今昔百鬼拾遺 霧之巻

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く 風によりて巌をかけり、木にのぼり、そのはやき事飛鳥の如し。
解説 風狸は風母、平猴、風生獣とも呼ばれます。また、木によじ登り、風の 道を読みとり、グライダーのように滑空して、風に乗って空を飛ぶことが できます。簡単に山をも超えることができました。
また風狸は、餌として鳥をとるときに、野原で奇妙な草を見つけてきて、 その草を枝に止まっている鳥をめがけて投げます。すると、かならず その鳥は落ちると言われています。しかし一説には蜘蛛を食べ、 香木の香を食べるそうです。
風狸は、殺しても口に風を受けると生き返るそうです。頭を打ち砕いても 風が吹けば生き返ります。ただし石菖で鼻を塞げば死ぬそうです。