でもね、わたしの発見者のカリフォルニア大学のドナルド・ジョハンスンは、この大型・小型を同じ種の性的二型、つまりオス・メス関係だという説なの。たしかにゴリラのように、オス・メスの大きさが極端に違う種類もあるからねえ……。そうすると、大型種はわたしのライバルではなくて、わたしの夫だということになるわけ。このへん、学者さんたちの争点だから、今のところ大きな謎なのよ。
ちなみに、わたしたちより後代(200万年前)のアウストラロピテクスのP型(頑丈型)とA型(きゃしゃ型)の想像図をお見せしておくわ。同じアウストラロピテクスだけど、これが、わたしたちの時代の大型・小型のそれぞれの子孫なのかどうかも、よくわからないの。こんな謎だらけの人類史が、いくらかハッキリするのは、ホモ・ハビリスの時代から。人類の祖先をたどっていくと、間違いなく行き着く最初のヒトが彼等なのよ。 |