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避妊用具
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1798年、人類の幸福と繁栄のためには人口と食糧の均衡が必要であり、このため人口増加の
抑制が唱えられた。しかし性交自体の制限は実行困難なんで、その後、受胎予防措置(予防性交
)が提唱され、各種の避妊方法が考えられた。避妊方法には、永久的に不妊状態にする精管結紮
(せいかんけつさつ)術、卵管結紮術があるが、日本では優生保護法 (1949年制定)で
規制されている。避妊用具は一時的避妊の目的のために用いられるもので、勃起(ぼっき)した
陰茎にかぶせて、精子の膣(ちつ)内進入を防ぐためのもので、合成ゴム製の薄くて細長い袋状
をした〈コンドーム〉、性交前、膣内に装着し、射精された精液が子宮口の方へ上昇するのを防
ぐためのもので、弾力性の金属環にゴム膜をはった〈ペッサリー〉、子宮内に異物(金属製や合
成樹脂製)をそう入しておくと避妊の目的が達成されるということから開発された〈避妊リング
〉、膣に用いるゼリー状をした避妊薬(殺精子剤)を、性交前、特定の注入器で膣内に注入した
り、ペッサリー、コンドームと併用する〈ゼリー〉、などがある。日本では、まだ一般には許可
されていないもので、合成黄体ホルモンおよび卵胞ホルモンを主成分にした排卵抑制剤の〈経口
避妊薬〉もある。また排卵期およびその一定期間前に禁欲ないし予防性交を行う荻野(おぎの)
式避妊法により確実にするために、基礎体温曲線より排卵期を知るために用いる、専用の〈婦人
体温計〉もある。
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