1900 Paris

 さて万博会場に案内しましょうかね。コンコルド広場を抜けて、セーヌ河岸へ、ほら巨大なアールヌーヴォー様式のアーチが見えるでしょう。ここが正面入口ですよ。ここからずっとセーヌ河沿いに会場は続きます。
  しばらく行くと、アレキサンドル三世橋がありますね。そこからシャンゼリゼ通りを結ぶところにある、鉄骨作りのグランパレ、プチパレは万博のために新築されたものですよ。 左岸にはナポレオンの遺骸をまつったアンバリッド、世界各国のパビリオンが並びます。
  日本館の美術工芸品も大人気でね。浮世絵や焼物など、ヨーロッパ人に影響を与えてくれて、私もこの間まで低かった鼻がすっかり高くなっちゃった。
  見ものと言えば15世紀頃のパリを再現した大パノラマ館や、科学技術館、トロカデロ近くの7000本のまばゆいばかりのガス灯。衣装館じゃ世界の民族衣装や歴史に残る衣装を着たマネキンが並んでいますよ。
  新し物好きにはなんと言っても自動車館かね。プジョーやルノーなど、量産が始まったばかりの新車でいっぱいだ。なに、会場が広すぎて困るって?心配無用、地下鉄は開通したし、会場一周の観覧電車、動く歩道もありますから。
  まあ万博は、新旧の時代の交差点ですな。ここから私は新世紀の様子が広められ、次の時代が生まれる気がする。それが良い方向に行くように願ってるんですがね。エクスポジション1900は、パリ中を見事にお祭りの日々にしてくれました。