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――収納物のなかで、残念ながらあきらめたものや、あれこそ入れたらよかった、といったもの
がありますか。
岡崎 蚊とハエ、それに微生物以外の動物の実物は入れられなかった。また皮革類は、なめし加
工すれば大丈夫という意見と、いや保存はだめだという意見が対立して、収納するかどうか最後
まで決まらなかったものの一つです。だが、今世紀はカバン、ハンドバッグなど皮革製品を大量
に使う最後の時代だ、という意見が出て、ついに収納することに踏切りました。他の収納物への
影響を考えて、小箱に密封したんです。蚊とハエもアクリル樹脂加工して入れたのですが、専門
家に相談にいったら、いろいろな種類をあれも入れろ、これは入れるべきだ、とやたらに数がふ
えて困りました(笑い)。酒もインスタント・ラーメンもあきらめた。食品類は一切なしです。
五千年後の人たちが、試食して病気にでもなられたら気の毒ですから(笑い)。
赤堀 小さな動物を五千年後に生き返らせようというアイデアも出ましたね。たとえば金魚。液
体空気のなかで凍らせて入れたら、五千年後の金魚バチで泳ぐ。だが一定の温度を保つ方法がな
くてあきらめた。
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