百鬼徒然袋 巻之中

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く 貝おけ這子など言へるは、やんごとなき御かたの調度にして、しばらくも はなるること無ければ、この貝児は這子の兄弟にやと、おぼつかなく 夢心に思ひぬ。
解説 貝桶は貝合わせや貝おおいといった遊びに使う貝を入れるための桶です。 貝合わせは左右に分けた蛤の貝殻を合わせる遊戯で、右貝を地貝として 場に出して、左貝を出し貝として合わせて遊びます。異なる貝の右と 左では合わないものですが、分かりやすいように(あるいは遊びの ために)、貝殻の内側に同趣向の絵を描いたりしました。
貝おおいの遊びについては「徒然草」第百七十一段にも 書かれているようです。