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1)物品関係――病原菌および他の収納品に悪影響を及ぼす恐れのあるものは除く。
物品はなるべく小形のもの,サンプル的なものとする。
2)記録物関係――科学技術の各分野の進歩を示す科学史と統計記録をまとめる。
以下に,この分料会で討議された話題をいくつか記述する。
「半導体素子」
最近は工業材料として多く使われており,今後どういう発展をするかわからないが,
現在の水準を示すためにも,解説を付けて小形を残したい。
「純鉄」
単なる鉄ばかりでなく,高純度物質を入れるかどうかということだが,技術の水準を
示すサンプルとして考えれば小さなものでよいから入れたい。
「建築」
標本となると大きすぎるので,建築材料の数と大きさを限定しで図面とかみ合わせ,
現在の住宅の様式を残したい。
「最高記録」
現在,時間の単位としては,かなりのところまで測れるだろうが,家庭の朝のテレビ
では分単位で時間が示されている。また,新幹線は数分遅れると「すみません」と言
うが,数秒遅れてそう言う時代はまだ来ていない。最高記録にばかりこだわっている
と,むしろ,より大事な現実の生活を見失うことにならないだろうか。もっとも,こ
の問題は,社会分野と自然科学分野との間に生じる問題であって,自然科学分野とし
ては最高記録を残すべきだ。
「農業技術」
児島湾の干拓についても数百年前からの記録が現在残っているし,今なら,たとえば
八郎潟干拓の記録などをサンプルとすればよい。農地の改良されていく様子がうまく
示されるし,それに5,000年たっても農産物が食糧の主体であろうから……。農薬,
肥料なども現物のサンプルを取っておきたい。
「総合地図」
産業,人口,交通量その他適当な項目についてそれぞれで何枚かの地図による総合地
図を残したい。国境のことなど相当むずかしい問題もあるが。
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