オーストラリアのパーシー・セルティーコーチとハ 
ーブ・エリオットのコーチと選手のペアーは観衆の 
注目の的でした。セルティーは、自然食品を中心に 
した厳しい食事制限と、競技場のトラックではなく 
深い砂丘を走らせる特別なトレーニングで選手を育 
てることで有名でした。しかし、1952年のロンド 
ン大会で、彼の最初の教え子が後ろのランナーとの 
距離を知ろうと振り返ったために、破れてしまうハ 
プニングがあったのです。セルティーにとっての悪 
夢は、同じような悲劇を繰り返すランナーがまた出 
てしまうのではないかということでした。そこで、 
エリオットはたとえ20mリードしていても、決して 
振り返らないとセルティーに誓います。そして、そ 
の約束通り、エリオットは走り、22歳までに1500m 
で3秒近くも世界記録を更新。生涯、公式レースで 
破れることはありませんでした。 
南米シュリナムのウイム・エッサジャスは、
800m走の選手として4年間トレーニングを受 
けましたが、大会当日寝坊したために結局 
出場できないままに終わってしまいました。 
アメリカの棒高跳び選手ドン・ブラッグ氏は、映画で
ターザンを演じたいと思いました。そこで、ニュージ 
ャージーにある彼の自宅の裏庭の木を使って飛び移る 
練習を始めました。ターザンを演じることに夢中だっ 
たあまり、ロシアの競争相手であったブラディマル・ 
ブラトフが家に訪ねてきた時でさえ、乗り気ではなか 
った彼にも、飛び移りをトライさせました。