Panasonic Pavilion
保存技術

イントロダクション

 ■イントロダクション
 ●収納に関する技術
 ●殺菌や防じんなどの処理
 ●収納ふんい気および収納方法
 ●収納、保存の基本姿勢
 ●個々の収納品に対する処理
 ●記録写真



BOTTOM
 現物主義を基調に選ばれた収納品は、材質の面からみても多種多様であるが、それ 
らの長年月の間の劣化や分解が加速劣化試験法で検討された。その結果に基づいてそ 
れぞれの物品を残す目的――機能を優先すべきか、形だけでよいか――などを考慮し 
て処置した。 
 すべての収納品は、加熱殺菌、エチレンオキサイドによるガス殺菌、放射線殺菌の 
3種の方法を使い分けて、殺菌処理を施して収納した。 
 本体(容器)内のふんい気は、全般的には乾燥アルゴンにしたが、写真フィルム、 
漆器、種子類など特別のものは、それぞれ必要とする相対湿度に調整し、密閉型の内 
箱や石英管などに納めている。その他、粉末、塩化ビニル、硫黄製品などのように散 
逸したり、材質の変化が他の物品に影響を及ぼす恐れのあるものも、一つずつ石英管 
やステンレス小箱に別に密封するなどの方法を講じている。さらに、同じような性質 
の物品はなるべく同一の個所に集めて、29個のステンレス鋼板製の内箱に分割収納 
し、そのうち上述の漆器などのように、特殊なふんい気を要する物品を入れた3個は 
溶接で密閉している。 
 映画フィルムの収納は、金調色という長期保存技術の確立で実現し、レコードも金 
電鋳により形、機能の両方とも残すことができた。磁気テープについては、ベースが 
ポリエステル、厚さ50μの厚手のものが採用され、これも長期保存の可能性が実証 
されている。 
 そのほか、放射性プルトニウム(Pu239)から放射されるヘリウムを捕らえて 
5、000年の時を刻むプルトニウム原子時計も考慮され、収納した。また、マイク 
ロブック化、シリコン板への微細食刻、ステンレス鋼板への文字食刻も行われ、〈日 
本現代風俗絵巻〉に使われた手すきのがんぴ紙と新岩絵の具、「収納品総目録」に採 
用された高圧ケーブル用超絶縁紙、児童画の複製に応用されたダイ・トランスファー 
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法カラー写真なども保存技術の探究によって開発、実施された技術成果の1例である。 


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