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米(ジャポニカ・ライス、インディカ・ライス、もち米)
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米は麦とともに世界の主要農産物である。その約90%はアジア諸国で生産される。米は稲の子
実を脱穀、精米したもの。日本における米作の起源は、紀元前1世紀(弥生(やよい)式文化時
代)にさかのぼる。世界の総生産高(1968年)は2億8、400万t(もみ米にて)、日本
は1、880万tあり、国内消費量を上回るに至っている。稲の品種は、大別してインド型と日
本型があり、病気や虫に対する抵抗性、および肥料の吸収力はインド型が強く、肥料を多量に施
して米の収量を多くする力は、日本型の方が強い。粒形は、インド型は長大のものが多いが、日
本型のものは、ほとんど短く丸みを帯びている。その長さは、約4.5〜5.5mm、長さと幅の
比は1.6〜1.8である。インド型のその比は1.9以上ある。日本型は、日本をはじめ、朝鮮、
台湾、中国の華北、エジプト、アメリカ、ヨーロッパの各地で、インド型は、インドから中国中
央部に至る東南アジアで栽培される。精白した米の主成分はでんぷんとタンパク質。うるち米の
タンパク質は、もち米に比して硫黄、窒素の含有量が多い。またアルギニン、リジンも、うるち
米に多い。ヒスチジン、シスチンはもち米に多い。またでんぷんに関しては、アミロペクチンは
もち米に多く、アミロースは少ない。粘度はもち米が強い。うるち米は日本では約95%が主食
として用いら れる。残りは醸造用(米こうじ、日本酒、みりん、白酒、酢、みそ、しょうゆ)、
その他の加工食品に使われる。もち米はもちとして食するほか、せんべい、その他菓子に加工さ
れる。なお米のでんぷんは洗たく用、つや付けに使われ、精米の時にできた糠(ぬか)は、飼料
にされるほか、採油され、食用油、せっけん材料にもなる。発芽の最適温度は30〜35℃、最
低は10〜12℃、最高は40℃である。
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