インドから北方へ、チベット、モンゴルを経て中国に入った将棋は、象棋(シアンチー)と呼ばれる独特の将棋になりました。
象棋は、「将」「士」「象」などの文字を入れた丸い駒を使い、盤面には「河」「九宮」という領域があって、河を渡れない駒や砦から出られない駒があります。盤の規制力が強いこと、他の駒を飛び越えて敵駒をとる強力な性能の駒があることが特色です。 朝鮮の将棋はチャンギ(将棋)といい、駒は八角形。駒の名称は象棋に似ていますが、駒の動かし方は少しずつ異なり、象棋より強い動き方をします。王将にあたる駒の名前は「楚」と「漢」。なにやら項羽と劉邦の歴史的な戦いを思い出します。駒を置く場所は、象棋もチャンギも、舛目の中ではなく線の交点です。 以前は、日本将棋は象棋やチャンギの流れをくむものと思われていました。伝説では吉備真備(693ー775年)が入唐したとき日本に伝えたことになっています。しかし近年の遊戯史の研究では、まったく別ルートらしいとわかってきています。 |
象棋(中国) ◆盤 9×10路 ◆駒数 32 ◆駒の名称(相手陣は省略) 将、士、象、馬、車、兵、砲 (7種類) チャンギ(朝鮮) ◆盤 9×10路 ◆駒数 32 ◆駒の名称(相手陣は省略) 漢、仕、象、馬、車、兵、包 (7種類)
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