オリンピックでは本命あるいは期待の星として現れた選手
が注目を集め、これまでにC.ルイス、M.スピッツ、F.G.ジ 
ョイナーなどのスターを生み出してきました。中には、P. 
スネル、A.オルター、A.ビキラのように無名の選手が伝説 
的なスターになるケースもありました。今日、世界的にス 
ポーツ界は複雑化してきており、オリンピックのスター選 
手を予測することは出来たとしても、スーパースターを一 
人選ぶというのは至難の技で、大会終了後といえども困難 
であるといわれています。スターは人によって違うもので、
まさに十人十色。アトランタ・オリンピックでのスター選 
手を強いて挙げるとすれば、エチオピア長距離走の第一人 
者H.ガブレゼラジー、オーストラリアの水泳選手K.パーキ 
ンス、そしてアメリカ体操界期待の星で、十代のD.モセア 
ヌ。ベテラン勢だとイギリスの短距離走者L.クリスティー、
ソ連崩壊後の祖国白ロシア代表として出場する体操のV.シ 
ュシェルコ、そして、男子短距離走のM.ジョンソン、走り 
幅跳びのJ.J.カーシーら米国勢に期待がかかります。 
ところでみなさんは誰がアトランタ五輪のスーパースター 
になるとお考えですか。この人という選手がいれば教えて 
ください。 


第一回大会が開かれてから100年。この「センテニアル(百周年記念大会)」を
ある一人の人の洞察力と決断力に捧げるとすれば、その人は、フランスのP.クー 
ベルタン男爵をおいて他にいないでしょう。クーベルタン男爵の提案で1894年に 
国際オリンピック委員会が設立され、近代オリンピック実現への第一歩が踏み出 
されました。当初はオリンピックの成功を疑問視する声もありました。戦争の荒 
波に2度ものまれました。大恐慌や冷戦など様々な逆境にも耐えました。そして、 
今日にいたるのです。商業主義の肥大化やプロへの門戸を開くという五輪オープ 
ン化まではクーベルタン男爵でさえ予測出来なかったにせよ、彼が持っていたヴ 
ィジョンの真髄は今もオリンピックに息ずいています。スポーツを通じて世界の 
人々の友好と国際親善に貢献することが、これまで以上に重要だと考えられてい 
るのです。