京人形のおひな様


 江戸時代以前、数百年にわたる都として洗練された文化が花開いた京都では、有職といわれる宮廷の衣装のきまりを受け継いだひな人形づくりが行われてきました。

 いまでは、おひな様の十二単(ひとえ)に新感覚の柄が取り入れられたり、お顔もちょっぴり現代風になったりと変化していますが、京人形ならではの繊細な作りやこだわりはちゃんと継承されています。 雛人形

男びな  たとえば男びなの座りかた、足の組みかたはちょっと変わっています。これは「おがみ足」といって都びとの正式な座りかたとされていたもの。腰の部分には「石帯」と呼ばれる有職にならった細工の帯が施されています。お人形の気品ある表情も京人形ならではのもの。おひな様の十二単で美しい色あわせをみせる衿もとや袖口も一枚一枚ていねいに仕立てて着せつけてあるのです。