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生糸
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蚕の繭を90〜100℃の熱湯中で約10分間煮て、繭糸の解離を容易にした後、糸口を数 本
集めて繰り糸し、集結器の小穴を通して1本の生糸とする。繭糸の1本の太さ(繊度)は2〜3
デニール(1デニールは長さ9、000mで重さ1gの糸の太さ)である。生糸は熱の不良導体
で保温性に富むが、繊維の構造上、絹織物は毛織物や綿織物よりは保温性が低い。しかし、絹独
特の柔軟さ、優雅な光沢、絹鳴りなどすぐれた特長を持っている。生糸の世界生産高(1970
年)は約40、000t。日本は第1位で20、500t、2位は中国で10、000tである。
かつて1938年には世界生産高56、400tのうち日本が43、150tを占め、婦人くつ
下の80%を作っていたが、現在は、その95%がナイロンに、他の多くの生糸製品も合繊、化
繊に変わった。しかし、絹織物の高級品としての価値は今も高い。
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