アメリカのティーンエイジャー、B.マティアスは、今大会
で陸上競技の史上最年少金メダリストとなり、人々をあっ 
と驚かせました。とういうのも彼が制したのは、オリンピ 
ック競技のなかでも最も体力を要するといわれている十種 
競技だったからです。なかでも驚きだったのは、ボブ少年 
は競技と競技のあいだに昼寝をしていたことです。幼少時 
代から貧血症に悩まされていた彼は、父親の勧めで、短時 
間に睡眠をとる技と牛肉の赤身を食する習慣を身に付けて 
いたのです。 
ロンドン大会で活躍した選手といえばフランスのM.オスターマイヤー。
砲丸投げと円盤投げを制した彼女は、高跳びでも銅メダルを獲得しま 
した。このパワフルな選手は、「手の力」を使って生計をたてていま 
した。といっても彼女からは想像もつかない方法で。実は、プロのピ 
アニストだったのです。 

身長2m13、米国代表バスケットボール選手のB.ク
ーランドは、ロンドン大会では向かうところ敵な 
しのディフェンスぶりを発揮しました。アメリカ 
は難無く、次々と対戦相手を倒し、決勝戦では65 
対21でフランスに圧勝。こんなクーランドにも手 
強い相手がいました。対中国戦でのこと、相手チ 
ームの選手がドリブルを決めてシュート。実は、 
この選手、巨人クーランドの股のあいだを潜り抜 
けていたのです。 


マラソンでふらふらになって先頭でメインスタジ
アムに入ってきたイタリアのD.ピエトリが、大会 
役員に助けられたために失格となる悲劇が起きま 
したが、40年前にもこれと似たようなことがあり 
ました。1908年のロンドン大会、このとき先頭で 
競技場に戻ってきたのはベルギーのE.ゲイリー選 
手でした。意識もうろうとしていたゲイリーは、 
取り替えしのつかないミスを犯してしまったので 
す。彼はなんとトラックを逆走。このロスタイム 
は致命的でした。彼がゴールを決めたときには、 
すでにアルゼンチンのD.カブレッラと英国のT.リ 
チャードに各々、金、銀メダルが決定していたの 
です。