
あとがきにかえて
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ども、neotenyDesign の ntny です。
そんなこんなで本を出す事になりました。
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僕がローポリモデリングをはじめたのが(ファイルのタイムスタンプによると)2004年4月。
FlightUNIT に勤務するようになったのは2005年の2月からなので、実質ローポリ暦は 4 年ということになります。
これが長いのか短いのかは解りませんが、世の中に沢山居るはずの凄腕ローポリ屋を差し置いて自分が本書を執筆するチャンスを得られたのは
単純な幸運に加えて、日々の個人活動の成果でもあると思いたいところです。
仕事の方も既にローポリ制作からムービー用モデル制作にシフトしており(これは自分で望んだ事)、
「ローポリ屋として1つの区切りをつける」という目的の為に仕事の合間を縫って執筆しました。
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ローポリはよく「テクスチャが描けないとダメ」と言われます。
実際仕事になるとその通りなのですが、僕の目には未だに トバルナンバーワン や 戦国TURB のポリゴンは魅力的に見えます。
本書でも書きましたが、必要に迫られてローポリにせざるを得なかった時代はもう過ぎ去ったのだと思います。
これからの時代、携帯ゲーム機の性能もどんどん向上するでしょうし、数年後は現行据え置き機並になっていてもおかしくないです。
しかしだからといってローポリの技術が廃れるとは思っていません。
むしろ時代がそこまで到達した時こそ、表現としてのローポリの可能性を問われると思うのです。
アインシュタインは言いました。
「私は天才などではなく、ただ他人よりも1つのことと長く付き合ってきただけだ」
どの世界も、その道のプロフェッショナルと呼ばれる人間の殆どはそれに当てはまるのではないかと思います。
この業界、僕よりも綺麗で上手なローポリモデルを作る人も沢山居ます。
その上で、僕なりにこの「ゲーム業界」という場所で学んだこと、必要であると思ったことを纏めて一冊の本にしたのが本書なのです。
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正直、文体についてかなり迷いました。
当初は「ですます調」で書いていたのですが「これなんかムカつかね!?オレが書いてるって知ってると尚ムカつかね!?」と思い直し、
担当さんに無理を言って普段ホームページでダラダラと書いている雑記風にさせて貰いました。
面白く書いたつもりですが読んでいてムカついたらすいません。
これが ntny 節だと思ってください。
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ところで ntny って言う表記の読み方を頻繁に問われます。
ntny は エヌティーエヌワイ 以外に読みようが無いと思うのですが、まぁ読みにくいので何か別の呼び方があるのかと推測する気持ちも解ります。
最近は日本語キーボードを当てて みかみん なんて呼ばれたりしてますが、正直何と呼んでもらっても自分の事だと認識できれば返事はします、はい。
ちなみに neoteny を短縮して ntny なので、ネオテニーと呼ぶのが正式なのかもしれませんが、先日社長に「それも呼びにくいわ」と一蹴されました。
僕もそう思います。
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折角なので僕の視点からヘンテコ会社 FlightUNIT を軽く紹介しようと思います。
あ、FlightUNIT も呼び難いと思う人は是非僕のホームページのコメント送信フォームに「呼びにくいわ」と書いて送信してください。
ちなみに僕自身としては敢えて呼びにくいかどうかについては答えませんが、電話応対をするときに 3 割の確立で噛みます。
さておき
入社して 3 年目な僕ですが、未だに FlightUNIT の由来を知りません。
社長に聞いても「ググってヒットしなかったからこれにした」としか返って来ません。(ひどいはなしです)
僕は言葉や名前に意味を見出さないと気がすまない性格で、常に「FlightUNIT」の由来を考えてました。
そんな自分が 3 年勤めて見出した FlightUNIT というデザイナー集団の正体。
それは文字通り、飛翔装置でした。
組み込んだプロジェクトのクォリティレベルを飛躍上昇させる為の「ユニット」、それが FlightUNIT というデザイナー集団なのです。
FlightUNIT は言ってしまえば下請けデザイナー集団ですが、下請けにあるまじき攻撃的な姿勢を持っています。
攻撃的というのは単純に経営・商売としてではなく、その思想に本質があります。
勿論社員が居る以上お金は大事ですが、なによりも面白いことをやりたい。
社長が社員に「こんな仕事あるけどやる〜?」と聞いてくる「下請け会社」はそうそう無いと思います。
逆に、そんなノリだからこそ「面白そうだからやるー!」なんて答えちゃって、ワイワイやれてしまうのです。
そろそろホームページも作ろうかと言っているところなので、これからゲーム業界に入ろうと考えていてスキルに自信がある方はチェックしてみると良いかもしれません。
ローポリでは大先輩の海賊屋さんもおりますよん。
僕はこれからまた別の方向に向かっていこうと考えていますが、FlightUNIT という会社には片足突っ込んだまま動き回るんだろうと思います。
個人活動を認め、サポートまでしてくれるこの会社の居心地は中々良好だったりするんです。
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本書を制作するにあたって、本当に色々な人にサポートしていただきました。
最後になってしまって恐縮ですが、いっちょまえに謝辞なんぞ述べてみたいと思います。
僕に声を掛けてくださり、的確なアドバイスで執筆のサポートをして下さった担当、杉本 氏に。
本当に我侭ばかり言ってすいませんでした…!
忙しいスケジュールを本書の為に調整して下さった 安堂ひろゆき 氏と、仕事中こっそりモーションをつけてくれた 塩柳 氏に。
なにか面白い事やりたいよね!あと美味しいもの食べたいよね!
Metasequoia 本体の収録を快諾してくださった O.Mizuno 氏と、
使用/収録許諾書に甘える形となってしまいましたが、Metasequoia 用のプラグインを収録させて頂いた、Jama、柏木和宏、両氏に。
何時もお世話になっております!
そして友人達。
ゲーム仕様周りで色々とチャチャを入れてくれたhheaven、かにひら両氏に。
音楽方面で相談させて貰った与作、土屋暁両氏に。
本当に有難うございました!
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そして読者の方へ。
ハラの底から「やりたい事」がある人は何時の時代でも強いものです。
願わくば、本書が貴方の「やりたい事」をサポートできることを祈っております。
2008.0701. ntny




