東大寺・大湯屋
人工の建造物として「銭湯」の原型が出現するのは、奈良時代以降の事。入浴の起源は、仏像を湯で洗い浄めた事に始まるといいます。そこで、仏教上の供養として、各地のお寺に「寺湯」と呼ばれる浴室が設けられるようになりました。一般大衆に解放された、いわゆる「施し湯(ほどこしゆ)」としては、光明皇后が、奈良の東大寺に設けた大湯屋が、日本最古のものとして残っています。しかし、当時の入浴方法は行水と蒸気浴を合わせたものだったと思われ、温水浴の登場は江戸時代まで待たねばなりません。