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■収納品注釈
塩酸モルヒネ
モルヒネはアヘンの主アルカロイドで、約10%以上の含有量で存在する。結晶水を持ったモル 
ヒネは、針状または柱状で、110℃で結晶水を失って不透明となり、230℃で溶融し、紫色 
に変わった後、炭化する。モルヒネのフェノール性水酸基をメ チル化したものはコデインで、 
そのリン酸塩、塩酸塩を、麻酔鎮痛剤として使用する。皮下注射後、数分で作用が現れ、半時間 
で極点に達し、数時間後に衰え、約半日後まったく消失する。モルヒネは疼痛(とうつう)、苦 
痛感をまひするため、催眠の効があり、呼吸鎮静、せき止め作用、また腸の蠕動(ぜんどう)、 
胃の運動を静止して止瀉(としゃ)の効を奏する。しかし鎮静作用と同時に、不快な感覚を忘れ 
させ、快感を起こし、習慣性があるため、常用すると慢性中毒の原因となる。中止すると禁断現 
象を生じるモルヒネは麻薬に指定され、医師の許可がないかぎり購入できない。