画図百鬼夜行 陽之巻

(国立国会図書館所蔵)

解説 ろくろ首といえば大変有名な妖怪ですが、江戸時代より前は、 首が離れて飛ぶ抜け首の話が多いようです。これも元をたどると 中国の妖怪「飛頭蛮」が日本に入ってきて 変貌したものといえるでしょう。
首がつながったまま伸びるイメージが定着したのは江戸時代のようです。 また、首が抜けたり伸びたりするのは妖怪ではなく病気だという考えも あったようです。本人が寝ている間に、自身が気付くことなく、 首が飛んでいる、あるいは伸びているという話も数多くあります。 離魂病あるいは夢遊病が関連しているかもしれません。
ろくろ首の人は首の回りに筋や輪がみえます。 人間を殺すほどの妖怪ではないようです。