百鬼徒然袋 巻之中

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く 鎗毛長
日本無双の剛の者の手にふれたりし毛鑓にや。怪しみを見てあやしまず。 まづ先がけやの手がらをあらはす。

虎隠良
たけき獣の革にて製したるきんちやくゆへにや、そのときこと千里を はしるがごとし。

禅釜尚
茶は閑寂を事とするものから、陰気ありてかかる怪異もありぬべし。 文福茶釜のためしもと、ともに夢の中に思ひぬ。
解説 「百鬼夜行絵巻」(真珠庵蔵)の赤い一つ目の妖怪の前にいる三体の 妖怪の構図を模しているようです。
毛鑓、虎皮の財布、茶釜の妖怪のようですが、どのような経緯で 発想されたものかよくわかりません。