画図百鬼夜行 陽之巻

(国立国会図書館所蔵)

解説 まくらがへしは枕返しとも書きます。枕返しとは、寝て いる人の枕がはずされて、足下の方にいったりすること をいいます。それは、寝ている間に反枕(枕返し)とい う妖怪が現れていたずらするのだと思われていました。 枕小僧とも呼ばれていて、子供または童子の形で現れる ことが多いようです。東北地方ではザシキワラシが枕返 しをするといわれているようです。
寝ている間に霊魂が抜けたら枕がないと体に戻れないので、 枕返しには注意しなければならないと、平安時代の「大鏡」 にも書かれているとのことです。
画においては、画面の中央部(布団の上部)に薄刷りで妖怪が 描かれているのですが、ここではほとんど見えません。