山姥・・・消 え る こ と の な い 女 の 情 念
人間がほとんど立ち入ることのない深山の奥に棲んでいる白髪の老婆や、子連れの美しい若い女の妖怪を山姥といいます。
白髪をふりみだして走り去る醜い老婆はそれはそれは恐ろしく、ひとたび目にした人はその風貌を忘れ去ることができず、必ず災厄が身の上に起こるのです。
若い女の山姥は黒髪で肌は透き通るほど白く、襤褸(ぼろ)をまとっているかあるいは全裸姿で男の前に現れます。
けれどもやはり目つきは鋭く口は大きく耳元まで裂けており、人間の子どもを攫って食べてしまうとも伝えられています。
濡れ女
信濃川には濡れ女という体長およそ200メートルの人面蛇身の妖怪が棲んでおり、川にやって来る人間たちの生き血を吸うことで生き長らえています。
濡れ女に狙われたら最後、どんなことをしても逃げられないそうです。
濡れ女はたいそうな美人で水辺の男どもが釘付けになったところで、すかさず女の口は大きく裂け真っ赤な舌をひらひらさせながら全身で絡み付き血を吸い上げるのです。
そして骨と皮になった男は深い水底へ姿を消していくのです。
濡れ女は川に限らず湖や海にも棲んでいるといわれています。
雪女
雪降る夜に道で出逢うとかならず自分の赤子を抱いて欲しいと懇願する雪女がいます。
その赤子は玉のようにかわいいので、言われるがまま子を抱いてしまった瞬間に全身が凍えて死んでしまいます。
また雪女は山小屋などに一人で訪れ、そこに泊まっている男を誘い、精気を奪い尽くすともいわれています。
そして氷のような息を吹きかけ男をとり殺してしまいます。
奇跡的に助かったとしても、雪女に出逢ったことを他人に話すと、その人は確実に命を奪われてしまうそうです。