パタゴニア
南米大陸の南端、南緯40度以南を”パタゴニア”と呼ぶ。東アフリカで生まれた人類は世界中に移動、拡散していったが、およそ1万年前にはここに達していた。アンデス山脈を境に西のチリ側は多量の雨が降る。湿った偏西風が時に嵐となって吹きすさび、「嵐 の大地」と呼ばれる。樹々に苔がびっしりとついた森林に覆われたフィョルド地帯で、氷河が大音響 とともに海になだれ落ちている。
中央の大陸氷床は世界最大の山岳氷河だ。多量の雪が降り、それらが溶け、再び凍って氷河を形成し、東西の海、湖に押し流している。
東のアルゼンチン側は、年間降水量が平均150ミリと少なく、乾燥した平原だ。19世紀後半、この地がヒツジの飼育に適していることが分かると、ヨーロッパ人が押し寄せ、先住民虐殺の歴史が始まった。
パタゴニア南部永床を抜けて海にでた。フィヨルドに点在する島を巡りながらカヤックで北上し、カレテーラ アウストラル(南街道)の終点、プエルトウンガイに着いた。そこで漁船に乗り換え、以前にも訪ねたことのある先住民カワスカル族の村に立ち寄った。本来は漁師の村なのだが、みんな出稼ぎに行ってしまっていた。
アウストラル道路沿いに暮らしている人々のほとんどが新天地を求めて北方からやってきた人たちばかり。土地や仕事を求めてこのパタゴニアに流れてきた人たちばかりだ。土地も仕事もこの人口希薄なパタゴニアにはたくさんあった。やがて多くの人がここに根付いた。みんなたくさん子供を作った。10人くらい子供がいるのは当りまえだ。そしてなぜか犯罪は少ない、厳しい自然環境の中、パタゴニアは世界でも類のない治安のよい土地なのだ。
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