百鬼徒然袋 巻之下

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く 花のみやこに社さだめず、あらぶるこころましみ、神のさわぎ出給ひし にやと、夢心におもひぬ。
解説 幣というのは、神社で御祓いに使う道具で、幣串に段々に切った紙を はさんだものです。御幣とかみてぐらともいわれます。
幣六の由来はよくわかりませんが、「古今著門集」巻十二に「強盗の 棟梁大殿小殿が事」というのがあって、強盗で世を騒がせた小殿平六の ことが記されているそうです。これも語呂合わせから思いついた 妖怪でしょうか。
「百鬼夜行絵巻」(真珠庵蔵)では赤鬼が御幣を持って走る姿が ありますが、構図が異なるので、参考にしているのかどうかは よくわかりません。