Panasonic Pavilion 20世紀から21世紀へ


--- 21世紀へ2/1

植島:いまもってる最大のテーマは何かというと、なぜコミュニケーション技術だけがこれほど異常に発達したのか。メディアとかコミュニケーションのあり方を否定しているわけではないのですが、ほかの分野と比べてもその異常ぶりに興味があるのです。この50年間あまりで起こったことでさえ、人類の歴史のなかでも大きな変化、その変化の渦中にいると思われているのではあるけれど、これから先どういう方向に向かっているのかわれわれが理解するには、もう2、3百年必要なのかもしれませんね。
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伊藤:意味が発生してくる場をとらえかえしてゆくといった10年前、植島さんがコミュニケーションを定義し直すみたいなことの戦略というか方向性として提示されたことは、こういうネットワーク時代のなかでこそ新しい価値をもっているように思われます。例えば、隠されたシステムを再び俎上にあげる技術とか、いま考えないと、また均質で一元化されたコミュニケーション空間のままで、このネットワーク社会ができあがっていくように思えるのです。
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植島:経験の複数性とか多様性を保障するものとして、メディアのネットワークが機能するような、そういう社会をビジョンとしてつくりあげなければならないでしょうね。いまは、これとこれを結びつければこんな機能がありますとか可能性がありますとかいうよりも、われわれの自由な思考を保障するようなものとして、メディアがはたらきかける社会というのを打ち出していかなければと思うのです。
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伊藤:多元的で全世界的なネットワークの技術を、テクノロジーが出現させてしまいましたが、そういう技術というのは昔からいろんなかたちで、いろんな民族がいろんな場において、身体とか意識とかの問題としてもってきたわけで、そういう技術がまた新しいかたちで蘇っていくというような(新しいプリミティズムでもシャーマニズムでもいいのですが)そうい可能性はどうなのでしょう。



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