アムステルダム大会では、オリンピックで一番盛り上がりを見
せるといわれる陸上競技に女子が初めて参加し、「リベラルな 
大会」という印象を与えました。「オリンピック史上初」の出 
来事はもう 1つありました。聖火台の火が会期中ずっと灯され 
ていたのです。会場は J.ウィルスが設計した4万人収容のスタ 
ジアム。そのデザインは金賞を受賞しました。オランダのコン 
ソルト王子とヘンドリック王子の宣言で開かれたオープニング 
・セレモニーでは、古代ギリシャで行われていた「オリンピア 
祭典競技」を近代オリンピックとして復活させたフランスのピ 
エール・ド・クーベルタン男爵からのメッセージが読み上げら 
れました。高齢で、当時病の床に伏していたクーベルタン男爵 
の言葉はつぎのようなものでした。「この場をお借りして、皆 
さんに別れの挨拶をさせていただきたいと思います。これまで 
私を支え、40年という長い歳月を私と一緒に歩んできて下さっ 
た方々に深く感謝しています」