今昔百鬼拾遺 雨之巻

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く 毛羽毛現は惣身に毛生ひたる事毛女のごとくなればかくいふか。或は 希有希見とかきて、ある事まれに、見る事まれなればなりとぞ。
解説 全身が毛に覆われた犬のような姿をしていますが、一種の疫病神のようで、 じめじめしたところに棲みつくようです。毛羽毛現の棲みついた家からは 病人が出ると言われていますが、毛羽毛現が理由なのか、じめじめした 健康に悪い家だからなのか、よくわかりません。
「希有希現」と書かれることもあり、在ることまれ、見ることまれな 妖怪なのかもしれません。かつて流行したケサランパサランも毛羽毛現の 一種でしょうか。