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![]() 気密構造および溶接 |
■イントロダクション ●本体(容器)の開発 ●形状と大きさ ●材質 ●気密構造および溶接 ●表面仕上げ ●内部区画 ●記録写真 |
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収納品は現物中心に選ばれているので、たとえば、書物や衣類などのように、酸素 炭酸ガスなどによって劣化の進むものが当然多く含まれる。そのため、全体をいった ん真空にした後、アルゴン気体を充填(じゅうてん)することになった。内ぶた、外 ぶたの2重ぶた構造がとられたが、それを密封するには、長年月の保存を考えた密封 方法を追求する必要があった。つまり、本体(容器)の組成は、炭素拡散によるα− 相の発生を、極力防護しようとしたもので、当然、本体(容器)に炭素源を密着させ ることを避けねばならないということになる。通常よく使用される合成樹脂類の密封 用のパッキングは、炭素源になり、といって、金属パッキングも長年月の間の拡散が 粒界腐食の原因になる。加えて、ボルト締めは応力腐食の原因ともなろうし、長年月 の弾性疲労も考えられる。以上のような検討から、密封には、内ぶた、外ぶたとも電 気溶接をもってすることとなった。溶接の技術的な便宜と、後世の開封の便も考え、 溶接部にはフランジを設け、その外周縁に特殊な開先形状を設けた。溶接棒には共金 (ともがね)を使用して鉛直方向溶接を行った。 なお、溶接に際しては、内容物は熱に弱いものが多いことを考慮し、また溶接時の局 所的な加熱によるひずみの発生を極力避けるように十分注意を払う必要があった。そ のため、実物を用いた溶接実験を行い、1回の溶接量とその時間においてどれだけの 距離にどれだけの熱が伝導するか、溶接技術によってどれだけのひずみを避けうるか などの重要な要素を考察して最終の溶接仕様を決定した。そして、内ぶた、外ぶた、 埋設管とも多層溶接を行った。 内ぶたには、排気、吸気用の管を設け、収納品を納めた後、いったん排気し、アルゴ ンガスを充填(じゅうてん)して溶接により密封した。 |
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