百鬼徒然袋 巻之下

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く わざわひは吉事のふくするところと言へば、酌どもつきず、飲めども かはらぬめでたきことをかねて知らする瓶長にやと、夢のうちに おもひぬ。
解説 「百鬼拾遺」に続き「百鬼徒然袋」においても、最後は縁起の良い妖怪や 怪を並べて終わります。いくら酌しても無くなることなく、いくら 飲んでも量が変わらないめでたい瓶長を考えて、器物の妖怪の最後とします。
このような、いくらでも出てくる打ちでの小槌型の昔話も瓶に限らず、 いろいろと残っています。
瓶長は古くなった瓶の妖怪で、目や鼻を持って水を自由にあやつる という話もあります。