IWE'96 Kyoto Pavilion-library




京の人形  作者 京人形師  関原紫水

    私は人形を作るために天から命を与えて頂いたのだと信じています。 なぜなら物心ついた頃から人形以外のおもちゃで遊んだ事がありません。そして三才位のよちよち歩きの頃から母に連れられて歌舞伎や日本舞踊を見に行くのが好きで、四,五才頃に見た美しい舞台や舞姿などは部分的ですが覚えているのがある位です。そして舞台で見た美しい役者の姿を人形に作りたくて七才位からひとりで工夫して千代紙で人形を作り始めていました。
    私は満七十五才を過ぎてつくづく思うのは大病と戦災に会ったおかげで京都に来ることになりました。そして京都の伝統文化と芸能に接しられたおかげで私なりの人形を作れる様になりました。どうぞこの人形で世の中の人々に感動と喜びを与えられる様にと念じながら作っています。