムのセットアップとマウント
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/tmp ディレクトリおよび /var/tmp ディレクトリのクリーンアップ(再作成)
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ネットワークインタフェースとプログラムデータを持つポートカードのロードおよび関連プロセスの開始
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/usr/sbin/cron 実行による cron デーモンの開始
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uucp ロックステータスと /var/spool/uucp ディレクトリ内の一時ファイルのクリーンアップ(削除)
必要に応じて他の機能を追加すると、ハードウェアおよびソフトウェアの追加機能に対応できます。
ファイル
- /etc/rc.d
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- /etc/rc2.d
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使用法
下記に、/etc/rc.d 内のファイルに関するヒントをいくつか示します。
重要なのはファイルの実行順序です。ファイルは ASCII のソートシーケンス順で実行されるので、ファイル名の第 1 文字をシーケンスインディケータに使うと、正しい順序を保つことができます。したがって、次の文字で始まるファイルは下記の順序で実行されます。
- [0-9]
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最初
- [A-Z]
-
前半
- [a-n]
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後半
- [o-z]
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最後
ドット(.)で始まる /etc/rc.d 内のファイルは実行されません。この機能は、そのときに実行しないファイルを削除することなく、実行から隠すことができます。このコマンドを使用できるのは、特権ユーザだけです。
/etc/rc2.d 内のファイルは``S''または``K''で始まり、その後に数字と残りのファイル名が続くファイルでなければなりません。実行レベル 2 を入力すると、``S''始まるファイルが start オプションで実行されます。``K''で始まるファイルは stop オプションで実行されます。他の文字で始まるファイルは無視されます。
使用例
/etc/rc2.d 内にあるプロトタイプのファイルを下記に示します。実際のインストレーションでは、これらのファイルの先頭には、``S''とファイルの実行順を示す番号がつけられています。
- MOUNTFILESYS
-
# Set up and mount filesystems
cd /
/sbin/mountall /etc/fstab
- RMTMPFILES
-
# clean up /tmp
rm -rf /tmp
mkdir -m /tmp
chmod 1777 /tmp
chgrp bin /tmp
chown bin /tmp
- uucp
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# clean-up uucp locks, status, and temporary files
rm -rf /usr/spool/locks/*
ファイル /etc/TIMEZONE はすでに rc2 に含まれているので、その後に続くコマンドすべてに対して省略時のタイムゾーンが設定されます。
関連項目
inittab(4),
shutdown(1M)
SCO UnixWare Forum Beta Release (BL12) -- September 1997
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