関野吉晴からの報告 パナマ地峡



私は現在コスタリカの首都サン・ホセにいます。

3月20日に日本を発ち、コロンピアに向かいました。当面の難関であるコロンピア-パナマ国境のダリエン地峡を渡るためです。25年問通い続けた南米から中米に渡る難所です。

コロンピア側はカティオス国立公園、パナマ側は世界の自然遺産にも登録されたダリエン国立公園がつながっています。中南米でも有数の特異な、手つかずの自然の残された地域です。ところが国境地帯でもあり、湿地帯、密林であるため、警察や軍の手はなかなか届きません。

反政府的あるいは犯罪的勢力の温床になっています。FARC(コロンピア革命軍) EPL(解放人民軍)などの左翼ゲリラと彼らをつけ狙う極右組織、麻薬組織、密輪組織盗賊が入り乱れている所です。昨年はこの周辺で数百人の人間が虐殺されていて国連平和維持軍の派遺も検討されたほどです。

3月24日、トウルボを2人用のファルトボートで出ました。相棒はパタゴニアやチチカカ湖、アマゾンを一緒に漕いだことのあるマルチ冒険家の渡部純一郎君です。輻およそ15キロあるウラバ湾を1時間半で渡りきりました。そこで、ピデオ撮影の長谷川諭君、サポート隊員の自根全君の乗るモーターボートと合流しました。

自根君は7年前に、パナマ側からコロンピア側に渡っています。「一旦ダリエン地峡を渡ったがために貧乏くじを引くことになってしまったよな一」とばやいていましたが、土地の人間との交渉を一手に引き受けてくれました。緒局は彼のサボートが縦断成功に大きな牽引力となりました。

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