百鬼徒然袋 巻之上

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く 三千年を経たる狐、藻草をかぶりて北斗を拝し、美女と化するよし、 唐のふみに見へしはこれなめりと、夢のうちにおもひぬ。
解説 石燕の記述とは少々異なりますが、中国唐代の書「西陽雑俎」では、 何百年も生きた狐が変身するには、どくろを頭上に載せて、北斗七星に おじぎをするそうです。このときどくろが下に落ちなければうまく 変身できるそうです。
化けた狐は犬に弱く、犬に吼え立てられると、元の姿を現して しまいます。しかし、一千歳を越えた狐は天狐と呼ばれ、犬に 吼えられても正体を現さないと「捜神記」に記されています。