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人工血管
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1958年以来名古屋大学の橋本義雄、神谷喜作らの協力のもとに、中尾善宜が多年にわたる、
ろ布製造技術を生かして、開発に成功した移植用の人工動脈である。すでに1、000例以上の
手術が行われて好成績をあげている。材料にはポリエステル繊維、テトラフロルエチレン繊維を
使用して、継ぎ目なしに可撓性(かとうせい)の管状に織布したもので ある。これを加熱して、
ひだをつけた後、テフロンコーティングを施して、撥水性(はっすいせい)をもたせ、織り目か
らの血液の漏れを防ぐ。さらにテフロンがきわめて組織反応の少ない物質であることから、血小
板の粘着を阻止し、血栓形成(けっせんけいせい)の予防にも役立っている。
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