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らいちょう
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新旧両大陸の北部の高山地帯で生息する鳥類・ライチョウ科の一種。全長30cm、翼長17〜
19cm、夏羽は背面とのど、胸は黒と茶色の細かい横はんがあり、目の上に赤い小さな肉冠が
ある。秋になると、茶色の羽毛は抜けて白色の羽毛に変わり、冬羽では外側の尾羽とオスの眼先
部に黒色を残すのみで、他は純白になる。また脚は、指の先端まで白色の羽毛に覆われる。日本
では、本州中部の2、400m以上の高山のはいまつ林やお花畑付近にのみ生息する。雌雄1対
または小群で生活し、昼は、はいまつの中や岩陰に潜み、朝夕出歩き、草木の新芽、菜、花、果
実、こん虫などを食べる。巣は地上に窪(くぼ)みを作り、草の葉を敷いた簡単なもので、6〜
7月の繁殖期には5〜10個の卵を産む。留鳥で冬も高山から下りない。氷河時代に、日本まで
南下したものが高山に残留したものと思われる。生息数が非常に少なく、また比較的人間を恐れ
ない習性のため、容易に捕獲され、絶滅の恐れがあるので、天然記念物に指定され保護されてい
る。
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