見せ物としての地獄図・・・冥 土 へ の 旅 先 案 内
この世に怨恨や強い情念を残して死んだとき、人は鬼になるといいます。
あの世に逝っても尚、昇華しきれない愛憎の念が鬼を妖怪へと変化(へんげ)させ、生と死のはざまを、恨みが晴れるまで、念願が成就するまで、いつまでも漂い続けるのです。
妖怪はぬくぬくと生きている人間の眼前に突如として現れ恐怖でおののかせ、あるいは人間にとり憑くことにより破滅へと導きます。破滅とはすなわち死を意味します。
けれども死ぬことで終わりをむかえるわけではなく、三途の川を渡ったその先にある地獄でこそ、さらなる真の苦しみが始まるのです。
さあ、地獄とはどんな世界なのか、鬼火・釣瓶火・狐火の恐怖の松明を手掛かりにして地獄を旅してみませんか。