愛知県三河は徳川家康の出生地であったので江戸時代幕府の火術・砲術の中心地でした。三河の手筒花火はこのような風土に育った花火師たちの心意気と技術が息づく勇壮な花火です。この花火は製造の過程からして一般の花火と違います。花火を仕込む手筒は長径10センチ、長さ70センチ位の青竹。そこに火薬と鉄片を詰め、若者たちは脇腹に抱え、火を付け打ち上げます。昔は毎年、祭りのたびに爆発を起こし、けが人が出たり、場合によっては命を落とすような事もありました。そのため村々の若者たちにとっては大人の男として認められる儀式でもありました。