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埋設地

埋設の方法

 ■イントロダクション
 ●埋設について
 ●埋設地点
 ●埋設の方法
 ●モニュメント
 ●図面




 タイム・カプセルEXPO’70は、周囲温度の変化をできるだけ少なくするよう 
地中8〜15mの深さに埋設することになった。この深さでは、夏冬にかかわらす、 
17℃±1℃の一定温度が期待されるからである。 
 さて、タイム・カプセルをその深さにどのような構造で埋設するかということが、 
埋設関係の最大の問題であった。井戸形式、すなわち堅固な構築物を地中深くまで建 
造し、その内部にタイム・カプセルを静置する方法も検討された。この方法は、中空 
の場合、5、000年に完全に耐えうる保証のある構築物を作るのがきわめて困難で 
あること、それが不測の事故で破損した場合にはカプセル本体に無用の衝撃が加わる 
こと、などに難点があるので採用されなかった。結局、地中に埋設するならば、むし 
ろ土中に直接埋設されるのに近い構造をとる方が望ましいということになった。地震 
等の外部衝撃も、独立建築物よりはすっと緩和されるからである。この方針にそって 
埋設が実施された。外部よりの影響を考え、まずカプセル本体を埋設管(ステンレス 
製の密閉型円筒形容器)に入れて密封し、さらに保護体(コンクリート構造物)で包 
んで粘土層内に埋設した。埋設管とカプセル本体との間には、直接接触を防ぎ、ショ 
ック緩和の意味も含めて、乾燥した精製けい砂を充填(じゅうてん)してある。また 
埋設管とコンクリート保護体との間は、一種の防水の効果も期待して良質のべントナ 
イトを充填した。コンクリート保護体は3層で各層はショックベトン法、または遠心 
力締め固め法によってコンクリートを用い、継ぎ目には膨張セメントを詰めて、でき 
る限り水分の進入を防ぐ構造にした。ただし、途中開封する上部の第2号カプセルは 
取り扱いの便宜を考えて、埋設管までは同一であるが、コンクリート保護体は簡易化 
した。 
 上、下のタイム・カプセルはおのおの独立的に埋設し、それぞれのコンクリート保 
護体の周囲は、適当な粒度分布をもつ、精選された砂で理め戻した。埋設構造断面図 
(18ページ参照)の一番外側に見えるコンクリート構造物は、穴を掘る際の土止め 
のオーガーパイルであって、一時的なものであり、長年の問に劣化して土に化しても 
差し支えないものである。上下独立構造は、地震等による地殻の変動があった場合の 
強大な土圧に対して一体構造にしておくより有効と考えたからである。なお、地表近 
くには、タイム・カプセルの開封解説書を納めたステンレス製の保存容器を埋めてあ 
る。 


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