【パラバーティー女神】

・シバ神の妃で、女性美のシンボル。

“彼女の身体は絵筆で描かれたように、開いた睡蓮のように美しく、歩く姿は白鳥のように優雅だった。非のうちどころのない腰は祭壇のように細くくびれ、白い乳房はよく張って互いに押し合い、花より柔らかな2本の腕・・・”(5世紀、詩人カーリーダーサ)

夫であるシバ神の強大な力の源泉として、シャクティ(性力)信仰の象徴でもある。この女性の力(シャクティ)は、女神ドゥルガー女神カーリーとなったとき、ますます強化されていくのである。



仏教では、「烏摩(うま)」として描かれている。
そして夫と同様に、真言密教の降三世明王(ごうざんぜみょうおう)に踏みつけられている姿であらわされています。


【ドゥルガー女神】

・パラバーティー女神の怒りの化身。

神々の怒りの炎から誕生し、10本の腕には神々より与えられたさまざまな武器を持っている。顔は優雅に美しく微笑んでいても、内面では憤怒の炎が吹き荒れている。ライオンにまたがり、魔族アシュラ退治へと出陣するのである。


【カーリー女神】

・ドゥルガー女神の怒りの化身。

女神がもつ優雅さはすっかり消えうせ、身体は黒く染まり、目は血走り、本能を剥き出しにした、血まみれ殺戮女王である。生首の首飾り、手首のスカート。大きく口を開け、舌を出して血を求め、雄叫びをあげながら肉切り包丁を振り回し、狂喜しながら正気を失っていく。

創造の根を絶やすほどの破壊を危惧したシバ神は、カーリー神の前に立ちはだかり、踏みつけられることで、彼女を正気に戻したのであった。

ベンガル州で圧倒的な支持を持ち、都市カルカッタの名はカーリー女神のすむ町という意味。現在でも寺院では黒山羊を生け贄に捧げている。