画図百鬼夜行 風之巻

(国立国会図書館所蔵)

解説 忙しい夕方の刻に現れて、かってに人の家に上がり込んで、 座敷に座ってお茶を飲み、のんびりしている妖怪がぬらり ひょんだといわれます。商人のような姿をしていて、上がり 込んだ家の主人の湯呑や煙管を勝手に使って、煙草をふかし ていたりもするが、家人は忙しいので主人だと思い、気付か れないとのことです。
瀬戸内地方では、海坊主のことで、頭程度の大きさの丸い玉 が海に浮かんでいて、とろうとするとヌラリと逃げて、また ヒョンと浮いてくるからヌラリヒョンというそうですが、石 燕の示した妖怪とは種類が異なるようです。