オリンピック史上最初の金メダリストは、危うく競技時間に遅
れるところでした。アメリカ人ジェームス・コノリーは休暇を 
認めなかったハーバード大学を退学して、三段跳びに参加する 
ためにアテネに向かいます。長い航海で疲れ果ててアテネに着 
いた彼は、参加する三段跳びがは12日も先に行われると思い 
込んでいました。しかし次の朝、それは大きな勘違いで、もう 
間もなく始まることを知らされます。さらに不運なことに、三 
段跳びは彼が経験したことのない跳び方である2回のホップと 
ジャンプで競われることを、スタジアムに着いてから知るので 
す。しかし、こうしたハンディをものともせず、見事な2回の 
ホップとジャンプで、他の選手に1m以上も差をつけて金メダ 
ルを手にしました。 
スピリドン・ルイスは、ギリシャの田舎でラバが通る遊歩道
や水路沿いを1日7km走るトレーニングを重ねて、史上初のマ 
ラソンチャンピオンに輝きました。8万人のあふれんばかり 
の声援を受けながらスタジアムに入ると、愛国心にあふれる 
ギリシャ皇子と彼の兄弟がロイヤルボックスからルイスの前 
に駆け寄り、最後の一周を一緒に走りました。皇子は望みの 
ものを何でも与えると言いましたが、慎み深いルイスは1頭 
のラバを希望しただけでした。