今昔百鬼拾遺 雨之巻

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く うしろ神は臆病神につきたる神也。前にあるかとすれば、忽焉として 後にありて、人のうしろがみをひくといへり。
解説 暗い道を歩いていたりすると、急に後ろから髪をひっぱられることが あります。単にそういうふうな感覚を持つだけかもしれませんが、 これは後神の仕業であると思われました。未練を残して引きとどめる 神であると同時に臆病神のようでもあります。
髪をひっぱるだけですが、地方によっては、首すじに冷たい手で さわる、首すじに熱いものをくっつける、熱い息をふきかけると いったことも後神の仕業だと言われています。