の劉綱(りゅうこう)もよく術を心得、暇つぶしによく術比べをした。夫人の家の庭には二本の桃の樹があったが、夫妻はそれぞれに呪いをかけ互いに格闘させた。しばらくすると劉綱が呪いをかけたほうが旗色が悪くなり、いくども垣の外へ逃げ出した。このように術比べはすべて夫人が勝った。さて昇天しようとしたとき、劉綱は大木によじ登り、やっと飛び上がることができたが、夫人は坐ったまま雲がたち昇るように徐々に上がって、一緒に昇天した。