画図百鬼夜行 陰之巻

(国立国会図書館所蔵)

解説 幽谷響や山彦と書いて「やまびこ」と呼びます。木魅の項に記した とおり、これも山の中の音(声)の妖怪です。
声や音を返すだけの妖怪としては、鳥取地方では呼子、呼子鳥、 長野県のミソカヨーイ、福岡県のヤマオラビ、佐賀県のオラビソウケ、 アイヌのカヨーオヤシというようなものがいます。たいていは音を返す だけで何もしないのですが、例えばヤマオラビは、人が「やいやい」と いうとヤマオラビが「やいやい」とおらび返し、最後には人を殺す そうです。また、カヨーオヤシに「おーい」と呼ばれてそちらに 行ってしまうと、命が危ないようです。