陸上では華麗なスタイルで注目を集めたアメリカのフローレンス・グリフィス・
ジョイナーがスプリント競技で前人未到の快挙を成し遂げました。アメリカ国内 
のオリンピック選考会で、これまでの記録を0.27秒縮めた10.49秒の世界新記録 
を樹立、このソウル大会でも、100mでオリンピック記録を更新、決勝では2位に 
2.5mの差をつけて優勝しました。彼女はさらに、200mの世界記録を2度もぬりか 
え、0.37秒縮めた上に、決勝では2位に3.5mの差をつけて21.34秒で優勝を飾っ 
ています。このほか4×100mリレーでも優勝、3つ目の金メダルを手にし、その 
40分後には国際競技では初めての4×400mリレーにも出場、アメリカチームを銀 
メダルに導きました。眩いばかりの華やかなランニングウエアを身につけていた 
ことでも有名になった彼女は、NBAのインディアナ・ペイサーズのユニフォーム 
デザインを手がけるなど、スポーツウエアデザイナーとしての道を歩んでいます。 

東ドイツのクリスティン・オットーは、この大会の水泳種
目で6つの金メダルを獲得したのです。この6つという金メ 
ダルの獲得数は、女子選手ではオリンピック史上の最高獲 
得数です。また、彼女は唯一3種目(100m背泳、100mバタ 
フライ、50m自由形、100m自由形)で金メダルを手にした 
のです。 

アメリカのグレッグ・ルーゲイニスは美しくそして正確な
飛び込み選手として知られていますが、はね板飛び込みの 
跳躍で踏切板に頭をぶつけるアクシデントで、決勝進出が 
危ぶまれていました。けれども、そうしたアクシデントを 
ものともせず、果敢に決勝に望みました。その結果、 
1984年と同様に跳ね板と高板飛び込みの両方で再び金メダ 
ルを手にしたのです。