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松下館へは、正面道路から前棟正面入口に架けら
れた橋を渡って入る。前棟はタイム・カプセル
EXPO'70に関する展示場である。入口を入る
と、館内中央にタイムカプセルEXPO'70本体
が置かれ、正面の壁面には埋設状況の模型、左右
の壁面にはグラスファィバーの先端が色変わりし
て光るいくつかの装飾展示物が設置されていた。
階は吹き抜けになっていて、1階、2階、3階、
天井を見上げると、大星雲を思わせるシャンデリ
アと、無数の星のまたたきに似せた特殊照明があ
り、館外の現実とは一変した未来のふんい気を感
じさせていた。エスカレーターで一挙に3階へ昇
ると、どこからともなく響く未来音響。3階正面
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は天と地の融合する水平線から昇る太陽を写した大写真。そして床のタイム・カプセルの
モニュメントがある。回廊の壁面にある、タイム・カプセル開発技術の展示を見ながら
2階へ降りていくと、正面に収納品が陳列されている。収納品は、一部はガラスだなに
納め、一部は壁面にエンドレスの仕掛けで動かせて見せていた。また壁面左右の映写幕
に収納品の映画を写し、音の収納品も、「ボイス・ビション」という特別な装置を作っ
て聞かせていた。回廊のもう一面には、字宙関係の収納品や児童画が飾られていた。
そのまま順路を進むと、前棟を抜けて渡り廊下へ出、窓ごしに竹林と水際の石を眺めなが
ら、後棟の休憩ロビーに至る。後棟は前棟と違って、前面はロビーから窓ガラス越しに外
を見ることがてきる。反対側は、別に仕切られたた数奇屋風のお茶室「万松庵」があり、
希望する人は、茶菓券(100円)を買ってお茶を味わうことができた。
そして後棟を出ると、橋があり、右手には小さな滝が岩をかんで落ちている。ここから深
い竹林の中をうねる100mの道は「5,000年の道」と名付けられ、竹に細工された音響装置
によって、足もとからは季節に合った虫の声、頭上からは島の声を聞くことができた。
松下コンパニオンは総勢70人で、その制服は、松下電器産業(株)の一女子社員の提案を
採用し、純日本調のきものを春用、初夏用、盛夏用と着用した。脱き着が簡単にてき、活
動しやすいよう、きものデザイナー大塚末子が特に工夫したツーピース形式のきものであ
る。全会期中を通じてコンパニオンが和服を着用したのは、これまでの万国博でも初めて
の例であった。<
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