ペルーアンデス
世界最長の山脈の中央に位置するペルーアンデスには独創的な文化を誇ったインカ帝国が栄えた。インカ帝国を征服したスペイン人たちは略奪の限りを尽くし、貴重な文化遺産をことごとく破壊した。先住民はスペイン人の経営する鉱山や農園で過酷な労働を強いられた。独立後も先住民たちは荒涼とした高地の貧しい土地を耕すしかなかった。しかし、そこでもインカの伝統を守り誇りを持って生活している人たちは多い。インカ帝国時代、貴族の少年たちにはさまざまな試練が与えられた。武器の使い方や軍事技術テスト、伝統的な手仕事もマスターしなければならなかった。6日間にわたって生のトウモロコシと水だけで過ごすなどという試験もあった。そして最後には若者たちの勇気を試すために2っの陣営に分かれて模擬戦争が行なわれた。この模擬戦争の伝統の名残が投石戦争という行事であると言われている。
死者が出るのも珍しくはない。投石戦争の死者は英雄として葬られる。また死者が出ると農耕を司る地母神パチャママに生け贄の血を捧げたことと同然と見なされ、その年の豊作が約束されたということになる。
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